エース・杉本復帰でベスト4進出! /全日本大学選手権
[龍谷大戦]
「個人の好調不調もあって全員が万全の状態じゃなかった」(佐藤)という龍谷大戦は第1セットを25―17と幸先良く奪取したが、続く第2セットはその勢いに乗れず19―25で落とす。第3セット、杉本匠(政経3=聖隷クリストファー)に代わり竹内雅人(商3=羽黒)を起用。レフトからの攻撃で得点を稼ぐ。中盤になるとセッターの新貴裕(営4=石川県工)のネット際での押し込みやブロックなどで、2度の3連続得点で17―13と突き放す。20点台に差し掛かったところで崩される場面もあったが、そのまま逃げ切りセットカウント2―1と勝利に王手をかける。ここで勝ち切りたいところだったが、そう簡単には勝たせてもらえない。第4セットは相手のレフトからの攻撃をなかなか止めることができず、終盤には竹内が相手ブロックに捕まり始める。17―20から4連続失点をすると、大塚陸主将(政経4=日本航空)がセンターから鋭い攻撃を決め反撃開始となるかに思われた。しかし届かず、勝負は最終第5セットへ。互いに譲らずサイドアウトの取り合いとなり、8―7でコートチェンジ。佐藤や飯塚渉太(政経4=相馬)のブロックが決まり、攻撃でも大塚がブロックアウトを得るなど、終盤で粘り強さを見せた。最後は飯塚の時間差攻撃が決まり、15―11で辛勝した。
[専大戦]
ベスト4入りを懸けて対戦したのは専大。秋季リーグ戦では勝っていることもあったけれど「しっかり攻めて、気持ちで勝っていた」(佐藤)と終わってみればストレート勝ち。エース・杉本の調子も上がり、ようやく普段の明大らしさが戻ってきた。
立ち上がりから好調で、大塚のサービスエースが決まると緊張にも負けずに速攻を使おうと思った」(新)と佐藤のクイックがさえ渡る。さらに鎌田将人(法4=城山)の1枚ブロックが決まるなど、攻守において明大のペースで試合が進む。終盤に相手の強烈なサーブに乱され4連続失点で21―19と追い上げられるが、きっちりと逃げ切りこのセットをものにした。第2セットに入っても明大の勢いが衰えることはなかった。苦しめられた相手センターの攻撃を封じ始めると、杉本のサイドからの攻撃に加え、センターからのバックアタックも決まり始める。「陸さんが今の状態をしっかりと受け止めてくれて、肩の荷が下りた。やっぱりもっと4年生と一緒に同じコートバレーがしたいという気持ちが上がってきて、こんなところで終われないと思った」(杉本)とエースの意地を見せ、復活を果たした。第3セットはこれまで得点を重ねてきた飯塚、鎌田の攻撃を相手に拾われることが多くなり、4―7と先行される。それでも「受け身に回りたくないから攻めていこうと思ってやった」(新)と佐藤、鎌田へのクイックや飯塚、杉本のサイドからの攻撃など、多彩なコンビ攻撃を仕掛け相手を翻弄(ほんろう)。19―16から6連続得点で、最後は鎌田が1人でブロックを決め、終わってみれば専大相手にストレート勝ち。ベスト4への進出が決定した選手たちの顔には安堵(あんど)の表情が浮かんでいた。
明日は決勝進出を懸けて早大と対戦する。秋季リーグ戦最終日に敗れ惜しくも優勝を逃した相手だけに「負けた相手には最後ちゃんと勝って終わりたい」(杉本)と闘志を燃やす。2年前のベスト4入りを乗り越え、「もう一つ新しいステージ」(佐藤)へ進むために。あの日のリベンジを果たすときがやってきた。
[板橋洋子]
試合後のコメント
大塚
「本当にこの試合(専修戦)は特に何もしていないというか、みんなが頑張ってくれた。みんなの勢いがすごくて、本当に特に今日はやることがなかったです。勝とうという気持ちが強かった。良かったです、みんなが。杉本が昨日も合わせて1試合目まで全然乗り切れていなかったけど、専修で一気に乗り切れて、あいつ自体も気持ちを切り替えて臨めたことが大きかった。(杉本さんに上げていこうと)そうだね。もともとそういうつもりだったし。(新さんさんとは)特にはないかな。センターは高いけど、ブロック能力は高いチームだと思っていなかったので散らしていこうという話はしました。一つの山を越えたというのもあるけど、やっと土俵に立ったというか、これからが本当の勝負。2年前と気持ちの入り方やみんなの目つきが違うからもう一回勝負をかけて、あと2つ勝ちたいと思います」
新
「龍谷大戦は1セット目普通に勝って、ちょっとなめてた部分があったんじゃないですかね。プレーには出ていないけれど、気持ち的に余裕ができちゃったかなと感じる。あれだけフルセットで緊迫した中で試合をできたから、次の専大戦では緊張せず、逆にあっちが緊張してっていう試合になった。龍谷大での勝利が専大戦につながった。専大戦はやりやすかった。あの体育館にも慣れてきたし。時間差を使うか迷っていたけれど、使っちゃいました。今日は受け身に回りたくないから攻めていこうと思ってやった。去年はケガをしていて、1週間前まで動いていなくて治っていないまま出ていた。だから去年はあんなもんじゃないですか。引退が懸かっているので結構緊張していると思うんですけど、それでも負けずに速攻を使おうと思ってやった。やっぱり一番速い攻撃なので。攻撃のキーマンは(佐藤)拓真だと思ってる。うまく使わなきゃ。明日はどっちと当たっても、早慶明のときにぐだっていたので、調子悪いんじゃないかと思われてるだろうから、それを跳ね返す力があればすぐに終わると思いますね。明日のキーマンは早大なら杉本、慶大ならセンター線かな。明日に向けては早く寝ます。寝られないのでDVD2時間見て目を疲れさせてから寝ます」
飯塚
「(一つの山を)越えました。やっと不調の、今まで駄目駄目だった2人が復活したので良かったと思います。それは仕方ないです。あの2人は大舞台にならないとやらないですもん。これで多分そういうことだと思います。(龍谷大戦は)勝てば結果オーライです。内容なんてどうでもいいんです。だってあと2日で引退になってしまうんですよ。あと2試合なので勝てば内容はいい。大砲が復活したのでここから一気に行くだけですね。なるようになる」
鎌田
「(龍谷大戦は)僕と杉本の責任というか。僕たちは言い逃れができないくらい悪かったので。『専修は切り替えてやっていこう』という話を久しぶりに杉本とと2人で話して、調子悪い組で頑張ろうぜ次と言って。そうやれていて、そんな活躍もしていないですけど専修戦はいつも通りの明治ができて良かったと思います。1日2試合だから(調子は)気にしちゃ終わりなので、2試合ともそういう形になった。それこそもう引退ですし、後悔すると思ったので。いい意味で割り切ることができたかなと思います。普段の自分たちを出していこうと話していました。(今大会に懸ける思いが強い分)そうですね。あと人見知りなので、知らないチームとやるのは向いていないのかもしれないです。(専修戦は)まだ自分通りにできていないと思っていて、すごい真剣にやってしまっていますし。だけどもう真剣にやらなきゃできないなと思ってしまって。ちょっとふざけるくらいが自分らしいのですが、それでも勝てたので良かったかなと思います。(メンバーは)みんな勝ちたいんですよ。勝ちたいのが分かっていて、だけどそれでもうまくいかなくて。そうしたら今度は何やってんだよ、と中でなってしまって、そうすると空気が悪くなってしまって、それが負けにつながってしまうと思うんです。何が悪いというと決まらないことだったり、僕の調子の悪さなので。勝ちます」
佐藤
「龍谷大戦は個人の好調不調もあって全員が万全の状態じゃなかったです。向こうも、どこのチームも4年生は最後だというのは同じで、これがインカレなんだと痛感しました。なかなか勝たせてもらえないと思った。5セット目をなんとかものにして、逆に次につながるよという声掛けをしていた。危機感も持てたし、接戦をものにした自信が得られた。調子が悪かったメンバーはあえて開き直ろうと直接口に出していたし、うまく2試合目にうまくつなげた。2試合目までの間はストレッチして、1度体を休めたけれど、次のことばかり考えてしまっていた。(陸さんからチームへは)『ここでベスト4入るかどうかは今回の全カレのヤマ場だ。この先明治が、後輩がセンターコートを経験するかどうかも大きいことだから何としても』ということを話していたし、珍しく円陣も組んだりした。専大戦では杉本が帰ってきてくれました、お帰りなさいって感じです。4年生はリードしていても気を引き締めるよう指示を出していた。相手も相手でやっと関東1部のチームと当たれたので、これまでとは多少意識はしないようにしていたけれど、どこか抜けとか、最後勝つだろうというところがあったと思うけれど、しっかり攻めて、気持ちで勝っていたかな。クイックは新の腕のお陰なので。自分は来たところに打ってるだけ。本当にいいところにトスを出してくれてた。ベスト4が決まって、うれしいというか、まずやっと自分たちが勝負できるステージに立てたという安心感はある。けれど2年前の記録を塗り替えて、明治のバレー部がもう一つ新しいステージに進めるという意味でも、明日は死んでも勝ちたい。このあとは身体を休めて治療院に行って身体を休めます。それから水曜の夜からずっと鎌田と陸と銭湯に行っているので、温泉に入って身体を休めて、ミーティングして士気を高めて明日臨みます」
杉本
「1試合目は全然でしたね。誰から見ても駄目だと分かるくらい、それくらいまずい。体調も悪かった。まずかった。ベンチでは正直頭のなかは真っ白で、普段だったらこれくらいの調子はちょっと時間経てばいつも元通りになるんだけど、今日はならなくて、本当に真っ白で、お手上げ状態だった。2試合目までの間に陸さんに話をしてもらって、もうしょうがないからって言われた。調子が悪いときに何かしようとか、ああしようとかするのは分かる。けどお前のプレースタイルは変わらないから、あまり気にしないで、そのままでいいよって、今の状態をしっかりと受け止めてくれて、肩の荷が下りた。やっぱりもっと4年生と一緒に同じコートバレーがしたいという気持ちが上がってきて、こんなところで終われないと思ったのが正直な感じです。専大戦は今までやってきた龍谷とか、中央学院とかとは違って専大とは慣れ親しんでるし、同じリーグでやっているし、秋も勝ってて、調子を戻すには絶好のチャンスだった。まだこれからだけど、やっとベスト4で、一つのヤマは越えた。最後の大会だからこの前の借りを返すという強い気持ちで、負けた相手には最後ちゃんと勝って終わりたい。今からトレーナーのところに行って今日の動いた身体をしっかりケアする。そこからみんなで集まって、ビデオを見て相手の研究をして、万全の準備を整えて、今日みたいな専大戦の調子のいいところをキープできるように体調づくりを心掛けます」
中村悠貴(文3=習志野)
「良かったですね、本当に。良かったです。龍谷の場合だと、ここで負けちゃいけないっていう気持ちの方が先行していました。昨日で抜けたかなと思ったのですがまだ続いていて、そういった部分でああいった試合になってしまったのかなと思います。専修は気持ちを切り替えて、『つなげるぞ』という気持ちの方が強かったからいい試合ができたと思います。(焦りは)多分みんな焦っていたと思います。でもそこをどう持っていくか。こっちからも声を出して、盛り上げてというのはありました。(専修戦乗り切れた部分は)ありましたね。全然雰囲気が違った。だけどまだ完成形ではないですね。やっといつもの明治になったかなと思います。(一昨年と並びました)そうですね。一昨年は1セットも取れずに終わってしまったので、ずっとそれから僕は借りを返したいと思ってやってきたから、ここで満足ではないしやっと挑戦権をもらえたという考え方で明日からは臨みたいと思います。一昨年は(ベスト4に)入りましたがそこで満足をしてしまって。今年のチームは逆にここが最低ラインで、これからという気持ちがあるから勝つ準備は整っているんじゃないかと思います。今までの恩返しがしたいです。頑張ります」
瀧野頼太(政経2=創造学園)
「(龍谷大戦は)フルセットで内容は最悪だったから。チーム的に一番下に落ちたから、這い上がるだけだった。みんな開き直ったというか、思いっきり切り替えられたから(専修戦は)いいゲームになったのだと思います。(コートで積極的に声をを出していました)入学してから積極的に声を出したりっていうのが自分はなかったから、ポイントごとにしっかり声を出して後ろからサポートしようというのは自分にあげた課題だから、勝っていようが負けていようが最後まで諦めないで出し続けていきたいですね。(一つのヤマ場を越えましたね)そうですね。結構専修は苦手意識があったから、ここを倒せたのは大きいですけど、優勝が目標だからしっかり明日も勝てるように。ここで満足しないで、しっかり優勝を狙えればいいと思います。(専修戦は勢いを強く感じました)やっぱり最初から勢いを出していかないと、相手のムードでやられたら自分たちにもっていくのは難しいから出だしから一気にというのがテーマというか、僕らの課題でやろうと試合に臨みました。しっかり勝ちたいです」
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