
明治の時代到来! 青学大を下し決勝へ/全日本大学選手権
スターターは安藤誓哉(情コミ3=明成)、田中成也(文4=高志)、中東泰斗(文3=光泉)、目健人(政経4=京北)、伊澤実孝(政経2=愛知産大工)。
チームで勝利を勝ち取った。3点ビハインドで迎えた第2クォーター。明治の武器であるディフェンスがさえ渡り得点を許さない。ユニバーシアード代表のエース・野本や張本、日本代表のC(センター)・永吉といった青学大の強力攻撃陣をわずか7点に抑える。客席からも明大のディフェンスへの歓声が上がるほどのディフェンスで青学大を封殺。チームディフェンスで本領を発揮した。2m級の選手を3人そろえる青学大に対し、高さで劣る明大はゾーンディフェンスで臨んだが、そのゾーンディフェンスが「チームで守れた」(伊澤)とうまく機能しチームに好循環をもたらした。劣勢が予想されたリバウンドでも「自分のジャンプ力が必要だと思った」という中東や、体を張るのを得意とする田中、伊澤を中心に互角の勝負を見せた。
オフェンスでも田中、中東が魅せた。「今日は昨年と同じ舞台まで来れたということでリラックスしてやれた」という田中は第1クォーターに2本の3Pシュートを決めるなど前半に爆発。アシストも見せ会場を沸かせた。「最近は思い切りやれている」という中東も試合を通してコンスタントに得点。苦しい時間でもチームを引っ張った。
西川貴之(情コミ4=東海大附四)が最後に大仕事をやってのけた。明大の得点が止まり青学大に逆転を許したあと、すかさず3Pシュートを決め再逆転。残り1分30秒のところではさらに3Pシュートを決め勝利を手繰り寄せた。「気持ちの部分が大きい」(西川)と気持ちで決めた。その後に「なんで自分が打つんだろうと思ったが割り切って打った」(伊澤)というフリースローを伊澤が2本とも沈め勝利を手繰り寄せた。
昨年のインカレで青学大に喫した大敗は今でも選手たちの中にある。「昨年のインカレで時間が止まった」という塚本清彦ヘッドコーチの言葉にも表れるように大きな陰を落とした昨年の敗戦。しかし「止まった時間を動かせたのは良かった」(西川)と今日の勝利の持つ意味は大きい。この日も攻守で体を張り続けた田中もリーグ戦に続いての勝利に「嬉しいです。もう本当に嬉しい」(田中)と喜びを爆発させた。
いよいよ決勝を迎える。選手たちは「いいゲームをしても負けたら意味が無い。勝ちに行くゲームをする」(安藤)と優勝しか見えていない。対戦相手は昨年のインカレチャンピオン東海大に決まった。春のトーナメントこそ青学大に敗れ準優勝となった東海大だが、秋のリーグ戦以降公式戦ではここまで無敗。絶対的な強さを見せている。しかし明大もインカレに入って調子を上げている。「チャレンジャーとして挑む」(伊澤)。最後の舞台で最大の目標のインカレ制覇へ挑む。
部活の枠越えた応援、バスケの聖地に響く
この試合では明大サッカー部が応援に駆けつけた。以前バスケ部がサッカー部の応援に行ったお礼に来てくれたということだが「本当に大きかった」(中東)という応援でチームを盛り上げた。今までは相手の応援に負けることが多かったがこの試合では終始明大を応援する声が途絶えなかった。
[松井嚴一郎]
試合後のコメント
塚本ヘッドコーチ
「青学はいままでの勢いがあるし、張本くんも戻ってきた。前半はベンチ側のコートでディフェンスだったから声をかけることができた。ゾーンからマンツーマンに立ち止まったときにどうやって相手にいいシュートを打たせないかだった。リバウンドも20―20のイーブン。第3クォーターはコートが反対になって意志疎通のないところで詰められた。練習がそのまま試合に出た。青学は連覇していて優勝する重みを知っている。張本くんが戻ってドロップゾーンをどう攻めるかがポイントだった。午前中練習してあまりうまくはいってなかった。青学はやっぱり強い。称賛したいのは選手。明日は面白いゲームをやりたい。選手たちを信じる。陸とは選手からコーチになって決勝でできるというのはありがたいこと。楽しみたい。すごい東海とどれだけやれるか。あついディフェンスと強気に攻めるオフェンスを繰り返してやっていく」
永吉に競り勝った田中
田中
「(青学大からの勝利は)本当にうれしい。昨年ベスト4まできててそれより成績を落とすのは考えられなかったので昨日までは負けられない試合ということで力が入っていた。今日は昨年と同じ舞台まで来たのでリラックスして試合に入れた。(アシストが多かったが)エゴになりすぎても良くないので協調性をもってやろうとした。それが第3クォーターにドライブに行ってパスしようとしてカットされたっていうのがあって、やっぱり自分はパス第一に入ったらダメだなっていうのは思って第4クォーターの最後ドライブに行ったときにしっかりと決めたので良かった。最初相手がゾーンをやってきたわりと簡単に崩せたのでそこで向こうもゾーンしづらくなったと思う。あそこでゾーンを崩せたのがターニングポイント。青学大は外からシュートを打ってくるチームじゃないのでドライブコースを消して外に追いやる、リバウンドを抑えることができたので良かった。追い上げられても昨日もそういう場面はあったしディフェンスでしっかり立て直せば絶対勝てるというのは分かっていた。(サッカー部の応援は)本当に力になる。あんなに応援してくれるとは思ってなかったのですごい力になった。あと1コチーム全員でまとまって、どこがきても明治としてやることは変わらない。そこがブレなければ優勝できると思うので期待しててください」
西川
「昨年この準決勝という舞台でゼロからはじめなきゃいけないくらいな状態までボコボコにされたので1年間今日リベンジするためにディフェンスとかしんどい思いもしながらここまでやってきた。本当に止まった時間を動かせたのが良かった。ディフェンスがみんな良くなった。そこが昨年と一番変わった。第2クォーターでいい守りができていたので失点も少なく9点リードで迎えられたのでディフェンスが頑張れたと思う。第3クォーターっていうのはゲームの流れが変わるので本当に難しいところ。そんなに悪くはなかったとは思うんですけどそこで5点詰められて最後4点差になってしまったのでそこでもっと修正できれば良かったなとは思う。試合中は目の前のディフェンスを一生懸命にやることしか考えてなかった。何回も青学と接戦になって、いつもはそこでもってかれてしまうことが多かった。今日はその分しっかり耐えられたので良かったなと思う。今できることを必死にやろうという思いしかなかった。天傑(張本)とマッチアップするというのは前から言われていたので、天傑が出できたらすぐいけるようには準備していた。天傑は復帰したばかりで万全の状態かはわからないが、元々すごいプレーヤーなので経験だったり身体能力はすごいある。ディフェンスの練習しかしてないんじゃないかっていうくらいディフェンスばかりやっている。いままでだと強い相手に引いてしまってそのまま持っていかれることが多かった。でもリーグの終わり頃から自信が出てきた。引いたら負けるので自分から攻めるというのができた。リーグの終わりでは得点を取るという意味では一桁とかで終わって良くはなかった。ただディフェンスができればいいっていうところがうちのチームはある。オフェンスはダメでもディフェンスだけは崩さないようにやっていた。インカレ入ってからはオフェンスはあまり考えていないが、ディフェンスを頑張ればオフェンスにもつながってくると思う。プレッシャーかけられてボールを持たせてもらえない時間が続いたので塚さん(塚本ヘッドコーチ)には我慢と言われていてエゴを出してしまうとチームの流れも悪くなってしまう。チャンスがくるまで待ってようと辛抱していた。今日も最後にチャンスがやってきてああいう場面で決められたというのは気持ちの部分が大きいと思う。いままで消極的な気持ちでやっていたんですけど最近になって絶対に入れると前向きな気持ちでできている。昨年より上にいくというのがずっと今年の目標だったのでその目標にたどり着くことができた。決勝だからといって引いてしまったら何も出来ずに終わってしまう。出だしから自分のできることをすべてやって、優勝を勝ち取れるように頑張りたい。(東海には)須田という元チームメイトがいるので、そいつと決勝戦えるというのはすごい楽しみ。東海には今年まだ勝てていないので、最後に勝って最高の成績を残せるように頑張りたいと思う」
安藤
「(決勝へと駒を進めたが)本当にうれしい。でもその気持ちはけっこう一瞬で、目標は優勝なので、今はもう気持ちを明日に切り替えている。今年の春から今年はやるぞと言っていて、インカレの決勝という舞台で昨年のチャンピオンチームと対戦することになった。特別な舞台だけど、今までやってきたことをしっかりやるだけ。(ディフェンスが青学大に効いていたが)リーグの空いた期間で、自分たちのやることはディフェンスだという共通意識を持った。オフェンスが駄目でもディフェンスをやるという気持ちを持って、そこからうまく継続できていると思う。(明日はおそらく東海大との試合になるが)明日はリバウンドとルーズを抑えられるか。今までいいゲームをしてきたけれど、ほんのちょっとのところで東海大にやられてしまっている。いいゲームをしても負けたら意味はないので、明日はいいゲームではなく勝ちに行くゲームをする」
中東
「(リーグ戦の勝利とは違った勝利だと思いますが)昨年のリベンジをできたのが一番うれしい。昨年が39点しか取れなくて、それがすごく悔しくて、この舞台でリベンジできたのは本当に大きい。(青学大の得点を抑えることができたが)ロースコアに抑えられたのは、明大のペースでできたということだし、みんなで守り切った。この2年間ディフェンスをずっとやってきて、今日のようなディフェンスをすることができた。(リバウンドを多く押さえていたが)向こうには高さがあったから、自分のジャンプ力が必要だと思った。リバウンドやルーズボールなど、みんなで守った試合だった。(明日はおそらく東海大との試合となるが)東海大だけにはまだ1回も勝てていないので勝ちたい。正直青学大よりはやりやすいと思うし、東海大のインサイドもきついので今日のようにリバウンドを押さえていきたい。(サッカー部の大応援は力になったと思うが)本当に大きかった。ありがとうと言いたい」
伊澤
「リーグでも1回勝ってたけど、相手がフルメンバーでの試合だったので昨年のリベンジも兼ねて今日はいい試合ができたので良かった。今日は個人で守ったというよりはチームディフェンスで守った。高さが低い中でうまく機能した。インサイドとアウトサイドでうまく合わせられたのでチームとしていい流れにできたと思う。自分がサイズがないのでまわりとの合わせが必要。(最後のフリースローは)なんで自分が打つんだという感じ。どうせ入らないっていう割り切った感じで打ったら2本とも入った。緊張したけど割り切ってできた。変に緊張してたら入らない。(リバウンドは)チームとしてボックスアウトしてくれてスペースがあったのでそこで自分がうまくいってとれた。個人ではなくチームとして1つのリバウンドができた。(3Pシュートは)いいポジションでもらったけど入らなかった。中の合わせができていたので外も欲しいと思っていたので狙ったけど入らなかった。チャンスがあったら明日も打ちます。笑われるので1本くらい決めたい。シュートの調子は個人的には悪い。近いところで打てているので入っている。今日はリバウンドとかルーズボールでいい仕事をした。明日はどっちがきてもチャレンジャー。初の舞台なのでそのつもりで勝ちをとりにいきたい。自身はある」
勝負を大きく分けた3Pシュートを決めた西川は珍しく感情を爆発させた
西川のプレーに安藤も吠えた
勝利にベンチも盛り上がった
田中(左)は喜びの涙を堪えきれなかった
高校時代の先輩・畠山(青学大)と抱ようする安藤
サッカー部も応援に駆け付け、大応援団が味方した
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