朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑤

朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~⑤
「文化が根付く街に」(『世界とつながる おらが町の歌劇場』Globe121号、G-12)

 文化は日々の生活に深みを与える。日々の忙殺から束の間の休息を得た休日、近くの歌劇場から遠く聞こえるクラシック音楽は癒しを与えてくれることだろう。ドイツ・リューベックの街がうらやましい。

 街の表情は、その街の文化そのものだと思う。文化の無い街は無機質な時間が過ぎゆくのみで、そこにいる人々を刺激することもない。魅力も感じさせないだろう。一方で文化的な街はそこにいる人に、心地よい刺激を与えてくれる。例えば京都などはそこかしこに寺社仏閣が姿を現し、そこにいる者の心を洗ってくれる。そのような文化は街が持つ雰囲気の源とも言える。

 太宰治の「走れメロス」は熱海の旅先で書かれたものだと言うし、他にも旅先で書かれた名作という例は後を絶たない。太宰をはじめ著名な多くの作家がわざわざ旅へ赴き執筆活動をしたことも、かの地の持つ雰囲気に刺激を求めてのことだったのではないだろうか。偉人たちは街の持つ些細な雰囲気にも、繊細な感覚を持ち合わせていたのだろう。

 文化が街に根付くには長い時間がかかる。一朝一夕でどうにかなるものではない。長い時間をかけて作り上げられるものだからこそ、重みや深みが生まれる。そこに住む人が守り、作り上げてきた努力の賜物だと思う。尊敬と畏怖の念を持って接したい。

 私たちの住む街にも文化があるといい。どんな街にも、文化の芽は必ず顔を出している。まずはそれを見つけることから始めたい。

[髙田悠太郎]

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