
町、松下海がベスト16/東京選手権
壁は高かった。町はベスト8進出を懸けた7回戦で、中、高の先輩である上田仁(青森大)と対戦した。「試合では一度も勝ったことがない」と話す相手に対して、大会前から対戦することを予想していた。映像を見て研究や分析をし、対策を行って満を持して臨んだ。1ゲーム目から接戦だったが「チャンスがなかった」と3ゲームを連取され後がない状況に追い込まれた。そこから「開き直って相手がやりづらいプレーをした」(町)と強打を果敢に打ち込み2ゲームを取り返した。しかし、ゲームを取ったことで勝ちたい気持ちが出てきてしまい、実力が上の相手に押し切られた。それでも「相手はボールの質が高かった。勉強になった試合だった」(町)と前向きだ。全日本選手権で準優勝し、一躍時の人となったが、さらなる高みを目指していく。
自信につながるベスト16だった。松下海は2回戦から勝ち上がった。5回戦ではダブルスで3位入賞を果たした千敏爀(韓国大宇証券)と対戦。フルセットの熱戦となったが気迫で勝利した。「体力的につらかったが、勝てたことで自信がついた」と振り返った。
7回戦の相手は日本を代表するカットマンの塩野真人(東京アート)。「実力は相手の方が確実に上。いい試合をしようと思った」と臨んだ。最初の2ゲームは「カットを打ちにいってしまった」と強打でミスが続き連取された。その後1ゲームは取ったものの、ミスが少ない相手に対して後手に回り、決め切ることができなかった。
昨年の全日本大学総合選手権(全日学)・個人の部から全日本学生選抜選手権、全日本選手権と個人戦が続き「いろいろな場面を乗り越えて、いい経験を積むことができた」(松下海)。次に待つのは7月の関東学生選手権。昨年は4回戦で敗退したが、今年はランク入り(ベスト16)はもちろんのこと「ベスト4を目指してやっていく」と心強い。経験を積んだ姿を見せ、上級生として結果を残したい。
悲願のグランドスラムへ。2年連続で春秋のリーグ戦、インカレ団体の部全てで優勝するグランドスラムを逃している。その達成は最重要課題だ。いよいよ学生大会が5月の春季関東大学リーグ戦からスタートする。個人戦で得た経験を団体戦で発揮し、まずは一冠へ。さらに強さを増した卓球部の勝負の一年が始まる。
[石渡遼]
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