
4年ぶりの表彰台 高橋2位、六郷3位/講道館杯全日本体重別選手権
[1日目]
主将が学生最後の大会で3位入賞を果たした。「優勝しようという気持ちで臨んだ」と強い気持ちで畳に上がった。2回戦、3回戦と全日本B強化指定選手に選ばれている選手に勝利。準々決勝でも第1シードを破った相手を1分40秒、大内刈りで一本勝ちし準決勝進出を果たした。
準決勝では一瞬のスキを突かれた。試合を有利に進め相手に指導2も与えていた。しかし攻める姿勢が裏目に出てしまう。残り1分を切り、相手の技を返しにいったところを逆に返されて有効を取られた。そのまま試合は終了。「絶対に勝てた」だけに悔しい結果になった。
世界ジュニア王者の橋口祐葵(政経1=延岡学園)は入賞が期待されたものの連戦の疲れからか自分の柔道ができないまま1回戦敗退。来年はこの悔しさをバネにさらなる成長を期待したい。
[2日目]
4年間の集大成を見せた。高橋は「まさか決勝進出できるとは」と本人も周囲も予想外の快進撃。2回戦は綺麗な払腰で一本勝ちすると、3、4回戦では終始試合を優勢に進め優勢勝ち。準決勝では1分過ぎに豪快な内股で一本勝ちを収め、決勝に駒を進めた。
決勝では「自分の悪いところが出た」と大内をかわされた後、一瞬のスキを見逃してもらえず、内股で宙に舞った。開始からたったの21秒。自分の柔道が取れず、悔しそうに顔をゆがめた。ここまで来たことは「自信になる」としながらも「優勝しなければ意味がない」と自分に厳しく、さらに上を目指すことを誓った。
一方学生王者として挑んだ寺崎達也(法4=崇徳)は初戦で姿を消した。先週行われた全日本学生体重別団体優勝大会で足を負傷し、さらに傷から菌が入り前日は高熱にうなされた。最悪のコンディションで欠場も視野にあったが「本人が出たがった」(猿渡琢海監督)と気持ちで強行出場。小外掛で技ありを取られた後も果敢に攻めたが、無情にも試合終了のブザーが鳴った。
明大勢の活躍が目立った。現役以外も上位に食い込んだ。前回大会は2回戦で敗退した昨年の主将菅原健志(平25政経卒・パーク24)は3位。3回戦では昨年の全日本学生選手権と講道館杯で敗れた下和田(京葉ガス)と対戦。好敵手を返し技で圧倒して、見事雪辱を果たした。4回戦でベイカー(東海大)に敗れたが、敗者復活から勝ち上がり、表彰台に上がった。
100㎏超級では、ロンドン五輪に出場した上川大樹(平24営卒・京葉ガス)が講道館杯初優勝を果たした。それでも猿渡監督は「全盛期と比べたらまだまだ」と、さらなる明大勢の表彰台独占に期待を込めた。
[四ッ谷健太・毛利允信]
猿渡監督
「(六郷)団体戦と個人戦の違いだね。指導2つ取ってるのに無理にいって返されてしまう。もったいなかった。今後この戦い方を修正していけばおそらく福岡に出られると思うので頑張ってほしい。今日は本当に優勝できる試合運びだったし、勢いもあった。しかし個人戦を戦う上での戦略、注意深さを考えてほしい。柔道には攻めと守りがある。攻めながら受ける、受けながら攻めるということをやると投げられてしまうことがある。上に行くには攻めるときは攻める、守るときは守るというようにはっきりさせていかなければならない。大内刈がようやく得意技の一つになってうまく生かしていた。今日は100点の出来といいたいけど、負けたから80点かな。4年間の集大成見せてくれたと思う。今までやってきた明大の柔道を出していたと思う。負けたけども、返されて負けるのはあいつらしい。六郷に関しては卒業してからも合宿所に残って後輩たちに稽古をつけてもらおうとも思っている。後輩を指導していきながら自分も強くなってほしい。
橋口も連戦があって疲れてはいたと思うけども、負けちゃいけない相手だったかなと思う。国際大会では勝てたけども、国内では勝てていないから日本でも勝てる選手になってほしい。ここでいったんリセットしてがむしゃらになって頑張ってほしい。自信がつくと油断も出てきてしまうものだから、精神面も鍛えていってほしい。負けた原因を自分で徹底的に分析して、次に生かしてほしい。
1回戦負けの寺崎は、先週の尼崎で足をケガして、そのケガが悪化してしまって試合が始まるギリギリまで出るか迷っていた状態で、それでも出たいということで出したんだけど結果は伴わずに残念な結果になった。連戦というのもあったし、学生チャンピオンになったのだからこれから体調管理とか自己管理をしっかりやって、直しながらも次の大会を目指すというのも大切になってくるから、しっかり反省して、何が駄目だったから駄目だったのかというのを自分自身でも反省して次に生かしてもらいたい。昨日も熱が39度くらい。足のケガからばい菌が入って筋炎という病気でありながらも本人は気持ちで戦って、気持ちはあったんだけど体がついてこなかったというところだと思う。
良介(高橋)は4年間の集大成を見せてくれたかなと。素質がありながらも去年までの3年間は結果が出せずに苦しんだこともあって、今年全国大会いずれも2位だったけども、今後卒業してから社会人として戦っていく上ではいい自信になったと思う。決勝は少し力の差があったのかなと感じるし、自分の柔道を何もしないままに終わったので、来年はこの大会で自分の柔道をしっかりして、また決勝で勝って優勝してほしい。決勝までは本当にいい柔道をしていたし、自分の持ち味である技を出して、相手を倒してきたので、それが決勝でなぜできなかったのか、なぜ力を発揮できなかったのかというのを良介はもう一回振り返って次につなげてほしい。この大会は高校大学社会人、すべての大会で上位に入った選手たちが集まる大会なので、本人はそういうことは意識せずに、自分の力がどのだけ通用するのか、どれだけ勝てるのかというのを考えて向かって行ったと思う。それが決勝で負ける結果になったわけだけども、決勝までは行ける力があるのであれば、その先を目指して、もっともっとチャンスは出てくると思うし、今度は学生のレベルではなくて全日本のレベルで、全日本レベルの大会、試合が続いていくと思うので、その中で成長しながら日本一目指して頑張っていけばいいと思う。
(昨年よりも結果が出ていますが)そうだね。なんでか。僕が監督になって2年目で、去年から厳しい練習やらトレーニングを始めて、そのやった結果がこういったいい結果につながっているのだなと思いたいし、こういいう結果を踏まえて下の下級生が今の練習を本当に頑張っていれば自分たちも強くなれるんだと感じてもらえれば、いい成績が出てくると思う。去年だって、去年この大会で悔しい思いをした菅原だって今年3位になったわけだし、みんな力が備わっていて、明治大学でやってきたことを生かしてこの大会で発揮してくれたことだと思う。来年はチャンピオンが出るようにしっかり学生を指導していきたい。(来年のこの大会は)今年の4年生2人が上位進出を果たして、その前の卒業生がいい結果出しているし、明大OB、明大在学生が上位を占めればいいかなと思うし、先輩と当たったら臆せず戦って自信を付けていければいいと思う。ここを目指す前にまずは年が明けたら春の学生の団体戦を目指してまずは練習していかなきゃいけない。それを強化しながらこの大会に何人出場できるかというところも入ってくるので、現時点では来年出場できそうなのは数少ないものになりそうだし、今年出場した橋口は来年も出場する機会があるかもしれないので、あとケガで苦しんだ上田。安田とかもいるし、活躍した下級生たちが来年一つ年を取って、実力を付けた姿をこの大会で発揮してくれたらいいなと思う。昔は僕らの時代は講道館杯出て当たり前というもあったし、何人も明大柔道部の学生OB含めて何十人も出ていた時代もあったんで、そういう時代に戻れるように、講道館杯なんて出て当たり前なんだよという環境が作れるように取り組んでいければいいと思う」
六郷
「悔しいですね。準決勝は絶対に勝てた。自分の甘さとかを反省しなきゃなと。最後まで集中して相手の技を受けていなかった。最後までポイントを取りにいきたくて返されてしまった。(去年に比べて結果が残せたことは)ちょっとずつでも強くなってたきてるのかなと思う。全部、一戦一戦厳しい戦いだった。シニアの選手と学生の違いはうまさがあるところ。ただがむしゃらに掛けたりしていても返されてしまったりする。頭を使った柔道をしてくる。3位に入ると入らないのでは全然違うと思っていたので3位決定戦は勝ちたいと思っていました。福岡の体重別の大会にも3位になれば出れると思ったので、次につなげられるように頑張った。3位決定戦はいつも通りできた。ケガをしたが試合中は影響はなかった。優勝しようという気持ちでこの大会は臨んだ。組み合わせを見てもやればいけるんじゃないかなと思っていたので。最後は監督に優勝して喜んでもらいたかったができなかった。卒業してからも明大には頻繁に来ると思う。これからは陰で支えていきたい」
高橋
「周り誰も思っていなかったと思うし、自分も上まで行こうとは思っていたが、決勝まで来たときはここまで来たなと思いつつ、絶対勝ってやろうと思っていました。(決勝について)一瞬自分の悪いところが出て、そこを相手はベテランというか実力者なので見逃してくれなかった。(決勝までは)いい試合と悪い試合があって、課題がいっぱい出た。技の正確さだとか、組手の動かし方とか。練習でできている分とできないない部分がはっきり出たので、それでも決勝まで行けたのは良かったです。(日本で2位)まだまだ。自分の中ではまだまだ強い人もいると思うし、個人的には羽賀とか。今日は2位なれて、決勝まで行けたのは良かった。今回は自分は強化選手でもないし挑戦者なので当たって自分のやれることを出し切って、学生最後だと思ってやりました。(出し切れたか)自分の身の丈に合った、いや身の丈以上の結果が出たのかなと思う。ただ、監督じゃないですけどやっぱ明治は優勝しなきゃ意味がないので。(4年間を振り返って)自分自身は1回柔道をやめたいという時期があって、その時周りの先生とかOBがそんな自分でも声を掛けてくれて、自分の中で今の監督が自分をここまで育ててくれたと思うので、本当に明治大学に入って良かった。(監督は)声掛けて教えてくださって、自分ができなくてもできるまでずっと熱心に教えてくださって、自分がここまで来れたのは監督のおかげなので、本当に感謝している。(今年1年は)団体戦で自分は勝ちたかったので団体戦で勝てなかったのは悔しいですけど、ここまでやってきたので悔いはないです。(今後は)自分は警視庁を受けているので、合否待ちで、受かれば警察で柔道を続けていきたいと思う。(警察では)この結果に満足しないで、結局負けているので、優勝できるまで努力していきたい。(世界は意識しているか)とりあえず今は一段落ついたところなので…。でもまあ11月の終わりか12月にあるグランドスラムに選んでいただければ、結果を出してきたいですし、柔道やっているからには日本代表として戦いたいと思う。(上川さんや海老沼さんが練習に来ると思うが)身近に世界チャンピオンだったり海老沼先輩だったり上川先輩だったりそういう強い選手がいるのでそういう選手と練習することで自信になりますし、めったクソに投げられますけど、そういう人たちと練習しているからこそここまで来られたのかなと思う」
関連記事
RELATED ENTRIES