朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑰

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「失われていく図書館」(『図書館が開く知の未来』GLOBE117号、G-6)

幼い頃に母が毎晩読み聞かせをしてくれていたことは、私の中でいまでも根付いている記憶だ。その本の数々は近所にある市立の図書館から借りてきたものばかりだった。大学生になった今でもその図書館には通い続けている。私にとって、図書館は特別な場所だ。

そんな図書館が今、長年の歴史を経て変わろうとしている。紙の本の電子化が進んでいるのだ。紙媒体の本を読んでいる、という感覚は失われようとしている。それは図書館の喪失と同じことなのではないか。

もちろん、電子媒体にも利点がある。たとえば移動式電子図書館。これは、アフリカ大陸に住む、図書館に行くことができない子供たちのためのもので、文字通り移動する図書館のことだ。コンピューターやプリンターを乗せた車で、子供たちに物語を届けることができる。従来の図書館には出来ないことも、電子図書館には可能なのである。

このような利点を考えても、図書館に所蔵される本が電子化していくのはさみしい。何だか思い出の場所が失われていくように感じてしまう。時代のニーズに合わせて進んでいる電子化に待ったをかけて、3000年以上の歴史を持つ図書館を守っていってほしい。

[三浦亜優美]

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