インカレ初戦を3発快勝! 奪冠へ好スタート/全日本大学選手権

2013.12.19
 シード枠出場で2回戦からの登場となった明大。相手は1回戦を3-0で勝ち上がり、勢いづく宮崎産業経営大。対してリーグ戦以来の公式戦となる明大は前半こそ動きが固く理想通りの立ち上がりとはいかなかった。しかし後半2分に野間がゴールを決めると前がかりになった相手の守備の隙につけ込み、効果的なカウンターで立て続けに2点を奪い3-0と試合を決め、準々決勝進出を果たした。

 4年生が最後の舞台となるインカレで意地を見せた。後半開始早々、右サイドで室屋のループパスに抜け出した矢田旭(法4=グランパスユース)がグラウンダーでクロスを送ると、和泉竜司(政経2=市立船橋)が軽くさわり後ろにそらす。これを野間涼太(商4=青森山田)が押し込み、貴重な先制点を挙げた。「やっぱり立ち上がりこそ全国の初戦ということもあって、固く入ってしまった」(矢田)と前半は思い通りのサッカーができなかった明大だったが、この4年生の先制点で流れが変わる。徐々にらしさを取り戻した明大は、相手が同点ゴールを奪いに前がかりになったところで、効果的カウンターで追加点を重ねる。後半37分にカウンターから和泉がPA内で1対1の場面で華麗なシザースフェイントで相手を振り切り、ゴール前へパス。中にいた藤本佳希(文2=済美)が石原幸治(政経3=市立船橋)つなぎ、これを決め2点目。後半39分にもカウンターから藤本が冷静にゴール右隅へ流し込みダメ押し点を奪いそのまま試合終了。九州リーグ得点数最多55得点の相手をシャットアウトし、守備の面でも堅固さを示し試合を終えた。

 次の相手は関東リーグ3連覇中の絶対王者・専大だ。今季の明大はまだ専大から勝ち星を奪えていない。しかし奪冠へ向けて立ちはだかる大きな壁にも明大イレブンは恐れる気持ちなどない。今季の明大はトーナメント方式のアミノバイタルカップで優勝、総理大臣杯で準優勝と一発勝負には強さを発揮。「守備力で勝負する」(神川明彦監督)と関西の強豪・関大を5-1で沈め、リーグ最多得点と圧倒的な攻撃力を誇る専大をいかに忍耐強くしのげるかが鍵だ。

[西田理人]

試合後のコメント
神川監督

「苦しい時間帯を無失点でしのいで、自分たちのペースに持ち込んだところは評価できます。先制点を決められたことが大きかった。後半の立ち上がりすぐだったので、相手も前に出てこざるおえなくなりましたので。そういったところで先手をとれたのが大きかった。立ち上がりは良かったが、相手のほうがセカンドを拾ってかなり最終ラインと中盤の間のスペースで小刻みにパスをつなぎ、うらをとってきたので、それを何とかしのげて良かったです。もともとそんなにいい入りができるとは思っていなかったので。ただ守備のところが緩くならないようにというのは良かったですね。球際でもあっさりいかずに粘れた。準々決勝はチャレンジャーとしてぶつかるだけです。守備力で勝負します」

矢田
「やっぱり立ち上がりこそ全国の初戦ということもあって、固く入ってしまった。それでも途中から明治らしさ、しっかりつないで明治のペースに持っていけた。全体を通して守備がパーフェクトと言っていいぐらい安定してて、そこが勝負の分け目でした。その守備の安定が3-0という結果につながりました。久しぶりの公式戦がインカレという大舞台だったが、緊張というよりは楽しむのはもちろんだし、チームを勝たせるという思いでやっていました。試合に出られない4年生には絶対に決勝に連れて行って優勝してくれよと試合前には話しました。インカレメンバーに入ってたんですけど、膝をケガしてメンバーから外れた4年生の森(亮祐・法4=近大付属)もいます。入院してて今日やっと外出許可が出て見に来てくれてて、そういう人たちのためにもという気持ちでやっていました。優勝しかないです」

石原
「リーグ戦から1か月くらいの久しぶりの公式戦とうことで、前半はうまくいかない部分が多くて、けどその中でも耐えられるようになってきた。特に焦りなどはなく、後半はいけるなと思っていたので、ああいう早い時間に決められたのが大きかった。前半は守備の部分はそんなに悪くなかったけども、前に前にいき過ぎて、相手が蹴ったあとのセカンドボールを拾えなくて、拾われて攻められてしまったのでそこは反省点です。後半はあまりつなげなかったが、前半よりかは幅をつかっていつも通りのサッカーをできたのが良かった。得点は上がっていった結果、ああやってこぼれて決められたので、それは良かったです。だけど、その前に外してしまったのはだめだし、ゴールを決めていかないとこの先は厳しくなっていくと思うのでもっとこだわってやっていかないとと思いました」

藤本
「トーナメントの初戦ということもあって、いつも通り明治がやってきたことを出せればと思っていたが、うまくボールをつなげなかったりしてしまった。そういった時間帯もあるとは思っていました。自分は途中出場で1点決めはしたが、自分の出場時間の中で自分の役割を果たせなかったというところでは反省が必要で残念です。正直、素直には喜べないです。自分が入ったときは、ボールがいったりきたりする時間帯で縦に速い展開だった。そこで自分はセカンドボールだったり、ロングボールで競り勝ったりし時間をつくることがすごく求められていたと思います。だけど、自分がベンチで見ているよりも展開が速くうまく試合に入り込めなかったです。もう切り替えるしかないんで、みんなで優勝を目指して、次の試合は絶対に勝たないといけないです。自分も切り替えて、自分にできることを、チャンスをもらったらやるしかないですね」