東海大に完敗 日本一逃す/全日本大学選手権

東海大に完敗 日本一逃す/全日本大学選手権
 37年ぶりの日本一を懸けて挑んだ東海大との決勝戦。第1クォーターこそ外のシュートをことごとく沈めリードして終えるが、その後は東海大のディフェンスの前に沈黙。逆に自慢のディフェンスを崩され後半一気に突き放された。最後まで東海大の鉄壁のディフェンスを崩せず54―73で敗れ、大学日本一の座を逃した。

 スターターは安藤誓哉(情コミ3=明成)、田中成也(文4=高志)、中東泰斗(文3=光泉)、目健人(政経4=京北)、西川貴之(情コミ4=東海大附四)。

 日本一の壁は厚かった。「今までやってきたディフェンスを打ち破られた。東海大の方が上だった」(塚本清彦ヘッドコーチ)と得意とするディフェンスで完全に力負け。第1クォーターはリードして終えたが「ただ1対1のシュートが入っていただけ」(田中)と東海大のディフェンスを崩せていたわけではなく、その後は完全に抑えられる。昨年のインカレチャンピオンに力の差を見せつけられる結果となった。普段通りのプレーを見せた東海大に対し、初めての決勝となった明大は「雰囲気に飲まれた」(田中)とうまくいかない。後半の勝負どころではターンオーバーを連発し、一気に差を広げられた。東海大の厳しいディフェンスの前に孤立させられ、チームとしての攻撃は機能せず単発での攻撃が続く時間もつくられた。日本一を狙って臨んだインカレだったが準優勝に終わる結果に。この結果の受け止め方は選手によるが、昨年のインカレ準決勝で青学大に喫した大敗からの前進を見せたことは1つの収穫となった。

 この日も中東の活躍が光った。東海大のエースで今大会最優秀選手賞に選出された田中(東海大)とのマッチアップとなったが1歩も引かない好勝負を見せ、チーム最多の20得点。逆転は厳しくなったところでも2本の3Pシュートを決めるなど意地を見せた。しかし「チームとしては悔しい」(中東)と試合結果には不満だった。

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田中とマッチアップする中東

 準優勝に終わったが昨年からの成長は見せたこの大会。昨年のインカレの青学大戦のリベンジを期してやってきたこの1年。その成果は十分に見せ、決勝の舞台では東海大というもう1つの壁も見えた。来年度も残る3年生は「今日の結果を覆したい」(中東)とリベンジを誓った。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
塚本ヘッドコーチ

「東海大が強いということを認めるゲームとなった。リーグ戦でも戦ってきたが、素材も体の強さも上だった。うちとしては今日はその差をどれだけ埋められるかだったが、決勝という良い舞台で挑戦できた。皆川がいなかったのは痛かった。昨年の青学戦で止まってしまった時計を取り戻すための戦いだった。20点差つけられ完敗したが、一個前は青学にも勝って1歩前進したと思う。明日からまたスタートするが、来年このリベンジをするだけの戦力はある。もう一回やって道を切り開いていきたい。チームのルール作りから始めて10年、環境、リクルートが整ってきてアシスタントコーチも優秀なコーチが就いてくれている。1年1年良くなってきている。ディフェンシブなチームをコンセプトにこれまでやってきた。今日も「我々がやるのはディフェンス」と言ってきた。今日は東海がすごかった。リーグ戦の変な達成感があったかもしれない。去年よりはよくやってくれた。4年に感謝して来年はもっと強固なチームに、1年かけてこの舞台に戻ってきたい」

田中
「東海大の方が1枚も2枚も上手だった。自分たちのやりたいことはやれなかったし、相手にやられてはいけないことをやられてしまった。昨年より1つステージを上げて決勝までくるというのが1つの目標だったが、その勢いで優勝できるほど甘いものではなかった。今日の敗戦というのはまた来年の目標になってくる。初めての決勝ということで雰囲気に飲まれた面もあったがいい経験になった。チャンピオンチームは細かいところまで完璧にやれていたけど明治は1つのミスから崩れてしまった。いい流れでの攻撃というのもできなかった。第3クォーターを終わって1つ1つやっていければ逆転はできたがそこでディフェンスがやれなかった。最初はゾーンもきいていたが、1度やられて崩れてしまった。後輩には全員に期待している」

西川
「簡単にリング近くに飛び込まれてイージーなシュートを打たれたり、インサイドアウトで相手の打ちやすい状態をつくってしまってスリーを高確率で決められたりしてしまった。ポジション取りがうまくできなかったり簡単なターンオーバーから相手のブレイクで走られたりもしてしまって点を開けられてしまった。本当につまらないミスというか細かいところで19点差というのはついてしまった。オフェンスも孤立してしまって個人の一対一で何とかするしかない状態がずっと続いた。東海のディフェンスというのはディナイがとても激しいし、一人一人のフィジカルもとても強くて今日は向こうに完全に主導権を握られてしまった。(優秀選手賞を受賞したが)チーム全員のおかげで準優勝できたと思っている。僕一人の活躍は全然大したことではないので、自分が優秀選手賞取ったというのは光栄なことだとは思うが重要なことではない。それよりも順位が上がって準優勝できたということに価値があると思う。今日の決勝で(同じ高校出身の)須田とできるというのは運命ではないが本当に低い確率のこと。自分の代で最後に決勝で戦えたというのはとても良い経験だし、優秀選手賞を二人で取れたのはうれしい。インカレというのは一試合一試合重いがそのプレッシャーの中でいままでの自分よりは良いプレーできたのかなとは思う。今の4年生は公式戦で東海や青学と戦うことはもうない。今回青学を倒して一つ壁を越えることはできたと思うが、もう一つ上の壁がある。今の時点では簡単には越えられる壁ではないと思うが、今の下級生は能力があるので必死に頑張れば来年倒せると思う。僕らは叶えられなかったが全国優勝というのを彼らには達成してほしいと思う」

中東
「(今日の試合について)自分たちがやるべきことを相手にやられた。やっぱりディフェンス。逆にロースコアに抑えられてしまった。(田中とのマッチアップは見応えがあったが)個人的には楽しめたけど、チームとしては悔しい。攻めるところで積極的に行けたことにはある程度満足している。(青学大の壁の先にまた新たな壁が表れたが)満足できる結果ではないことは逆に喜ばしいことだと思う。また東海大という壁ができたし、今日の結果を来年覆したい」

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優秀選手賞を獲得した西川

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準優勝に輝いたバスケットボール部

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