
筑波大に悔しい敗戦 3位に終わる/全日本学生体重別団体優勝大会
副将の赤迫弘幸(政経3=延岡学園)が敗れた瞬間、明大の優勝の夢は断たれた。準決勝の相手は筑波大。先鋒(せんぽう)の高橋良介(政経4=愛知県私立大成)は果敢に攻めるも「研究されて返し技でやられた」(猿渡琢海監督)と返し技狙いの相手に優勢勝ちを許し、先手を取られてしまう。次鋒は重松賢太郎(商4=福岡大大濠)。指導を3つ取られ、反則負け寸前になりながらも、攻める姿勢を貫き通し引き分けとする。五将は全日本学生体重別選手権を制した寺崎達也(政経4=崇徳)だったが、早々に組み手を取られてしまう。すると開始23秒で小外刈をかけられ一本負け。寺崎は悔しさのあまり、なかなか立ち上がることができなかった。
序盤から苦しい状況に立たされた明大。中堅は六郷雄平主将(政経4=愛知県私立大成)。負ければ敗戦濃厚になりかねないだけに、開始から攻めに転じていたが「冷静さが欠けていた」(猿渡監督)と普段の柔道ができない。すると開始3分で相手に技有を取られてしまう。巻き返しを図るも技を決め切ることができず優勢負けとなった。一つの負けも許されない状況に追い込まれた中、三将は10月の世界ジュニアを制した橋口祐葵(政経1=延岡学園)。「自分の柔道ができなかった」と振り返ったが、終盤に有効を取り優勢勝ち。この大会唯一負けなかった男が望みをつなぐ。続く副将は赤迫。両者譲らぬ展開だったが、一瞬のスキを突かれ小外刈を決められてしまった。この時点で1―4となり敗戦が決定してしまった。
悔しさを滲ませた。「うちが取らなくてはいけないところを相手に取られた」(猿渡監督)と言うように、筑波大戦では、高橋、寺崎、六郷といった勝ちたい選手が勝てなかったことが大きな敗因となってしまった。今大会の3位は今年の団体戦では最高の成績。しかし、今年も目標に掲げていた団体戦での優勝はできなかった。「4年は格段に強くなった」(猿渡監督)と今年のチームには自信を持っていただけに悔しさの残る大会になってしまった。
[森光史]
猿渡監督
「悔しいね。(優勝に)何が足りなかったのか。足りなかったことは特にないのかな。相手の方がよくうちを研究していた。相手の方が対戦相手の研究を徹底していた。対策を練ってそれを徹底してやられた。準決勝に関して言えば高橋はこのタイミングで技を出すとか研究されて返し技でやられた。向こうから攻めてくることは一度もなかった。階級が1つ下とはいえ高橋が取りきれなかったのが痛かった。団体戦を勝ち抜く力が全員に足りなかったのかもしれない。(準決勝の筑波大戦のプランは)昨日のオーダー発表があって最初から接戦になるとは思っていた。その中でもうちが取らなければいけないのは学生チャンピオン2人(寺崎と六郷)と高橋の3つにもう1つ橋口と宮澤のどっちかが勝って4つ取って勝てると考えていたが逆に4つ取られてしまった。うちが取らなくてはいけないところを相手に取られた。そこが敗因。最初の結果が意表をつく展開になったし、その後の寺崎も敗れ、空気の悪い中で六郷が出た。六郷は流れを断ち切ろうと前半からどんどん攻めていい柔道をしたが一瞬のスキで取られてしまい、ほんの1つのスキから取られてしまうのが柔道なので5分間一瞬たりとも気を抜かないように戦っていかないとこれからは厳しい。六郷の相手は筑波大のキャプテンで六郷とは高校時代から何度も戦っていて手の内を知り尽くしていた。それでも六郷はどんどん攻めていい柔道をしたが負けたしまった。大会前から選手たちに言っていたことだが団体戦では同じレベルの相手と戦うから最初の1分2分で勝てることはほぼない、5分間の時間を最大限に生かして勝ちに行かなければならないという俺の言葉が六郷は初めから吹っ飛んでいたようだ。あの最初の勢いで5分間戦えるかといえばそうではない。そこの冷静さが欠けていた。焦りが目に見えた。高橋と寺崎の試合は分岐点になった。先鋒の高橋はあいつが一番悔しいと思うけどあいつの柔道ができなかった。相手は引き分けでオッケー、うちは勝たなければいけないという中で相手は守りから入ってくることができた。守りから入ってくる方が相手を見ることができる。宮澤は最後に意地を見せてくれた。ほんとであれば気持ちも切れていただろうけどあいつ自身最後の学生大会で一本決めて勝ったのはよくやったと思う。最後の団体戦で部として六郷はよくチームをまとめて厳しい練習に耐えてきたし、昨年度よりいいチームだった。4年は格段に強くなった。その点は満足しているけど勝てなくて残念だった。教えてきたことを試合で80%は出せていたと思う。残り20%は心の強さ。そこが少し足りなかった。きっちりと対策を練っていたらこういう結果にはなっていなかったかなと今は思う。4年生の試合を見ていたら俺が指示したい部分は自分でやっていたし、気がついて修正して戦っていた。まあかなり成長をした。下級生も成長はしたがまだ監督として見ると練習の中では新しいことができているけど実践ではまだできていないかな。来年はもっと厳しい戦いになる。昨年もこの大会後に来年は厳しいと言ったが今年は優勝を狙えるチームまで成長することができたし、1年間でプランを立ててポジティブに考えていきたい」
橋口
「今日は自分の柔道ができなかった。相手に関係なく自分の柔道がしたかった。徳田(帝京科学大)は同じ階級なので気負わずに試合をできた。今の4年生と優勝したかったです」
関連記事
RELATED ENTRIES