朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑬

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「メード・インからメード・バイへ」(『メード・バイ・ジャパニーズで勝負』GLOBE122号、G-6)

 「メード・イン・ジャパン」に対する世界の信頼は厚い。それは各国の富裕層が、メード・イン・チャイナなどの安い商品が隣に並んでいたとしても、価格の高いメード・イン・ジャパンを手に取ることが多いことからもわかる。なぜ日本製が選ばれるのか。それは商品作りに真摯に向きあう日本の職人たちが高く評価されているからだ。

 その中で今、「メード・バイ・ジャパニーズ」という動きが広まりつつある。高い評価と信頼を集める日本製の弱点と言えば値段の高さである。それを補うため、人件費の安い海外で商品を作りコストを抑えようという試みだ。そしてその作り手たちは、日本の職人から直接技術を学んでいる。つまり、メード・イン・ジャパンのクオリティをさらに低価格で消費者に提供できるということだ。

 日本以外で米作りが盛んな国を聞かれてベトナムを思い浮かべる人は多いだろう。最近、ベトナムで日本の米の品種の試験栽培が行われている。しかしそこで生産される米は、日本で栽培される短粒種ではなく、暑さと湿度に強い長粒種だ。栽培はうまく行かないと思われたが、9月の時点では許容範囲の実りが確認されたという。近年の日本食ブームの影響で日本米の需要は高まりつつある。収穫量が安定すれば近隣諸国への輸出も考えているという。

 国内での需要の減少によってさまざまな日本の技術が失われつつある。しかし、逆に海外ではその技術の需要が高まりつつある。国内を第一に意識した「メード・イン・ジャパン」から、海外への輸出を主眼に置いた「メード・バイ・ジャパニージ」へ。日本の技術は転換期にある。

[高山舞]

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