朝日新聞 GLOBE×明スポ~1年生記者の声~④
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「コメを食べない日本人」(『瑞穂の国の行方』 GLOBE122号、G-7)
日本の原風景といわれてきた、みずみずしい稲穂が垂れる田園。果たして、現代日本の世相を反映した風景なのだろうか。
日本人の食生活は、コメを食べる文化からパンを食べる文化へ少しずつ変化してきた。コメの価格が下がっていることがその証明である。現代日本人は、昔ほどコメを求めていないということなのだ。パンの方がおしゃれだから、おいしいから、手軽だからなど、その理由は様々だろう。市場において、お客様のニーズに応えられない商品は淘汰されていく。コメはパンとの市場競争に負けた。そしてコメよりパンを選んだのは、他でもない日本人だ。
「みずみずしい稲穂が垂れる田園」。コメの需要が無い現在、この風景にどれだけの価値があるのだろうか。世界で信頼度が高い「メイドインジャパン」のように、「コメを食べる日本人」をアイデンティティとして捉えているのであればそれは違う。日本のコメを守ることにこだわる必要はない。現代日本を正確に映していない、造られた風景なんかは空しいだけだからだ。
[柴田遼太郎]
投稿 by 就活トク報By朝日新聞.
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