
優勝決定戦で早大に完敗 秋季リーグ2位で終える/秋季関東大学男子1部リーグ戦
流れをつかめなかった。セッターの新貴裕(営4=石川県工)が「出だしが悪かった」と話すように、1セット目でいきなり3連続ポイントを許す。何度も追いつく粘りは見せたもののその後もミスが続き、ミスをなくそうとプレーが弱気になったところを攻められた。2、3セット目も得点こそ競っていたが、同じく優勝を目指した早大の勢いを止めることはできなかった。想像していなかった完敗に、試合後はうつむくしかなかった。
再スタートを切る。チームは東日本インカレで初優勝。秋季リーグも前日まで7連勝を含む9勝1敗の首位とまさに快進撃を見せていた。しかし、初戦の筑波大戦で飯塚渉太(政経4=相馬)が足を負傷するなどリーグを通して盤石というわけではなかった。その中で有田賢史(政経3=福大大濠)や小野寺徹(営2=東洋)といった控えが役割を果たし、チームに貢献した。主将の大塚が「みんながうまく意図を汲み取ってそれぞれ役割を果たしてくれている」と話すように、まさにチーム全員で勝ち取った価値のある準優勝だった。
目指すは「日本一」だ。来月には全日本インカレが待つ。4年生にとっては最期の大会となる。「集大成のプレーを見せたい」(新)と選手たちは意気込む。今回の悔しい敗戦を糧に、大舞台で明大バレーの真骨頂を見せる。
なお、秋季リーグで大塚が敢闘選手賞とレシーブ賞を、新がセッター賞を受賞した。
[石渡遼]
試合後のコメント
大塚
「今日は本当に力負け。早稲田の勢いに負けた。出だし乗れなくてそのまま最後までいってしまった。早稲田の勢いに勝てなかったのが力負けかなと思う。(昨日のミーティングは)特には話すこともなく、サーブの対策だけしていつも通りで行こうと話した。(新さんと杉本さんは)2人とも空回りしていた部分もあったけど、それをチームでカバーできなかった。2人には最終戦までにも助けてもらっていたし、それが今回はチームで戦えなかったのがある。(準優勝の結果は)悔しい。やっぱり優勝したかったから。でももうリーグもなくて、全カレしかないから日本一取れるように頑張りたい。(ケガ人が出てもチームが安定していたように思えましたが)そう感じる部分もあれば感じない部分もあった。まだ先もあるからこの(全カレまでの)1カ月はこの負けを無駄にしないように課題も消化して、また一回り大きいチームをつくれるように頑張っていきたいと思う。インカレでは今日の借りを返す」
新
「すべてが上手くいかなかった。出だしが悪く、それを最後まで引きずってしまった感じ。早稲田が強かったが何もさせてもらえなかった。固まってしまったのは自分でもわかっていたがどうにもできなかった。(前日の)中央戦も緊張していたが、やはり決勝のプレッシャーはあったと思う。東日本で優勝して試合に余裕があるときにできた流れも勉強になった。ただ、心のどこかに余裕があったのは確か。(リーグ戦振り返って)早大戦までは完璧だった。今までよりもまわりからの見られ方を意識することが多くなった。(セッター賞を受賞)今回とれるとは思ってなかった。自分では良いところも悪いところもあり、浮き沈みが激しいセッターだと思っている。(全日本インカレ)に向けて目標はもちろん優勝。集大成のプレーを見せたい。まずは早慶明定期戦で今日のリベンジを果たしたい」
鎌田将人(法4=城山)
「よく分からないけどみんな緊張していた。自分も緊張を和らげずに終わってしまった。チーム全体がちょっと硬かった。負けたらあまり振り返らないけど、今日はあまり良くなかった。(秋季リーグの借りはインカレで返してくれますか)いいとも」
佐藤拓真(政経4=山形南)
「悔しい。優勝したかった。準備もしっかりしたつもりだったけれど、まだ優勝する器ではなかったってことかな。序盤で圧倒されて、向こうが良くて、こっちも悪くはなかったけれど、最後まで流れがつかめなかった。いいところまではいくけどもう1点が遠かった。昨日の夜のミーティングではビデオを見て戦略を立てた。余所行きのことはせずに、いつも通りの粘り、一体感のあるバレーをすることに尽きるという話をした。でも今日はできなかった。悪くはないけれど100%ではなかった。前の試合が長引いて調整が難しかったけれど、それは向こうも一緒だった。試合前は優勝したいという気持ちで高まった。リーグ戦は終わったが、この悔しさを持って全カレに臨めるのをいいことにしたい。全カレでは勝ちたい。レギュラーの中でのこととか、外の不手際とか、反省点を詰めて、優勝できるようなチームに持っていく。今日の負けをプラスにする。9月からあっという間で、個人としては、控えで出た人が活躍してくれて、チームの層の厚さとか、誰が出ていても明大のバレーができたし、明大のバレーをするという意識の差が埋まっていると感じた。そういうところを武器に全カレで戦っていく。ケガ人も出ていた中でもカバーし合って、勝ち続けられたことは自信になった。負けた後の切り替えとか、次の日の入り方も春と比べて良くなった。専大戦では小野寺が出てピンポイントで決めていたり、後輩が頼りになることも多くて、心強かった。チームとしては、成長して、層の厚さや意識レベルが高くなった。4年がまとまって、意識の差がなくて、そこに下がしっかりついてきてフォローしてくれた。厳しい言葉にもめげずにふてくされずについてきてくれて、後輩に感謝したい。今回は日程が変則的で、長かった分気持ちの面での心配もあったが、その間にケガ人の治療ができたりして、うまく使うようにしたし、使えた。自分的には気持ちのむらはなく、4年生も頑張らなきゃというのでだんだん強くなってきて、プレーでも表現できた。士気的な部分も、詰められるところは最後まで妥協せず、チャレンジャー精神で臨めた。(この後は)4年で飲み会。でも最後に笑顔で写真を撮れたのはよかったとみんな思っていると思う。長かったから、ほっとした感じはある。プレーでも組織としても、まだまだ伸びしろのあるチームだと思うから、守りに入らず、チャレンジャーとして臨んで、最後に勝つ。妥協せずに詰めていって、全カレでの優勝を狙う。今日は忘れ物があるのではないか?というような話が試合前に聞こえたりして、周りのサポートで不安な点が何個かあったりしたので、そういうところとかも完璧にして、レギュラーが集中できる環境を整えてもらって、レギュラーもそれにどれだけ応えられるかが大切になってくる。ベストの状態づくりを大切にする。今日は周りも浮き足立っていたかもしれない。そういうところを詰めていけば、優勝できる器になれると思う」
飯塚
「負けたのはしょうがない。成績は取れたけど取るべきところを落としてしまった。リーグを通していつも通りできたからインカレも同じくこなすだけ」
杉本匠(政経3=聖隷クリストファー)
「勝てなかったのは相手の方の力が勝っていたから。自分の調子が悪く、そのままの調子で気づいたら終わっていた。戦う準備自体は昨日からミーティングもして、朝から体も動かしていたからできていたと思う。自分たちが苦しいところで打開策のような対策が取れなかった。新さんや陸さんも流れが変わるようにやってくれてはいたものの苦しい展開のまま負けた。自分はエースだから点を取らなきゃいけないのにそれができなかった。このリーグを通して一から自分を見直さなきゃいけない。特にレシーブの強化。後ろに回ったときの仕事ができていない。それもあり、早稲田にはレシーブやサーブで負けていた。サーブで崩されてブロックで押さえられる形が多かった。相手は点が取れるパターンがいくつもあった。明治には早稲田に対してルーティンみたいのがあったから、それは改善していきたい。自分も実際東日本を取ってからおごっていたから、今回のリーグ戦でリセットして挑戦者の気持ちでインカレを挑みたい。飯塚さんがケガで試合に出られなかったとき、賢史(有田・政経3=福大大濠)はまだまだ硬い部分があった。飯塚さんにはベストに戻すからそれまではチームを引っ張ってくれと言われていた。自分が不調のときは代わりに引っ張ってくれていたからやっぱりお互いの関係だと思う。特に自分が前衛で切れないときに新さんがバックに上げて、飯塚さんが決めてくれたので本当に助かった。自分のせいで切れなければ切れないほどつらいので。みんなスパイカーとしてのプライドがあるから、誰かが抜けたときに俺が穴を埋めてやるって人ばっかりでチームは安定できていた。言葉は特にかけなくても先輩方のバレーに対するひた向きな思いがチームをつくっていったと思う。今後のメンタル面の課題としては、今日みたいに第3試合のときに前の試合が長引いて待たされているとき。自分の気持ちや調子のピークをいかに合わせることができるかが問題になった。来年からチームを引っ張っていかなければならないプレッシャーもあるけど、それを言い訳にしないで結果を残してこそだと思う。自分がすべての面において高い次元でプレーして、チームの勝利につなげたい。負けては意味がないから、チームが勝ってこそ初めて自分が満足のいくプレーになる」
中村悠貴(文3=習志野)
「なかなかこのような位置に付けることはない。チャンスをものにできなかったのが悔しい。気持ち的にはどちらも勝ちたい思いは強くて、今回はプレーの精度的にあっちのほうが上だった。ミスが多かったり、1本目でずれてしまったり、明大のバレーではちょっとしたことでも厳しくなる。優勝が懸かっていたけれど、勝ちにいこうとすると固くなりすぎてしまうと思って、あまり意識はせず、ぎりぎりのラインを保とうと心掛けた。ミーティングでは誰を締めるかとか戦略的なことを話したり、この機会はめったにないけれど自分たちのバレーをしていこうと確認した。今日はいいところもあったけれど、できていない感じもあって、今までのような完璧なバレーではなかった。調子は良かった。緊張感もありリラックスもできて、調整もできていた。前の試合でドタバタしていたけれどうまく合わせられたと思う。けど優勝を意識しすぎていた。(リーグ戦を振り返って自分のプレーは)トータルで見たらまだまだ。今日は満足だったが、日によって違う。課題も残るリーグ戦だった。今後は余計なことはせずに、今のバレーを常に出せるようにしていく。全カレは1年のときにベスト4に入っているので、まずはそこに入って借りを返すことから。そして優勝。今回入らないといけないと思う」
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