1点遠く 開幕戦白星スタートならず/関東大学1部リーグ戦

2014.04.07
1点遠く 開幕戦白星スタートならず/関東大学1部リーグ戦
 失点が重くのしかかった。前半5分、相手にコーナーキックを与えるとファーサイドの選手にヘディングで中に落とされ、混戦の中押し込まれてしまい失点。「守備のセットプレー、特にコーナーキックは1失点目も合わせ何回か危ない場面があった。セットプレーの守備に関しては、またトレーニングしていかないといけない」(神川明彦監督)と新たな課題としてセットプレーの守備対応が浮上した。失点はしたものの、流れの中からは慶大にチャンスらしいチャンスをつくらせずに前半は終了した。
 チャンスをつくり追い上げムードだった。しかし後半33分、相手のシュートミスがライン上に残った選手に偶然収まり決められるという不運な形での失点。「2点目は失点の前に球際で2~3回連続で負けてああいった得点の形に持ち込まれてしまった。そういう細かいところの差が2失点という結果。あの流れの悪い時間帯に耐え切れなかったのはまだまだ」(矢島倫太郎・政経4=浦和レッズユース)と明大三原則である球際・運動量・切り替えを徹底できなかった。堅守を持ち味とする明大は、90分間全体を通して内容のあるサッカーをしていただけに痛恨の2失点となった。
 
 チャンスを決め切れなかった。後半立ち上がり、1点ビハインドの場面で左サイドを矢島がドリブル突破しクロスを上げると、ファーサイドに走りこんだ藤本佳希(文3=済美)がヘディングシュート。しかし強くたたきつけたボールはわずかにゴール上へそれる。その直後に石原幸治(政経4=市立船橋)が持ち前のスピードを生かし藤本のスルーパスに抜け出しシュートを放つもゴール左へと外れた。慶大守備陣を崩すも、ゴールを入れられない歯がゆい試合となった。「自分がヘディングを決めていれば試合も違ったものになった」(藤本)と昨季の課題でもあった決定力不足に泣いた。

 チームは前を見据える。開幕戦こそ負けはしたものの、リーグ戦は全22節と長丁場。「やろうとしているサッカーはできていたと思う」(苅部隆太郎・商4=川崎フロンターレU18)と内容自体は決して悪くなく、明大らしいサッカーができた。前半でプレーが中断した際にはセンターサークルで三浦龍輝主将(商4=FC東京U―18)を中心に話し合うなどチームの雰囲気もまとまっている。次節は桐蔭横浜大戦だ。優勝を目指すチームにとっては連敗など許されない。三浦主将は「負けてしまったが、今日負けといて良かったかなと思えるようにしたい」と今日の敗戦を糧に勝利を誓った。

【西田理人】

試合後のコメント
神川監督

「慶應が今シーズンは守備的に戦うという情報は得ていたので、選手たちも警戒はしていたんですけど、やはり立ち上がりのセットプレーでああいう形で失点してしまったのは、相手にとっては非常にゲームプランを立てやすかったのではないですか。まずそこが一つ残念だったというか、相手のゲームプラン通りの進み方になってしまった。後半立ち上がりに訪れた2回のビッグチャンス、あそこをやっぱり外してしまったのが、この後のゲームを難しくしてしまいましたよね。残り15分の戦いについては勝利への執念というか、そういうので相手が一歩勝っていたのではないかな。それが多分2失点目につながったんじゃないかなと思います。あの場面はシュートを打たれるまでに、1対1の争い、球際の争いで3回くらい連続で負けたんですよ。結局相手のシュートミスがたまたま懐に収まってという形になりましたけど、あの局面だけは1対1で連続して負けてしまった、球際で負けてしまったというのが、やはり2点目を失う要因となったんじゃないかと思いますね。やっぱりサッカーというのは決まればゲームが有利に進むし、決まらなければゲームは進まないので、今日は決定力というところに課題を残したゲーム。サッカーに限らず、大学スポーツというのは4年生の存在が大きいですから、さらに存在感を見せてほしいですね。次節は今日は2点も取られてしまいましたからね。まずは失点しない。リーグ戦の鉄則ですよね。その中でチャンスをしっかり決める。チャンスはつくれると思います。今日もつくれたと思うので。慶應の守りは定評があるので、そういう中であれだけチャンスをつくれていたので、決めるという最後のところです。1番難しいんですけどね。特別何かを変えるとかはないと思います」

栗田大輔助監督
「開幕戦なので気負わずに今まで通り平常心で今までやってきたことを出しましょうということでやったんだけども、前半5分で失点して、逆に慶應のリズムをつくっちゃった。そういう意味では向こうに勇気を与えてしまったかなと。攻撃面とか全体のサッカーとしては悪くなかったと思うし、ぶれることなく今年の明治のサッカーをやり切って次節にしっかりと結果を出したい」

三浦佑介ヘッドコーチ
「最後の選手の表情見た時に、疲れ切っていないというか出し切っていないという感じだった。やろうとしてることは悪くなかったけど、消化不良だったのかなというのはある。サッカーは失点したり、先制されるもの。大事なのはその後気持ちを落とさずにやること。そういう部分では昨年と違って気持ちを落としている選手はいなかったので、だからこそやり切ってほしかったかなと。もっと前線から走ってほしかったし、そういう練習をしているはずなので。本人たちが一番分かってると思います。選手にいつも言っているのはどれだけ質を高めて、チームとして向上していくかということ。今日の結果を受け止めてまた来週以降、1人でも多くの選手が質を高めてほしい。今日はしっかり受け止めてまた来週切り替えていきたい」

三浦主将
「セットプレーでの守備であったりとか、球際で負けたりしたところを次に残さないように一週間かけて修正していけたらいいなと思う。前線からの守備は相手が持ったらすぐ蹴ってくるということで、なかなか前線から行く機会はなかった。ポゼッションは相手を上回れたので、その部分ではこれから先良い材料になると思う。最終的に(点を)決めないと意味がないので、そこは練習からも取り組んでいる。何かきっかけがあれば、良くなると思う。開幕ということで、多少緊張はあったと思う。負けてしまったが、今日負けといて良かったかなと思えるようにしたい。次はとにかく勝てるように一週間準備していきたい」

矢島
「相手が引いてくる中でチャンスはたくさんあったが点を決められなかった。崩しの部分が課題。最初のあの時間にセットプレーでやられるのが一番良くない。2点目は失点の前に球際で2~3回連続で負けてああいった得点の形に持ち込まれてしまった。そういう細かいところの差が2失点という結果。あの流れの悪い時間帯に耐え切れなかったのはまだまだ。苅部とはいい関係が築けている。今日はあまり2人で崩すということはできなかったが、練習ではできているので、次の試合ではそういうことができるようにやっていきたい。明大はいつも前期が弱いので今年は早くからまとまれば勝てるようになると思って4年生で決めてミーティングをやってきた。今日も負けはしたが応援してくれているみんなもまとまっている気はする。決めるところで決められればすごい選手ばかりなのでジェフとの試合みたいに4点くらい取れるが、今日みたいに全く決められない日もある。そこの波をなくしていきたい。チームとしては練習試合で勝った相手ではあるが油断せず自分たちが挑戦者という気持ちで挑んでいきたい」

差波優人(商3=青森山田)
「決めるところを決めないと上では通用しない。そういったところを詰めていかないと。次の試合まで1週間無いので、コンディションはしっかり整えてやるべきサッカーは変えずに行きたい。今日勝てなかったので次こそは絶対に勝つ」

藤本
「相手が引いてくるっていうのも自分たちの中ではイメージしてたんですけど、セットプレーで失点してしまってから相手は思う通りのゲームプランになったと思います。自分たちが決定力を欠いて最後まで決めることができず、2点目くらって完敗だと思います。前半よりは後半のほうがボールを受けれたというのはありました。でも後半の僕の立ち上がりのヘディングを決めていれば試合も違ったものになったと思います。なんでたたきつけてしまったのか。(サイドハーフにポジション転向したが)ボールを受けたときに前を向いて突破をするのが持ち味だったので、1人くらいなら剝せる自信がありますし、そういうところではサイドハーフに前向きです。だけどポジション関係なく得点を取れないと攻撃的な選手として価値がないと思うので、そういった意味では今日は残念でした。神川監督も仰ってたんですけど、リーグ戦長いので、連敗だけはしないように、気持ち切り替えて一週間練習して次節に臨んで勝ちたいです」