ルーキー有延が優勝/全日本学生選抜選手権

2013.11.28
ルーキー有延が優勝/全日本学生選抜選手権
 選抜選手権は、全日本学生選手権ベスト16以上、留学生選手、学連の推薦選手のみしか出場することができない大会。明大からは5人が出場し、全日本学生選手権ベスト8の有延大夢(商1=野田学園)が優勝、ベスト16の松下海輝(商2=希望が丘)が3位と結果を残した。

 最後は相手のレシーブがアウトとなった。優勝が決まった有延は観客席に渾身(こんしん)のガッツポーズを見せた。決勝で上田(青森大)との打ち合いを制し、シングルスで初タイトルを手にした。序盤、2セットを先取されるも有延は落ち着いていた。その後3セットを取り返し逆転。第6セットは接戦となるが、最後は有延の気迫が上回り12―10で勝利した。

 先週の全日本大学総合選手権では準々決勝で優勝した丹羽孝希(政経1=青森山田)に敗れた。「サービス、レシーブが試合で使える状態ではなかった」と冷静に敗因を分析し、修正して臨んだ今大会。鋭いカウンターを要所で見せ、力と技で勝ち切った。次の舞台は全日本選手権だ。今回出場しなかった丹羽を含む海外組はもちろん、プロのトップの選手が頂点を狙う。ルーキーながら春季リーグから主力として活躍した有延の、集大成のプレーに注目だ。

 全国の舞台で大きな飛躍を見せた。昨年の全日本選手権でベスト32入りを果たした松下海が3位に入賞。「素直に嬉しい」と笑顔を見せた。決勝進出を懸けた準決勝の相手は優勝した有延。「普段からよく練習している仲。お互いのボールもわかっていた」が、動き出しが悪かった1、2、5セット目を取り切れず2―4で敗戦。気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦の相手は、昨年の関東学生選手権で優勝している王(専大)。終始自分のペースで試合を進め、4―1で快勝。「ランクが上位の相手にも戦い方次第で勝てる自信がついた」と笑顔で話した。

 松下海が得意とするのは相手の予測をはずすプレーだ。緩急をつけ、相手の逆をつく。「人がしないこと」をすることで相手は返すのがやっと。それは攻撃にもつながり、競り合いになった時にプレーの幅が広がる。今回の勝利も自分の卓球を追及して勝ち取ったものだ。しかし、期待されて入学した当初は結果を残せなかった。春季リーグこそ5勝2敗とするも、その後の関東学生新人選手権ではベスト16、関東学生選手権ではベスト16にも入ることができなかった。そんな中迎えたのが、全日本学生選手権・団体の部だった。決勝の青森大戦、ゲームカウント2―2で松下海が登場。プレッシャーのかかる場面だったが見事勝利、チームを優勝に導いた。この試合を松下海は「今までの人生で一番の試合」と話す。大きな山場を乗り越えたことで、選手としてもう一歩前へ進むことができた松下海はその後、明大の主力としてリーグ戦で活躍。そして今回、全国3位にまでたどり着いた。次に待つのは昨年ベスト32と大健闘した全日本選手権。「昨年よりも上に行きたい」と力強く話す松下海から目が離せない。

[石渡遼]

試合後のコメント

シングルス初タイトルで喜んだ有延
「すごく嬉しい。ダブルスではタイトルを取ったことがあるけれど、シングルスではなかった。大会前から調子がよくいいプレーができた。今大会のヤマ場は準々決勝の平野友樹(商3=野田学園)との試合。本番では勝ったことがなかった。今回はプレーも気持ちも攻めることができて勝てたと思う。4セット目で決めないと負けると思った。デュースの場面では基本バックハンドで払っていたがストップを入れてみた。先に一本取られていたから、あそこで決めようと思いタイムアウトを取った。うまく行けばいいと思ったら、得点できた」

3位入賞を果たし、笑顔を見せた松下海
「全国で3位に入ったことは素直に嬉しい。いつも接戦の後スタミナ切れしてしまっていたので試合数が少なかった分、条件は良かった。上位の選手相手にもやり方次第では勝てることが分かった。競り合いになった時にいかに点が取れるかだと思う。自分の卓球は人のしないことをする卓球。相手の予測を外すことを主体にして、決めにいく。(準決勝で敗れた)有延は普段からよく練習する相手。お互いのボールもよく知っている。最後カウンターで思い切りやられてしまった。悔しい。全日本ではまずは去年と同じ舞台に立ち、もう一つ上のベスト16に入りたい」