伊藤が悔しい準優勝/東日本学生秋季新人選手権

2013.11.24
 1、2年生のみが出場する秋季新人戦で、伊藤大貴(農2=四日市四郷)がフリースタイル84㎏級で惜しくも優勝を逃した。決勝は、第1ピリオドまではほぼ互角の戦いだったが、体力の無くなってくる第2ピリオドでは相手の緻密な攻めに苦戦し、試合を決められた。

 1回戦は開始1分足らずでフォール勝ち。2回戦、3回戦も相手を圧倒し、2日目の準決勝に進んだ。準決勝では序盤から伊藤優勢で試合が進んだ。多賀恒雄総監督が最近力を入れて取り組んでいるというタックルがさえ、5-0と大量リードを奪う。さらに続けてタックルで相手を場外へ押し出し、6-0に。7点以上差が開き、勝負が決まる場面だったが「あと1ポイントのところで焦った」(伊藤)と、第2ピリオドで反撃される。6-2、6-4と差を詰められ、残り1分。この勢いで逆転されると思われた。しかし、そこで相手がタックルで足を取りに来たところを上から受け止め、倒してフォール勝ち。春季新人戦では惜しくも逃した決勝に、4戦中3戦でフォール勝ちといういい流れで進んだ。

 決勝の相手は大東大の村山。春季新人戦では74㎏級で優勝し、今回は階級を変えて出場していた。多賀総監督は「伊藤はパワーはあるが、緻密さが足りない。一方村山は緻密なレスリングをしてくる。そういう相手にどう対応するかがカギ」とみていた。

 試合は第1ピリオドから白熱した戦いになった。開始早々、相手の村山にバックを取られ先制されたが、すぐさま伊藤もタックルで相手を崩してバックを取り、同点に追い付く。第1ピリオド残り1分半で2-4と勝ち越しを許すが、その後は互いに決め手を欠いた。準決勝まで何度も決まっていた伊藤のタックルに村山が柔軟に対応し、村山の緻密な攻めを伊藤が力で抑えた。しかし、第2ピリオド残り1分で、対照的な戦いをする2人の試合は意外にもあっさりと勝負がついた。疲れの見えた伊藤の背後に村山がうまく回り込み、ローリングで一気に試合を決めた。優勝も見えていただけに、伊藤は「74㎏級上がりで力はなかったので、いけると思ったが…」と悔しがった。

 今シーズンは、伊藤にとってはこれが最後の大会。今後は来シーズンへ向けた練習となるが、伊藤は「自分は(相手と)組んだ時に相手を崩すことがなかなかできない。組み手と最後まで戦えるスタミナをつける」と、今回見つかった課題の克服を目標にした。

[本永雅敬]

試合後のコメント

伊藤
「今大会を通して調子が良かったが…。決勝の村山はうまいなと感じた。74㎏級上がりで力はなかったが、テクニックで負けた。いけると思ったが駄目だった。最後はうまく回られた。自分は(相手と)組んだ時に相手を崩すことがなかなかできない。組み手と最後まで戦えるスタミナをつける」