
日大に勝利も内容に課題/関東大学リーグ戦
危なげのない試合だった。立ち上がりから主導権は明大が握り、試合開始4分と早い段階で先制したことによって試合展開を楽にした。先制点を挙げたのはFW上野滉太(政経4=北海)。今リーグ戦で初めて同じセットとなったDF松金健太(法1=釧路江南)からのパスを、ゴールやや右側からダイレクトでたたき込んだ。DF陣の入れ替えについても「自分たちのセットは4点入れたので1つの収穫にはなった。間違いなくやりやすかった」と好感触を口にした。
第1ピリオドは課題のペナルティーも1つと最低限に抑えた。13分には相手シュートがポスト左に当たり危うく同点という危険なシーンこそあったが、安定した試合運び。その後も積極的にシュートを放ち、日大に主導権を握らせなかった。第2ピリオドも明大ペースではあったが、得点が入らない。上野滉やFW大津晃介(法2=日光明峰)らがドリブルでリンク中央を突破していくが、最後の部分で得点には至らなかった。シュート数を比較しても日大がこのピリオド6本であったのに対し、明大は22本。3倍以上のシュートを放ちながらスコアレスに終わった。第3ピリオドも展開は変わらず。しかし「緊張感がない感じで終わった」(上野滉)と、対中大戦から切り替えがうまくいかず。試合は支配していたものの、どこかピリッとした雰囲気がなかった。それが影響したのか、試合終了間際の残り8秒でまさかの失点を喫した。
この試合2得点で勝利に貢献したFW上野峻輔(政経1=北海)。1得点目はゴール前のいいポジション取りがゴールにつながった。DF佐藤光主将(文4=白樺学園)が後ろから放ったパックが、ゴール裏から跳ね返り上野峻の正面に。落ち着いて沈めチーム3点目を奪った。「ごっつぁんゴールだった」(上野峻)と振り返ったが、ポジション取りを意識して臨んだことが結果につながった。「まだチャンスでパスをしてしまうことがあるので、自分でやるんだというところをもっと出していきたい」と課題を口にしたが、FWとしての存在感は増している。
2位争いは明大に加え早大、法大、東洋大が勝ち点差3以内に並び混沌としている。現時点で2位には立っているが予断は許さない状況だ。来週からはその3校と直接対決3連戦。立て直さなければ、簡単にやられてしまう相手でもある。「秋リーグ最後なので、残り3つ勝って終われるよう頑張ります」(佐藤光)。リーグ戦最後の見せ場を、いい形で締めくくってほしい。
[高田悠太郎]
試合後のコメント
佐藤光
「中大明けの試合で、気持ちを切り替えてなんとしても2位を目指していこうとしました。勝てたのは良かったですが問題はスコア。3―0―1で結局4点しか入れることができなかったです。一巡目は10―0で勝って動きも良かったです。ただ日大も試合をこなしてきて良くなってきているのは分かっていたので、ダブルスコアは難しかったです。シュートを打っているセットは打っているのですが、外で回してパスミスでシュートにつながらなかった。あとは1本のシュートで終わってしまってしました。これからの3試合は1本のシュートで入るようなキーパーではないので、もっと厚みを出していかないといけないです。(セットを変えたのは)いくら守っても得点はとれないので得点できるセットをつくっていこうをいうことで。今日やってみて効果はあったと思いました。舞人と晃介のセットはFW3人で動いてシュートに行って、滉太のセットはFW3人でというよりDFも使いながら攻めようとしました。どのセットもまんべんなく得点できないといけないです。(パワープレーは)5人が連携してできていました。スコアできたのは良かったです。少ないパワープレーの中で決定率を上げていけるようにしたいです。(今後は)残り3試合はセットコンディションがいい選手が使われていくと思います。一人一人が100パーセント調子を維持していかないとですし、それによってチーム内の競争も上げていかないといけないです。負けたら後はないです。今日の早稲田と東洋はリスクを少なくしてチャンスを生かしてしました。自分たちもグレーゾーンでクロスパスをしてカウンターを食らって攻められるので、相手ゾーンで攻めていかないといけないです。あとは反則を本当になくしていかないといけないですね。秋リーグ最後なので残り3つ勝って終われるよう頑張ります」
上野滉
「緊張感がない感じで終わりました。中大戦できりきりして勝ちにこだわっていって、優勝がほとんどない中でこれだけの試合しかできないのは弱いということ。こういうときに弱いようじゃ勝てないです。正直4年、スタッフ含めてふわふわするなと言っている分、言われているうちが花だと思ったほうがいいと思う。4年、スタッフがどうこうではなく、一人一人個人の意識を上げていかないと。ベースがかなり低いところにあるので、上げていかないとムラになる。試合に出れないやつやサポートメンバーがいる中で情けないし、申し訳ないです。もっと高いアスリート意識を持っていかないといけないです。勝つ、負ける、引き分けるっていうのはモチベーションにはなるけど、勝ってもこういうゲームをしていたら上にはいけない。たまたま勝ったようなもの。自分たちがそれに気付いていかないといけないです。(セット変更は)舞人たちのセットを得点に絡めて、光、健太の球出しの良さで自分たちのセットで得点していこうと。DFを1、2セットで入れ替えました。今日やって自分たちのセットは4点入れたので1つの収穫にはなりました。間違いなくやりやすいです。どのセットの相手にとって脅威になるようにしたいです。PPも練習でどうしたらいいかミーティングで話し合って修正できたから良かったです。ホッケーに対する取り組み方、生活面から一人一人が見直していかないといけないです。そうすれば適当なことはできないし、感情的にもならないと思うので。自分たちのセットで得点を取るしかないのでゴールに向かって頑張ります」
上野峻
「今日はポジションを意識してプレーしていました。兄の滉太が見ていてくれてパスをしてくれるので、空いているスペースを探すというように頭で考えてプレーしました。特にアタッキングゾーンではポジション取りに気を付けました。今日はパスが来なかったですが、チャンスになるようなポジションを取れていいイメージを持つことができ、次につながると思います。1セットになって、大椋さんから試合開始のフェイスオフは絶対に取れと試合前に言われました。セカンドパックは明治のものにできたのでよかったです。変わったのはその試合の入りくらいで、DFとの連係も今日はFWだけでプレーできてしまったので気にならなかったです。(ゴールに関しては)ごっつぁんゴールでした。2点目の得点の前は外していたので、シュートを決められてよかったです。パスも回せたし、ずっと3つのセットで回していたので楽に展開できました。自分はまだチャンスでパスをしてしまうことがあるので、自分でやるんだというところをもっと出していきたいです。対東洋大戦は、とにかくシュートを打つことです。打てばなにが起こるか分からないので。あとは自分たちのプレーをできればいいと思います。2位に入れば全日本選手権でプロとやれるチャンスがあるので、出場権を獲得したいです。来週も勝つために、練習をして調整していきたいです」
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