インカレ出場権獲得!最終節を快勝で締めくくる/関東大学1部リーグ戦

2013.11.24
 今節はリーグ最終節の桐蔭横浜大戦。明大はインカレ出場権獲得のためにも負けられない試合となった。前節の筑波大に勝利し上り調子の明大は、前半32分に和泉竜司(政経2=市立船橋)が先制点を決めると試合の主導権は明大に。そのあとも前後半1点ずつ奪い、終了間際にスキをつかれ1失点するも3-1と快勝し、リーグ最終節を勝利で飾った。この勝利により、明大は24日の結果に関係なく3位が確定し、12月に行われるインカレへの出場が決まった。

 出だしは様子をうかがい合う展開となった。両チームとも動きが硬くミスからチャンスが生まれる。前半8分には相手DFのミスを逃さなかった石原幸治(政経3=市立船橋)がGKと1対1のチャンスでシュートを放つも相手GKのナイスセーブに防がれる。続く9分には桐蔭横浜大も明大DF陣のミスからチャンスを迎えるもここは山越康平(法2=矢板中央)がスライディングでピンチの芽をつむ。最初こそなかなかパスにリズムが生まれなかった明大だが、徐々に「幅と深みをつかった攻撃」(神川明彦監督)からリズムを生み出す。すると前半32分、自陣からから差波優人(政経2=青森山田)が1本のロングパス。これを和泉がPA内左で胸トラップし、見事に相手DFをかわしシュート。これがゴール右隅に決まり先制点を挙げる。ここからは一方的な明大ペースに。続く34分にも髙橋諒(文2=国見)が左サイドをスピードあるドリブルで突破し、PA手前でシュート。これが相手DFにあたりGKが反応できずにゴールに。立て続けに点を奪った。このまま明大のペースで前半を終える。
 
 明大は後半もサイドからの攻撃を中心にチャンスを生み出していく。後半開始7分には左サイドの髙橋の浮き球からPA内の苅部隆太郎(商3=川崎フロンターレU-18)が体を張ったポストプレー。その落としを受けた和泉が相手DFをかわしシュート。これが決まり、チーム内得点王和泉の今試合2点目で駄目押し点を奪った。このあとも苅部と和泉のフォアチェックからの連動した守備で相手に自由にボールを保持させず、明大ペースで試合展開していく。ボールが落ち着かなくなってきた後半21分には「ボールをしっかりキープできる」(神川監督)小谷光毅(政経2=ガンバ大阪ユース)を投入しゲームを落ち着かせようと図る。しかし、終了間際に中盤のミスからボールを失いそのまま失点。これまでほとんど完璧に抑えていただけに悔やまれる失点となった。このあとはコーナー付近で巧みにボールを保持し、試合終了を迎えた。

 「昨日の夜に選手全員に4年生の思いを背負って戦って絶対に勝利するとみんなで話し合い、強く意識してそれにみんながついてきてくれた」と4年生唯一の出場となったゲームキャプテンを務めた水野輝(文4=市立船橋)は最後のリーグ戦に寂しそうな表情も浮かべたが、チーム一丸の勝利を喜んだ。

 後期リーグでの修正が3位という実を結んだ。「9月の専修との一戦から教わるところが多かった。あれから立て直してきたので、それが一つずつ着実に形になっていった結果が順位に表れた」と神川監督はケガやU―20日本代表で主力を欠いた後期リーグの明大の巻き返しに手応えを感じていた。リーグ奪冠とはならなかったものの、まだインカレという最高の舞台がある。またインカレにはケガの矢田旭(法4=グランパスユース)と秦和広(法4=広島皆実)も間に合う。「インカレではもう一暴れしたいね」(神川監督)と奪還への気合は十分だ。

[西田理人]

試合後のコメント
神川監督

「この勝ち点で3位というのも信じられないですが、今年は専修の一人勝ちだった。専修以外のチームでつばぜり合いになった。ここ数試合は明治のペースで試合を進められて、順天堂と早稲田に勝ち切れなかったのは悔しいですけど十分勝利に値するゲームだった。そういう意味では、今日と筑波に勝ち切れたのは自信になったと思う。9月の専修戦は立ち上がりが悪く、そこから教わるところ多かった。あれから立て直してきたので、それが一つずつ着実に形になっていった結果が順位に表れた。これをベースにしてインカレに向けて選手たちには努力してもらいたい。今日の試合に勝てた大きな要因は、前線からのフォアチェック。苅部と和泉の献身的な守備がスタートで選手が連動して、粘り強くディフェンスをしていい形でボールを奪う。そして幅と深みをつかった攻撃。そこをつかさどるのは差波だったり、最終ラインの山越。また今日はサイドバックの髙橋の調子が良かったので、幅をうまく使えた。苦しい時期もあったが、本当に私やコーチの言うことを選手たちが聞いて、自分たちなりに理解して表現してきたことが少しずつ実になってきた。歩みを止めずにインカレではもう一暴れしたいね。小出を代えたのは警告を1枚もらっていたから。あと小谷がボールをしっかりキープできる選手なので、あの時間帯は落ち着きがなかったので落ち着かせるために代えた。インカレには矢田と秦も間に合うので、彼らが力をチームに還元してほしい。彼らもこのまま黙ってはいないだろうから、そこで競争が激化してくれればいい。メンバーは全く決まっていないので、競争は大歓迎。インカレへの課題は決定力。今日の試合も、決めるべきところを全部決めていれば5、6点入っていてもおかしくなかった。早くに相手の戦意を喪失することができた。インカレはトーナメントで一発勝負。今年はトーナメントでは割といい成果を収めてきているし、自分たちで勝ち取ったインカレのチケットなので選手たちが思うようなサッカーを展開してほしいです。順当にいけばベスト8で専修とあたる。そこがヤマ場になると思うので今季は一回も勝てていない分、一番いい舞台で勝たしてもらいたい。それだけです」

水野
「今日は前半に得点を決められたことが大きかった。そこで試合の流れをつかめた。インカレ出場権を懸けた試合だったが、気にせずに目の前の敵を倒して勝ち点3を取ることだけに集中して臨めた。前期のリーグ戦はあまりいい成績を残すことができず、後期でいかに巻き返すかという部分が大事だった。それをチーム内で話し合って、1試合1試合こなしてきた結果、3位という順位につながった。満足はしていないが、ここまで持ってこられたことは自信を持ってもいいのかなと思う。主力の選手がケガや代表で抜けることがあったが、抜けた選手が明治の試合を外から見て、ミーティングのときにアドバイスなどくれたりして、チームとして力となった。抜けた穴は大きかったが、それほど苦ではなくて代わりの選手も頑張ってくれた。4年生で最後のリーグ戦だったが、今までを振り返るとあっというまだった。1、2年生は試合に出られなくて、3年生から出ているので実質2年間ほどだったが、もうリーグ戦を戦えないと思うとすごく寂しい。最後を勝利で終われたのはうれしい。出場する4年生が僕一人で、昨日の夜に選手全員に4年生の思いを背負って戦って絶対に勝利するとみんなで話し合い、強く意識してそれにみんなが付いてきてくれた。いつも以上にまとまることができた。インカレは出るからには、絶対に勝つ。どんな相手がきても、最大限に明治のつなぐサッカーをしたい。そうすれば結果に付いてくると思う」

石原
「いつも通り、どれだけ自分たちのサッカーを貫けるかどうかだった。運動量、切り替えの部分を徹底してやった。入りはすごく良かったと思う。相手のプレスがなかったからある程度自由にボールを持てた。攻撃のテーマである幅と深みのある攻撃ができた。こういったところはインカレでも続けていきたい。前半、ドリブルからのシュートで決定的な場面があった。決めたかった。ドリブルで持ち込むことはできているけどセンタリングやシュートの精度はまだまだ。得点の場面は、いい形で崩せていた。取るべき選手が取っていた。自分たちは前と後ろが連動した守備をやっていて、前からしっかり守備をやっていくということを意識してやっているが、前から行くという部分はしっかりできていた。前期はなかなか出場できなくて悔しかった。後期はほとんどの試合で出させてもらったが、得点やアシストという目に見える数字の部分で結果を残すことができなかった。来年4年になるのに、今年の初めは3年生がほとんど出ていなくて、このままじゃダメだということでまずサッカーを第一に考えて生活するよう意識を変えようということになった。また、後期は4年生が出られなくなって、その分3年生が多く出ているけど、ケガした4年生をはじめとした出られない選手の分も責任をもってプレーしようということでやっている。この1年間、リーグ優勝目指してやってきたが達成することはできなかった。インカレでは今度こそ優勝する。けど、優勝を意識しすぎることなく1試合ずつ大事にやっていきたい」

和泉
「差波からのトラップで良いボールが来て、胸でトラップした時にはもうシュートまでのいい流れがイメージできていたので、イメージ通りにいけました。3本目は、いい形で裏を取ってくれて、盛り返しを胸トラップでうまく1人かわせたので、そこで決まったなって思いましたね。ゴールは落ち着いて打てました。出してくれた人がいてこそのゴールなので、仲間に感謝したいです。入りっていう部分は意識しています。今日も早い段階でチャンスがあったのですけど、点数にできなかったのは課題ですね。でもその後2点決められたのは良かった。前から守備してそこで取れればゴールに近いし、FWが頑張れば後ろも楽だと思いますし、自分たちFWから守備は始まると思っています。そういう部分は球際だったり、下がっての守備だったりっていうのは苅部さんも意識されてると思う。継続してやっていきたい。今日はゴールを決められたのは良かったけど、まだまだイージーミスも多いし、もっと相手の嫌なプレーもできたなって思うし、ゴール決められたことは素直にうれしいけど、他の部分が良かったかと言われるとそうではない。イージーミスを減らすのは今の課題ですね。インカレに向けては、自分にはやはりゴールが求められていると思う。そのためのプレーの質はもっと高めていかないとと思いますし、細かい課題を克服していったらもっとできると思います。インカレでは優勝しか狙ってないですし、主役になれるように、もっと意識高く、あと3週間あるので優勝できるようなチームになるといいと思います」