
終盤粘るもつくばロボッツに惜敗 今季の全日程終える/天皇杯・全日本総合選手権
怒とうの反撃を見せた。第3クォーターまで流れをつかめないまま、迎えた第4クォーター。明大は残り8分からオールコートプレスを仕掛ける。すると、ロボッツの得点が止まり、相手のチームファールも早々と5つになる。残り4分半からは安藤誓哉(情コミ3=明成)と中東泰斗(文3=光泉)にボールを集め、2人が得点を重ねていく。残り2分には西川貴之(情コミ4=東海大附四)のワンハンドダンクが決まり、15点あった点差はついに5点まで縮まる。
しかし、代名詞の3Pシュートが決まらない。勝負どころで沈めてきた3Pシュートはここにきて不発。流れを切らすまいと安藤が1対1を仕掛けたが、痛恨のターンオーバーで反撃もここまでとなった。最後まで3Pシュートはリングをとらえられず、第4クォーターは1本も沈めることができなかった。残り1分を切り、ファールゲームを仕掛けるも万事休す。NBLのチームからの金星を奪うことはできなかった。
2試合連続で20得点を超えた中東
4年生の3人にとって大学生最後の試合が終わった。明大はこの試合をもって今季の全日程を終えた。今季チームの中心となった目健人(政経4=京北)と田中成也(文4=高志)、西川はインカレ後もチームに残り、天皇杯を目指した。結果は3回戦敗退となったが、インカレでは35年ぶりの決勝進出、リーグ戦でも3位と1部昇格以来最高の成績を収めた。
それでも「4年生で話し合った結果やるしかないと思ってここまでやってきた」(田中)と4年生にとってはつらい時間が長かった。それでも「本当に充実したいい4年間だった」(西川)と4年生たちは振り返る。3人は次なる舞台へ、残された後輩たちは来季に向けて新たなスタートを切る。
[野田樹]
塚本清彦ヘッドコーチ
「今日の目的としてはプロとやらせてもらえることは嬉しいことだが学生なので意義という面ではリーグやインカレの方にある。今いる学生をどれだけNBLに行かせることがでえきるかという方が重要なこと。我々がつくばに勝つという勝ち負けの話は相手に失礼。勝ち負けよりもチャレンジャーとして自分のプレーがどれだけ通用するかを大事にした。プレッシャーの中でどういうプレーができるか。4年生やNBLに行く人たちのための試合。だから5人と伊澤(実孝・政経2=愛知産大工)を使ってやった。(4年生がこれで最後になったが)これから自分の足で動かなければいけない。そのことについてはかなり厳しく教えてきた。言い訳のきかない世界に入るのだからあの3人がどれだけできるか。それに対して明治大学が結果を残すことでOBがホームとして帰ってこれる場所をつくりたい」
目
「(今日の試合について)勝てる試合だった。第4クォーターでプレスを掛けてから流れを持ってくることができたのに、最後まで続かなかった。攻められていたとは思うけど、中に入ってもなかなか決めきれなかった。外国人の選手がいたことが一番きつかった。(今季はインカレ前から3Pシュートを決めきれない時間が続いたが)シュートを打って自分では入っているとは思ってもオーバーになってしまって、なかなかつかむことができなかった。今季の後半はもったいなかった。(4年生として最後の試合が終わったが)やっぱり3年生と4年生の2年間は記憶に残っている。3年生の時は1人1人が精一杯で、個人個人が高めていった1年だった。3年生から徐々に使われるようになってきて、4年生ではチームとして成長することができた。2年目のチームということで安藤と中東が主軸となって、自分たちがサポートしながらやってきた。その中でやるべきことはやれたし、後輩たちに引っ張る姿を見せることができた。(後輩に向けて)自分たちは2年間同じメンバーでやれたけど、自分たちが抜けたら試合経験が少ない選手が出なければならない。その分フィットするのに時間はかかると思う。自分がやってやるという気持ちを持ってやってほしい」
田中
「相手はプロのトップリーグでやっているというプライドがあると思うのでリスペクトした上でチャレンジャー精神持ってやろうとみんなで話していた。(実際にやってみて)学生との違いは球際の強さだと感じた。リバウンドも触ってから相手に体を入れられて取られたりした。ただ相手はみんな外から打つチームだったのでもう少し飛び込みリバウンドができたら良い流れになったと思う。全員でリバウンドにいければ負けないだろうと思っていたが体の強さが全然違ってリバウンドの面で苦労した。打たれたあとのリバウンドが敗因だと思う。(4年間は)本当にきつかった。やっぱりそれが最初に出る言葉。辞めなくて良かった。4年生で話し合った結果やるしかないと思ってここまでやってきた結果、自分がこういうふうに活躍できるようになった。後輩たちにも大変だったり自分のプレーがうまくいかないときがくると思う。そういうときに我慢してやり続けたら最後にいいことがあるんじゃないかと思う。元々できないことはないと思っていたが自信を持つきっかけがなかった。でも夏休みにアメリカに行ったときにバスケットに対する考え方が変わって、自分の中のバスケットに対する情熱が戻ってきた。その結果リーグ戦やインカレでああいったプレーができたと思う。ディフェンスの練習を4年間ずっとやってきた。そういったディフェンスの基礎的な部分はプロに行っても通用すると思う。プロに行ってもオフェンス思考に走るのではなくて明治でやってきたことを出してディフェンスからやっていけばプレータイムがもらえると思う。自分はあまり派手なプレーをする選手ではない。チームを勢い付けるプレーだったり汚れ仕事だったりが自分の持ち味だと思っているのでそういう泥臭いプレーをこれからもやっていきたい」
ダンクを決めた西川
西川
「NBLのチームということでプレッシャーに対してどれだけできるかということにトライしようと思ってゲームに入った。ラマ選手(つくば)をどう守るかというのが一番のポイントだったのでラマ選手に早い段階でダブルチームを仕掛けたりして簡単にやらせないようにした。そこでローテーションが遅れてしまって他の選手に3Pシュートやミドルを決められてしまったのでそこは修正したかった。(最後の試合となったが)4年間色んなことが経験できた。辛いことも結構あったが最後にはインカレ準優勝といういい思い出もできたので本当に充実した良い4年間だったと思う。4年目は毎日毎日練習を頑張ってインカレで優勝するというのを目標にやってきたので最後の1年というのは本当に濃い1年だった。大学に入ってきたときはディフェンスが一切できなかった。ディフェンスが持ち味の明治で学んだことを活かして来年からもNBLでやっていけたらと思う。厳しい世界で簡単には結果は出ないと思う。でも毎日勉強して最終的には活躍して有名な選手になれるように頑張っていきたいと思う」
安藤
「最初、相手がプロということを意識しすぎて思ったプレーができなかった。でも後半に入ってからはちゃんとアジャストして強い気持ちを出せたと思う。みんなでリバウンドを取るのが大事。ポストプレーに関してもダブルチームをからのローテーションが少しは効いていたと思うので、相手がもっと上になったときにどうやって対応するかが課題だと思う。いままで4年生にはすごい助けられた。抜けることは自分としては悲しいしチームとしても戦力ダウンで痛い部分かも知れないがこれからそれを補っていきたいので去年より厳しくリーダーシップをとってやっていきたい」
中東
「(試合を振り返って)当たりが強くて後半はかなり疲れてしまった。シュートの精度が落ちて、フィジカルをもっと鍛えないといけないと実感した。疲れた時にシュートの精度が落ちないようにもしないといけない。プレスを掛けたときにも周りを見てボールを回されたので、そこでは少し差を感じた。(4年生との試合は最後となったが)4年生のためにもう1試合と思っていたけれども、球際のところでの弱さが出てしまった。これからは新しいチームになるし、次のステージに進むためにもフィジカルと精度を上げたい。(ハイスコアを安定して記録できるようになってきたが)シュートのセレクションが良くなったのが一番だと思う。(エースとして引っ張る姿勢がより感じられたが)今までもチームを引っ張ってきたけど、これからもっと引っ張っていく姿勢が求められる」
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