日体大に敗れ無念の2回戦敗退/全日本学生選手権

2013.11.26
 日体大の壁は厚かった。序盤から速攻などで簡単に得点を許し、前半を10点差で折り返す。後半に入って得点こそ増えたものの最後まで日体大の速攻を止めることができず差を広げられ、20―35で敗戦。日体大に今季3度目の敗戦を喫し、今年最後の大会を終えた。

 格が違った。開始早々、相手エース・元木にわずか5分の間で4点を奪われ、出ばなをくじかれる。その他の選手にも速攻のシュートを確実に決められた。攻めてもパスカットなどで逆速攻をくらい10分で5点差をつけられる。「(敗因は)シュートミス。決定率の低さ」(安田祥樹主将・農4=藤代紫水)と4点差までつめたところでもノーマークのシュートを相手キーパーにセーブされ、逆に失点してしまう。要所で決めきれないことで、追い上げムードをつくることができなかった。その後もズルズルと失点。「前半4、5点差なら逆転も狙えた」(荻原)というが速攻、セットで得点を重ねられ10点差で前半を終えることに。後半には点差こそ離されたものの堤由貴(営3=洛北)、小澤亮太(法4=富岡)が奮闘。堤が角度の無いところからのしゃくりのシュートで会場を沸かせば、小澤も「技術ではなく気持ち」のプレーでチーム最多の7点を挙げる活躍。意地は見せたが15点差と力の差を見せつけられた。

 最後まで課題は修正できなかった。事前に日体大との対戦で重要としていた「戻りの意識」(安田主将)が徹底しきれず「スピードに乗った相手には押し返す力がある状態まで戻れないと意味がない」と松本監督。選手はそろっていたが最後まで意識を植え付けられなかった。来年度は池辺大貴(政経4=藤代紫水)、荻原といった今までチームを引っ張った選手たちが抜ける。それでも堤、吉野樹(政経1=市川)といった主軸選手は残る。荻原は「一番期待するのは吉野」と将来のエース候補に期待を寄せる。来季のリーグ戦までの間に堤、吉野を中心に一からチームを見直し、来年こそは勝利をつかむ。

試合後のコメント
松本監督

「速攻でやりあったら負けるっていうのがあったのでゆっくり回してしっかり戻れというのは言っていた。池辺が脚を痛めていたのもあってセットの攻めが機能していなかった。後半下げたのも動けてなかったから。たぶん限界だったと思う。(チームとして)インカレまでの練習っていうのがあまり良くなかった。上がってきている気配がなかった。(前半6得点というのは)取り合って打ち合うと30点じゃすまないので狙いとしては悪くはなかった。やっぱりノーマークのシュート精度が上がってこないと。今日見てても日体大はノーマークを外さない。スタートも大事なんだけどノーマークを決めていればもう少し展開も変わったはず。小澤は今日良かった。4年生で最後だしよくやれてた。4年生は最後まで日体大に勝てなくて悔しかったかな。インカレはいつもそうだけど連戦なので面子が少ないうちは厳しい。その辺日体大は選手を代えれるから連戦になっても選手を温存できる。ミスしたらエースだろうと交代できる。そのくらい中での競争がある。うちも層を厚くしていかないと」

安田主将
「4年間やってきて純粋にいろんな方に支えられてここまで来ることができたので感謝の気持ちでいっぱいです。悔いが残った残ってないとかじゃなくてただ感謝の気持ちです。小澤も4年生で頑張る姿を見せることができましたし。その中で後輩も頑張ってくれました。(敗因は)シュートミス。決定率の低さです。1年を通して春からずっと決定力不足だったのを克服でできなかった結果だと思います。キャプテンに任命されてからの1年間は今までキャプテンじゃなかったときに見えなかったものが見えてきて、試行錯誤したり、一人で考えることが多かったです。その中で仲間の大切さを感じました。自分一人じゃ何もできないと実感しました。ほかの4年生を頼りとしたこともありました。今年はとても仲が良かったので、絆といいますかそういうものを感じた1年でした。スタッフには自分たちのために休日時間をつくってくださって、僕たちの面倒を見ていただきました。スタッフの方がいなければ自分たちはここまで来れませんでした。スタッフに明治に呼んでもらっておかげでハンドボールをさせてもらって指導もしていただいて、明治のハンドボール部は恵まれているなと感じました。後輩には今ハンドボールをできる生活というのはいろんな方の支えがあってのことなので、その人たちへの感謝の気持ちを持ってハンドをしてもらいたいです。自分たちは楽しくハンドをやろうとしましたが、負けてしまって楽しくできなかった部分もあるので後輩には頑張ってもらいたいです」

池辺
「(今日の試合は)戻りとシュートをしっかりしようという約束事ができていなくて、そのまま相手にずるずるいかれてしまった。負けて当然だったと思う。良かった点はあまりない。この4年間は、個人としてはしっかりと結果を残せた。今年は4年生としてチームを引っ張る立場だったが、自分の人間としての器が小さく、自分のプレーとチームを引っ張るという二つをこなせなかった。チームに迷惑を掛けてしまって、そういう部分では悔いの残る1年だった。(次の代になるが)強いチームになってほしい。強いチームが勝つのではなく、勝つチームが強いのだと観客は思う。見ている人に強いと思わせるチームになってほしい。それができない後輩たちではない。楽しみだし、期待している。(明大ハンドボール部で得たものは)プレーに関して言うときりがない。高校の頃よりも周りが見えるようになった。それはプレー一つ一つにつながっていると思う。またマークがきついという環境は今までなかったため、プレーヤーとしても人間としてもどう対応していけばいいかを学べた。これから実業団でプレーするが、今までやってきたプレースタイルでぶつかってみて、どれだけ通用するか試したい。失敗を恐れずやっていきたい。今まで支えてきてくれた人に感謝して、その人たちに頑張っている姿を見せられるようにこれからも励んでいく。自分はOBとして、後輩たちは現役として、もっと明大を高めていきたい。後輩たちにも頑張ってほしいし、自分も頑張ります」

荻原
「肝心の立ち上がりで相手のペースにはまってしまった。最後の最後まで日体大にはあらがえなかった。最後まで前からの課題だったノーマークのシュートを確実に入れるという目標が達成できなかったのが敗因。日体大とはフィジカル差があったりパスをつないでずらすというのがうまかった。その点うちは持ち過ぎてしまった。ディフェンスが崩壊してたのでディフェンスはいいから攻めようという感じだった。秋からずっとディフェンスがいいと思ってないし当たりも弱い。他のチームはもっと当たったりする。来年何をすべきかっていうのは伝えられたと思うのでそれだけでも良かった。キーパーの調子は普通だったけどチームが乗らなかったっていうのが良くなかった。こういう大差で負けてしまうっていうのは悔いが残る。前半離されて焦りはあった。出だしで食らいついていかないと逆転っていうのは難しいので。最後まで結果が出なくてふがいない結果で終わってしまって下級生たちには申し訳ない。来年は結果を残してこれが明治大学だっていういい伝統をつくってほしい。一番期待しているのは1年生の吉野。あいつがどれだけ伸びるかに懸かっている。まだ消極的な部分がある。上級生に遠慮しているのでそこを思い切りできるようになればもっと良くなってくる」

小澤
「4年間優勝を目指してやってきたが、日体大の壁は大きかった。すごく悔しい。このメンバーで勝ちたかったという気持ちがすごくある。ゲーム内容としては、最後まで引っ張りきれなかった。そのせいで後輩たちに自由にプレーをさせてあげることができなかった。それでも楽しかった。後輩たちは来年に向けて試行錯誤していってほしいし、自分もOBとして支えたい。今日の試合で何点も決められたのは、お世話になってきた親が笑顔になるようなシュートを打とうと思い、気持ちを込めて打ったからだと思う。技術ではなく、気持ちだと思う。負けた瞬間は悔しかったが、段々と寂しさが込み上げてきた。本当に最後なんだなと実感した。この4年間は先輩後輩に恵まれて、楽しくハンドボールができた。色々あったが、それをみんなで乗り越えてインカレの舞台に立てたことは誇り。これから生きていく中でも大事にしていきたい。今年は4年生としてチームを引っ張る立場だったが、自分は性格上人に意見とかを言えなかった。だからその分声を出して盛り上げたりとできることをやった。自分の役割というのはあると思うので、それをやり続けようと1年間やってきた。(次の代になるが)みんな仲良く、ワイワイとしたチームになってほしい。メンバーはそろっている。堤など今の3年生を中心に、どうすればチーム力を上げられるかをオフの間に考えてほしい。もちろんつらいこともあるけど、やるからには楽しく頑張ってほしい。(明大ハンドボール部での日々を振り返って)今までありがとうと言いたい。それぞれ別の道に進むけど、みんな活躍していってほしい。たまには集まって、お酒を飲みながら話すのも楽しみです」


「結局やるべきことができなかったから負けた。1年間を通してチームとしての約束事があったけど、それが守れなかった。後半は相手もメンバーを落としてきて、プレッシャーが少しなくなった。それがプレーにつながった。また4年生が意地で『自分たちがやらないと』と引っ張っていってくれたのも大きかった。この1年は結果が出なかった。でも秋リーグやインカレではサブのメンバーも多く出場して活躍した。チーム一丸となって、ベンチにいるメンバーも一緒に戦えたと思う。これから自分たちの代になるが、シュートミスやディフェンスのフォローなど、毎年言っている課題を練習していくだけだと思う。その課題ができている年は強いし、できていない年は弱い。それを克服できるまで徹底していく。格好つけないで、泥くさく頑張りたい」