(2)次期主将・女子リーダー対談

2014.03.31
 史上初の快挙へ、チーム全員で突き進む。昨年、男子は入替戦に回り1部残留、女子はブロック2位と目標としていた関東制覇を果たせなかったアーチェリー部。今年はチームの目標を明大初の「男女王座ベスト3」と定め、練習を積み重ねてきた。紫紺の弓で、全国の舞台で輝いてみせる。
 今回は次期主将の伊藤達也(情コミ3=県立船橋)と次期女子リーダーの牛久保早紀(政経3=大妻多摩)から話をうかがった。同期に前田悠帆(法3=東福岡)という大エースを抱えながら「誰かに頼りっぱなしのチームにはしない」と言う伊藤と、同じ代が2人だけであり「2人で1つ」と言う牛久保。2人の話から見えてきたのは、チームの強い絆だった。

――次期主将、女子リーダーに選ばれた時の気持ちはどうでしたか。
伊藤
自分は経験者ということで、1年生の時から代を引っ張る立場にいました。そのままエスカレーターで主将になった感じなので、特にというか(笑)。2年かけて覚悟は決めてきたので、あまり思うことはなかったですね。
牛久保 私の場合は代に2人しかいなかったので、どちらかがやらなければいけなかった。平塚(まな・商3=水戸二)に、「やる?」って聞いたら「やらない」って言ったので、じゃあやろうかなと。私も1年生の時から覚悟をしてきたつもりです。

――女子は同じ代に2人しかいないですが、不安に思うことはなかったですか。
牛久保
初めのころは、代に2人しかいないということでライバル意識がありました。それで切磋琢磨(せっさたくま)してやってこられたので、むしろ良かったと思います。3人だと、こうはならなかったと思います。私に足りないものを平塚は持っていて、私にアドバイスしてくれたりします。役割分担みたいな感じでやっていて、女子リーダーが2人いるみたいな(笑い)

――次期主将、女子リーダーとして、リーグ戦ではどのような役割を果たしていきますか。
伊藤
次の年度には主将になりますし、得点の面でチームの中心にいることはもちろんですが、精神的にも試合運びの真ん中にいたい。とにかく後輩に見せられる先輩になりたいと思います。
牛久保 下と上に挟まれる学年なので、後輩には初のリーグ戦で緊張することもあると思うので、メンタル的に支柱になれるように。先輩方には安心して射ってもらえるように点数を出していきたいです。それを3年女子のリーグ戦の目標にしていこうと、平塚と話し合って決めました。

――女子はよく2人で相談したりしますか。
牛久保
そうですね。代に2人しかいないので、どちらかがいなくなることもあると思うので、どっちかが抜けても大丈夫なように日ごろから意思疎通をしています。2人だけだと、どうしても目の行き届かないところもありますしね。とにかく協力しながらやっています。
伊藤 男子の力も借りながらね。

――アーチェリー部は男女で協力し合うことが多いのですか。
牛久保
そうですね。同期の男子に今の女子チームはどう見えるか、みたいなことを聞くことがあります。ずばずば言ってくれるのがすごくありがたいですね(笑)。お互い聞けば、よく見てくれているんだなというのが分かりますし、男子ありきの女子チームみたいな関係です。
伊藤 その逆もですね。自分たちの代から例年よりも密になった気がします。2人しかいなかったというのが大きかったような気がします。少なかったせいで男女でぱきっと分かれなかった。
牛久保 完全に女子がのまれたんですよね。2人が13人に敵うわけがない(笑)。でも逆にそれが良かったと思います。

――仲のよい男子チームと女子チームですが、お互いのチームはどのように見えますか。
伊藤
自分たちの代の女子が2人なので、下の代は女子を多く入れようとした結果、7人が入ってきてくれました。数が多いことも良かったと思いますが、その7人が予想よりも上のレベルでアーチェリーに向き合っていて、嬉しい驚きがあります。深澤(菜見・平26文卒)先輩というある意味大きすぎる支柱がいなくなるときに、この7人が入ってきてくれた。今年も女子チームはやってくれるだろうと思います。
牛久保 去年、一橋大戦に応援に行ったときなんですけど、その時たまたま太田(俊・商4=明大明治)先輩と前田というツートップがいなかったんですよね。でもその試合ですごくいい点を出していて、誰かに頼りっぱなしではない良いチームだなと。主力がいなくても士気が下がるわけではなく、ちゃんと自分の射に集中できるし、応援もカバーできる。応援一人一人にも役割が持てていて、こんなに大人数なのにうまく回っているのはすごいと思いました。女子もそれを見習って、応援のしかたをまねしたりしています。

――今年のリーグ戦では中村和音氏(平26理工卒)と深澤さんが抜けますが、自分のチームをどのように感じていますか。
伊藤
男子は人数が多い分、層の厚さがあります。確かに(中村)和音先輩の存在は大きかったんですが、全体としてのレベルは下がっていないのでそこまでの不安はないですね。昨年には男子のチーム史上最高得点も出せましたし、ここまでやれるんだという自信があります。和音先輩たちの代が抜けて、チームの雰囲気もまた変わったので新しいチームができてきたと感じます。
牛久保 女子チームは深澤先輩という一本軸が抜けたのがとても大きくて、最初はどうなるんだろうと思っていました。去年は試合では深澤先輩が引っ張って、その後を他の選手が付いていくという感じだったんですけど、今年はみんなが高得点を取っていこうという感じになっているので、学年関係なくフォースに入ってくるようになっています。また全体で頑張っていこうという感じになったからこそ、私たちの1つ下の代の子たちも上に食い込んできてくれる。底上げにつながっていると思います。
伊藤 一人の選手に頼らなくなった。
牛久保 そんな感じですね。

――最後にリーグ戦に向けて意気込みをお願いします。
伊藤
個人としては、昨年は自分としてもあまりいい1年ではなかったので、リーグ戦ではしっかり選手として戦おうと。またチームはここ何年かの中では一番王座出場に近いと思います。もちろんリーグ戦は強敵だらけではあるんですが、王座への道は確実に広がっていると思うので、チーム一丸となってしっかり戦っていきたいなと思います。
牛久保 チームとしては、人数が少ない分とてもお世話になった先輩方のために、王座に出場することです。個人としては、昨年王座の舞台で応援席から見た先輩方がとてもかっこよくて、来年は絶対あの射線に立ってやるぞと思ったので、アベレージ600点以上を出して選手として王座に出場することが目標です。

――ありがとうございました。

◆伊藤達也 いとうたつや 情コミ3 県立船橋 173㎝・63㎏
◆牛久保早紀 うしくぼさき 政経3 大妻多摩 148㎝

[本永雅敬]

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