朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑮

朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑮
「夢と現実」(『夢に魅せられて』GLOBE92号)

 「空を飛ぶ夢」は誰もが見たことがあるだろう。まるで鳥になったように優雅に空を飛ぶ夢。しかしこのような空想的な夢を見ることは極稀である。米国の大学生200人の計1000件の夢の報告によると、夢の中で味わった感情のうちの8割は悲しみや怒りなど否定的なものであった。怖い夢を見て飛び起きたり、寝ている時に涙を流していたという体験はよくあることだ。

 古代から日本人は夢で見たことは現実に起こりうると考えていた。夢を占いのように捉え、現実の世界にも深く関わりのあるものと認識されていたのだ。例えば、平安時代では想い人が夢に現れるとその恋は成就すると考えられていた。夢に出てくる内容は自分がよく考えていること、心配事、寝る直前にしたことが関係してくる。平安時代の人は夢に恋人が出てくることは両想いだからと考えていたようだ。そんなロマンチックな話は現代では通用しないように思うが、夢の内容は少なからず日常生活に関わっている。悪夢を見る確率が高いのは事実だが、近頃悪夢に悩まされている人が増えてきた。ストレス社会の現代で心も身体もむしばまれ、夢にまで現実が出てきてしまうのだ。この悪夢を食べて生きるという獏の伝説がある。悪夢を見た後に「この夢を漠にあげる」と唱えればその悪夢を二度と見ずに済む。これ程簡単に夢を消し去ることはできないが、悪夢を見ない方法としてはまずストレスを軽減することだ。平安時代のように夢に想い人が出てくるくらい素敵な夢を見られる人が増えると日本社会はきっと明るくなるはずだ。

[橋本杏菜]

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