朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑩

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「信じる?信じない?遺伝子組み換え作物」(『遺伝子組み換えで花粉症治せ』GLOBE122号、G-5)

 花粉症を抱える多くの人に朗報だ。何と、食べるだけで花粉症の症状の改善が期待できる米が開発されたというのだ。遺伝子組み換え研究センター長の高野誠さんによると、この米を1日茶わん1杯分食べ続けると、半年ほどで治療の効果が期待できるという。特別に治療することもなく、非常に手軽なことが魅力である。しかし、こんなに便利な米をどうやって見つけたのだろうか。どこかの山奥?宇宙?どれも違う。遺伝子組み換えによって、ヒトが作り出したのだ。

 遺伝子組み換え作物については未知数な部分も多く、ヒトが摂取することでどのような影響があるのかなど完全には分かっていない。そのため日本では厚生労働省による慎重なチェックが行われており、市場に出されてからも遺伝子組み換え食品には、その表示が義務付けられている。

 私たちは科学の進歩によって、自然のものを自分たちの思うように動かそうとしてきた。しかし、その活動が自然には合わないことは、温暖化などの環境問題が生じたことによって少しは理解したはずだ。花粉症治療の米に関しても、人工のものが自然界のヒトの体質に合うのかどうか、疑問である。結果は後にならないと分からない。科学の進歩を信じるか、より安全な方を取るか。悩みどころである。

[本永雅敬]

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