王者の走りで、クラス1を制覇/行田第2ラウンド
「チャンピオンらしい走りができた」(金井)。王者の風格を漂わせる完璧なレース運びだった。27km付近で、高木(立大)が集団から抜け出し、レースは一気に動いた。「追い付けないと思い、前を追いかけた」(金井)と、ラスト1周では高木が集団に吸収され、スプリント勝負となった。「以前もこのコースを走っていたし、スプリントの距離が自分に合っていると感じた」と金井。最後の直線で、金井は持ち前のスプリントを発揮し、他の選手の追随を許さなかった。
チームワークが光った。自転車競技のロードレースはチームのエースを勝たせるため、その他の出場選手はアシストに徹することが多い。今大会、そのエースである金井をアシストしたのが、小林と市山だ。小林は8周目過ぎにスパートをした高木(立大)に素早く反応。「前の高木さんを追わなければと思った。集団に引き戻さないと勝てない」(小林)。必至に前を追いかけ、高木を集団に引き戻した。さらに、ラストの直線では集団がけん制しているところで、市山がアタック。「市山がアタックを仕掛けてくれたので、集団がバラバラになった」(金井)。市山も、金井を優勝させるための役割を果たした。金井は「2人がいるおかげで楽に走れる。最終戦の神宮大会でもこの3人で出場する」と、厚い信頼を寄せている。
今大会の優勝は、年間王者に大きく近づくものとなった。金井は「親も年間王者をこのまま守り切って欲しいと感じている。その期待に応えられるようになりたい」と、力強く語った。さらに、金井には頼もしい仲間がついている。「最終戦まで残り2戦、全部勝ちたい」。金井が仲間とともに、ビクトリーロードを突き進む。
[加藤拓哉]
試合後のコメント
金井
「チャンピオンらしい走りができた。逃げに何回か試みたがジャージーを着ていたのでマークされていてすぐ潰されてしまったが、今回市山も加わって3人で臨めたので前回よりも楽に走れた。(レースが動いたのは)小林が立教の高木を追いかけてそこからちょっと動き始めて自分もちょっとまずいなと思った。追っかけて追い付いてスプリント勝負になってけん制入った時に市山がアタック掛けてくれてバラバラになった。そこから小林と2人でトレード組んで決まったので2人のスプリントは結構自信がついたので、いい感じで連携できるかなと思った。(今回のコースは前回と合わせて2回目だが)比較的最後のスプリント勝負の方が多いので自分はスプリントは得意ではないがいい感じの距離のスプリントなので自分に向いている。(2位の佐々木さんと34点差だが)このままいって逃げ切るので自信を持って神宮を迎えたい。(最終戦に向けて家族とは)親もちゃんと守り切ってほしいという感じなので期待に応えたい。(最終戦合わせてあと2戦だが)全部勝つ」
市山
「今年2戦目で、1戦目よりも良い成績を残そうという想いでこの試合に挑んだ。この試合では、金井をアシストしていく中で、集団を動かして他の選手を疲れさせるなどが仕事だった。しかし、あまり自分の役割を果たせなかった。また、今日の試合のように、気温が低い試合の場合には足が温まりにくいので、アップを多めにやっている。最終戦の神宮大会には、出場する。神宮大会に向けては、調子を徐々に上げていきたい。目標は、入賞圏内に入っていくこと。そのためにも、しっかりと練習を積んでいこうと思う」
小林
「休み明けの中で、どれだけ練習した成果をこの試合で発揮できるかということを考えながら試合に挑んだ。あとは、金井さんのアシスタントをしようと考えていた。レースの最後で、アシストできたので良かった。今年は、元旦から自転車に乗って練習した。高校の後輩と一緒に、平坦の道をメインに練習した。自転車を乗っていないと心肺機能が低下してしまうので。レースでは、8周目を過ぎたあたりで高木さんが前に出たので、逃がしてはいけないと思った。その後に、高木さんが集団に飲み込まれて、最後は集団でスプリント勝負になった。その中で金井さんを勝たせることが出来たのは良かった。でも、ゴールする瞬間は2位だと思ったのですが、よく見たら、東海大の選手が自分より前にいた。2位でゴールしたと思っていたので、すごく悔しかった。今シリーズ残り2戦になりますが、個人としては年間3位以内。来年は年間王者を目指して頑張っていきたい」
曽我
「前回のレースで完走ができなかったので最低でも完走はしてやろうと思った。今回、最低条件はクリアできたのは良かった。(今日のレースはきつかったか)最初自分は後ろの方からパレード走行でのスタートだったので大丈夫だろうと後ろにいた。そしたら1周目からいきなり集団がバラけてそれで前に行こうと無駄に脚を使ってしまった。結局先頭5、6人が最初2周目くらいから逃げていたのでもう決まった形だったのでレース展開としては自分の中では勝てた試合だった。ずっと後ろの集団にいたので追いかけたが無理だった。前の方に最初からいれば良かった。レース感の自分の無さが出た。前に追いつこう追いつこうと思っていたが前3人が強かったのか差が縮まらずどんどん離れていってしまう形だったのでこれはもう駄目かなと5、6周目から思っていて、4人くらい逃げていたので、最低でもその中では1番になってやろうという感じでは走った。(短距離班では唯一の出場だが)一応ロードレースシリーズも距離はそんなに短くないのでこういう場でしかスピード練習も経験できないので。本当は練習目的で来ている。やっぱりレースも練習にはなるので。弱くなることはないのでそういう目的でどうせならクラス2も狙おうとしていたが全然自分の甘い考えだった。(今シーズンは)昨年は個人種目ではパッとした成績が無かったので個人種目としては1kmタイムトライアルを今年も狙って頑張る。去年は目標タイムより1秒足りなかったのでそこは乗り込み不足だったと自分の中では分かったので、今年は乗り込みを中心に頑張っていって土台を作って試合の時にフルで力を発揮できるようにしていきたい」

2戦連続で入賞を果たした小林

金井のアシストに徹した市山

クラス3Bで入賞を果たした曽我

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