
西野が昨年の雪辱果たし優勝/東日本選手権
本来の力を発揮した。ジャンプでの大きなミスもなく華麗な演技を披露した西野は「本当に信じられない」と驚きの表情を見せた。2位の安藤美姫選手(新横浜プリンスFSC)と17点差の164・35点で明大選手として2年連続の全日本選手権出場を決めた。1日目のSP(ショートプログラム)では1位につけ出場枠獲得へ向け好発進。迎えたFS(フリースケーティング)、序盤のコンビネーションジャンプを成功すると観客は拍手と共に歓声を上げた。中盤、アクセルジャンプが回転不足となるもほぼ完璧な演技を披露し、観客はスタンディングオーベーション。西野はお礼と共に観客に手を振り笑顔を見せた。
大きく飛躍した。全日本選手権出場権を獲得すると野添は喜びのあまりガッツポーズを見せた。「結構な練習をしてきた」と努力が実った。5枠と少ない中で緊張の舞台となるもSPでは4位。最終グループ最終滑走となり、FSでは3連続のコンビネーションジャンプを決め観客を沸かせた。
課題も見つかった。演技冒頭のアクセルジャンプは綺麗に決まるも着氷で転倒。中盤のスピンでもふらつき取りこぼしてしまった。全日本の舞台に向けて「しっかりまとめていきたい」と改善点を見つけ挑んでいく。全日本選手権では「15位以内に絡んで来年の枠を増やしたい」と気合充分だ。
[橋本杏菜]
試合後のコメント
今大会が最後の試合となった橋本誠也(商4=目黒学院)
「SPは緊張が表に出てジャンプが決まらず全体的に動きが固かった。FSに関しては緊張のせいか前日練習くらいから調子が上がらなかった。空いている時間を利用して気持ちをリセットして挑んだら元には戻ってくる感じだった。最後に調子が悪い中から立て直せたと思う。最初のジャンプを決めてそこから持って行こうとしたら2つ目のジャンプで思いっきり転んで焦った。いつもの気持ちならその後崩れていくが今回はうまく立て直すことができたのでそこは成長できたと思う。最後のステップが自分の中での見せ場だと思っていてどんなにボロボロでも最後は全力を出そうと頑張った。周りの人の手拍子や掛け声が力になった。悔いもあるが自分では結構満足できている。結果的に見れば情けない部分が表に出てしまっているとは思うが、それでもへこまずに小さい頃からやり続けてきたものなので最後までやり抜きたかった。最後までやり抜いたものがこれしかなかったのでやり切れたことはすごくうれしく思っている」
あと一歩で全日本選手権出場を狙えた松村成(政経4=武相)
「一言で言うと悔しい。本当に一つ一つの試合を大事にしていこうということをまず心掛けていた。学生の大会ももう最後なので来年スケートを続けるか続けないかにしても一つ一つを大事にということを頭に入れて1年間やってきた。今回東日本が5枠と少ない中で自分の持っている力を全部出しても行けるか行けないかということはもう目に見えていたのでせめて自分の持っている力を出したかった。SPは本当に良くてこのまま行けるかなと思ったがFSで細かいミスをしてしまって駄目だった。細かいミスの連発は自分の詰めが甘かった」
アイスダンスに出場した鈴木健太郎(法3=泰星)
「楽しくできたと思う。修正点は分かっているつもり。全日本に向けて演技を少しでも良くできたらいい。自分がSPでもFSでも単独で失敗してしまった部分があるのでそこを修正していきたい」
前節から一変、圧巻の演技を見せ優勝を勝ち取った西野
「自分の演技に自分でもビックリ。練習でもできたことのないような演技だった。本当に信じられない。今シーズンに入ってから調子は上がらなかった。これまでの大会では自信の無さが現れていた。家族やコーチからは大丈夫だよと言われていたがそれでも自信が無かった。こんなに楽しいのは初めてというくらいSP、FSどちらとも楽しく演技できた。SPの成績がいいとFSで駄目になることが多く不安だったが今回は笑顔でやろうと思っていた。自信を持てるように練習を多くやった。全日本に向けて今回以上にミスを無くしたい。自信をつけて不安を無くすためにメンタルトレーニングにも取り組むことといいジャンプを跳べるようにジャンプの質を上げたい。自信を持って頑張りたいと思う」
接戦を制し全日本出場を決めた野添
「SPはまずまずの順位につけていたのでこのまま踏ん張って何とか5位以内に入れたらいいなと思ってFSに臨んだが内容は少しボロボロといってしまった。でも最後まで踏ん張って全日本の出場枠を勝ち取ることができて良かった。3連続を曲に入れたのは初めてだったので決まって少しは進歩があったかなと思う。曲を掛けて結構な練習をしてきた。満足のいく演技ではなかったので改善点はいっぱいある。まずは前半ももちろんだが後半をしっかり。前半失敗したとしても後半はしっかりまとめられるようにやっていきたい。(全日本に向けて)東日本は枠が少なく全日本15位以内で来年の枠が決まるので出るからにはちゃんと枠を取って来ないとみんなに申し訳ない。接戦というか誰がいってもおかしくなかったので自分が出るからには15枠以内に絡んで来年の枠を増やして自分も苦しくならないように頑張っていきたい」
FSで自己ベストを更新した藏佐衣子(営1=広尾学園)
「先週の東インカレで思ったような演技ができなかったのでそれが今回は全部出せて良かった。FSでは自己ベストが更新できたのでうれしかった。やっぱりこの大会のために頑張ってきたのでそれに身体と心がちゃんと合わせられた。前半の一番課題にしているトリプルが2発決まって後半までちゃんと気持ちが維持できた。(5、6、7回目のジャンプは)何とか決まった。朝の練習の時も最後の2つのジャンプはあまりうまくできていなかったのでそこが一番緊張したがちゃんとできたので良かった。大学生になった時にあと4年しかスケートをできないと言ってスタートしたので試合で駄目でもできることはちゃんとやろうと思っている。新しいジャンプも跳んでいきたいと思っているしスピンもSPでは取りこぼしがあったのでちゃんとできるようにしたい」
次の試合に向けて課題を見つけた佐々木美保(政経1=日出)
「SPがあまり良くなかったので楽しんで滑ろうとFSに挑んだが小さなミスが多くてジャンプも落ち着いて跳べなかったので焦った。最初の3連続ジャンプが決まったのでそこから持っていこうと思った。SP20位という結果でやっぱりトリプルは必須と感じたのともっと滑れたのかなと思う。トリプルを確実に入れていかないと上には行けないと思った。(安藤選手と)SPは同じグループで滑れたので勉強というかそういう雰囲気を経験できたので良かった。まわりに圧倒されてしまって大学生になっても以前とあまり変わらなかったのでそういう所も考えていかないといけないと思った。インカレに向けてもっと練習していきたい」
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