府立連覇達成!大石メイジ有終の美/全日本学生選手権

2013.11.24
 王者の牙城は崩れなかった。昨年に続き優勝を収め、府立(団体インカレ)の2連覇を成し遂げた。貫禄を見せた1回戦から準々決勝まで、7人制の団体戦で明大が落とした星は2つのみ。圧倒的な力の差を見せつけ、ベスト4へと勝ち上がった。

 勝負強さを見せ、見事な逆転を遂げた。準決勝は対関大戦。西の強豪を相手に序盤は苦戦を強いられた。先鋒(せんぽう)の石田圭吾(文2=大商大堺)が残り1分で立て続けに2本を取られ敗北。次鋒(じほう)の栁口憲太(商3=長崎西)が得意の組み技で圧倒し一矢報いるも、続く参将・大貫洋平(文3=東海大相模)と中堅・玉置裕也(文1=大商大堺)が連敗。チームカウント1―3で後が無い状況に陥った。そんな中で、参将の榊原亮(法3=大阪桐蔭)がプレッシャーを感じさせないプレーを見せた。開始1分30秒を過ぎた頃に面に蹴りを決めると、数十秒後には胴突きで一本。二本先取で流れを引き寄せ、副将へと望みをつなげた。勝負を託されたのはルーキーの原田優介(法1=朝倉)。ここで勝ち星を挙げることができれば、後に控えるのは絶対的なエース・大石健作主将(文4=初芝立命館)だ。しかし強豪校の上級生だけに、なかなかポイントは許してもらえない。それでも最後の最後まで諦めることはなかった。試合終了間際、原田の拳が相手の面に決まった。時計は残り1秒を示していた。会場が沸き、軍配は原田に上がった。大将・大石は安定感のあるプレーで主将対決を制し、最終的には4―3と逆転を果たして決勝へと駒を進めた。

 今大会では関西勢力の活躍が目立った。ここ何年かは上位を東日本の大学が占める割合が多かったが、ライバルである早大、中大が準々決勝で敗退。決勝は同大との試合となったが、準決勝で劇的な試合を見せた王者を止められるものはいなかった。決勝とは思えないほどの大勝。6―0(1分)で明大は優勝を決めた。

 最高の形で1年を締めくくった大石メイジ。府立の体育館に響く校歌に選手、マネジャーは涙を浮かべた。次に目指すは3連覇。そして史上初の4連覇へ。明大拳法部はまだまだ上を目指し続ける。