
大貫メイジ始動戦は3位入賞の好スタート/全日本選手権
学生王者の貫禄を見せ付けた。初戦は自衛隊の大会でも上位に顔を出す力のあるチームであったが、中堅の榊原亮(法3=大阪桐蔭)が30秒足らずで二本を先取。この試合以外は全て引き分けに持ち込み1―0で初戦を突破。この勝利でメンバーに勢いが付いた。続く3回戦は5―0の圧勝。準々決勝の相手は強敵・オール早稲田であった。しかし、先鋒(せんぽう)から中堅まで全て勝ち星を奪い、3―1で難なく準決勝進出を決めた。「本当に早稲田には勝ちたかった」(高村潤監督)と早大に対する思いはやはり強かった。
その壁は越えることができなかった。準決勝の相手は昨年の同大会で大敗した第一普通科連隊。「リベンジしよう」(大貫洋平主将・文3=東海大相模)と試合に臨むも先鋒(せんぽう)から副将まで一本も奪えず全敗と苦しい戦いを強いられた。しかし、大将として登場した大貫が主将の意地を見せた。組みの力では遠く及ばない相手に対し、得意の突きで攻め続けた。そして、開始20秒、相手の面に大貫の拳が決まり、一本を先取。この勢いそのままに再び面突きを決めた。自衛隊の選手相手に付け入るスキを与えない圧巻の50秒間だった。
大きな収穫に加え、結果も残した今大会。春合宿では基礎体力づくりをはじめ、部内の競争意識の活性化を図った。「成果は出ていた」(高村監督)と大きな期待が持てそうだ。自衛隊のチームとの試合では「テクニックよりも力で全てを持っていかれた」(栁口憲太・商3=長崎西)と体の強さを磨くという課題も見えてきた。さらに、今年は府立に向けて「最低でも優勝」(大貫)と王者の自覚をしっかりと感じている。3連覇を達成し、絶対王者の地位を築き上げる。
[西村典大]
試合後のコメント
高村監督
「この大会は昨年、初戦敗退で自衛隊の強いチームが出ていたり、大学が単独で出てくるのは珍しい。だから、チャレンジのつもりでどこまでやれるかなと思っていたけれど、目標にしていたベスト4に入れて良かったなと思った。初戦のチームは自衛隊のチームの大会でもベスト8に入るぐらい強いチームだった。新チームの本当の初戦だったから固くなっている選手もいたが、勝てたのでこれからいけるかなと思えた。(第一普通科連隊は)やっぱり強い。力の強さと組みの技術が高い。組みだと1対9ぐらいの力関係だった。突き、蹴りで組みの力の差を埋められるようにしなければならないと思った。でも大貫はよく明治の拳法で二本取った。あれは良かったと思う。(準々決勝でオール早稲田に勝利したが)本当に早稲田には勝ちたかった。完勝だったから気持ちよかった。春合宿では今年のチームは小粒だから体づくりをしっかりやろうということだった。昨年度から取り入れた自衛隊の皆さんとやっていた練習方法も取り入れたものをしっかりやってきた。それに部内の競争に活性化を起こそう、個人を刺激するような練習をやってきた。この成果は今回出ていた。その結果がベスト4につながったと思う。東日本、全日本と団体戦が4大会あるので優勝していきたい」
大貫
「新チーム始動戦で楽しみでもあり、不安なところもあった。自衛隊チームとの差はやっぱり感じた。去年も負けていた第一普通科連隊のところまでいって、リベンジしようとやっていたけれど完敗だった。根本的な力が違った。まだまだ体力的に弱さを感じた。(唯一の勝ち星を挙げたが)相手選手の前の試合を見て自分なりに分析していた。それがうまくいってくれた感じ。感覚的にもいい感触で1本取れたので、あの勝ちは自分の中でプラスになった。早稲田との試合の前からいい感じの雰囲気があった。春合宿は根本的な体力を付けることをやった。自分の中で今年、スローガンに掲げていることが最低でも優勝すること。府立2連覇して学生日本一を背負っているので最低でも優勝することを掲げてやっていく」
榊原
「去年のこの大会は初戦敗退で悔しかった。今年は絶対優勝を目指して頑張ったけれど、去年と同じ第一普通科連隊に負けた。でもそこから学んだこともあるから次に対戦したときには勝てるような練習をしていこうと思う。(第一普通科連隊との差は)立ち技だったら明治も負けてないと思う。でもパワーの差が大きくて、組みの練習をしていかなければまだまだ勝てないなと思った。(オール早稲田に勝利したが)めっちゃうれしかった。これからは自分の力を上げていくことと、今のままじゃ安定して勝てていない。自分と大貫は安定して勝って、後輩に絶対負けないと思われるぐらい自分自身力を付けていく」
栁口
「最初はみんな固かったけれど、尻上がりに調子を上げていった感じ。特に早稲田戦はしっかり勝っていい感じだった。みんなまとまって気持ちが出ていて上々のスタートだと思う。自衛隊との試合は力の差を見せ付けられた。体の強さが全く違った。テクニックよりも力で全てを持っていかれた。投げ技でみんなやられていた。技術での勝負すらさせてもらえなかった。でももう少し自衛隊との試合でできたことがあるんじゃないかと後悔はある。中堅という位置で負けたらいけないところだった。もっとチームにできることがあったんじゃないかと思って申し訳ない気持ち。まずは6月の全国選抜の2連覇。もっと練習を積まないといけないけれど学生相手だったら通用すると思う。チームワーク、気持ちは良かったから今回はいい弾みになった」
関連記事
RELATED ENTRIES