団体戦は予選で敗退 4年生最後の団体戦を終える/全国学生選手権

2013.11.05
 4年生にとって最後となる団体戦だったが、あと一歩及ばず決勝トーナメントには進出できなかった。個人戦では濁川太宏(政経3=向の岡工業)が決勝トーナメントに進んだが、1回戦敗退に終わった。それでも「後悔というより、やり切ったという気持ちの方が大きい」(池尻実主将・政経4=柳学園)と結果は残せなかったが、今年最高の相撲を取ることができた。また、濁川がプレッシャーの懸かる先鋒で全勝を挙げるなど次の世代である3年生の活躍も見ることができた。

 1日目の個人戦ではケガ明けの濁川の活躍が光った。予選1回戦では小澤(東洋大)、2回戦では吉見(九州情報大)、3回戦では百瀬(東農大)と強豪校の選手達と対戦するも、持ち前のスピードを生かし予選を突破。特に決勝トーナメントの進出を決めた百瀬との試合ではリーグ戦での経験が生きた。「リーグ戦でも戦っていて土俵際でやられた」(濁川)。終盤土俵際で百瀬に送り出しを狙われるも、終始押し相撲で優位に立ち最後は土俵の外に追いやった。決勝トーナメント1回戦では木﨑(日大)に押し出しで敗れるも調子の良さを見せた。

 主将の池尻は幼なじみの川端(日大)に敗戦したが、粘り強い相撲を見せた。「昔から一緒にやっていたので勝ちたかった」(池尻)と悔しさをにじませた。しかし、その悔しさを胸に秘め「明日は今まで16年間相撲をやってきたので全部出しきりたい」と翌日の団体戦に気持ちを切り替えた。

 2日目の団体戦の初戦は格上の近大戦。先鋒の濁川が寄り切りで勝利し、幸先の良いスタートを切る。続く二陣では池尻が、上手投げを決められそうになるも踏ん張り持ちこたえるなど、気合が入った相撲を見せるが寄り切りを決められた。中堅・武政進之介(政経2=埼玉栄)や副将・田中宏治(農4=流山南)、大将・鈴木貴勝(商2=東洋大牛久)も池尻に負けじと気迫を見せたが、紙一重で近大の選手たちに届かず1-4で敗戦した。黒星を喫したが「いろいろな大会に出てきたが今年の近大戦が一番良かった。必死に戦っていた。誰が見てもいい相撲だった」(小川清彦総監督)と今年最高の相撲を見せた。しかし、その後は勝ち切れず決勝トーナメントには進出できなかった。

 この大会で4年生が団体戦では引退となる。「結果としてはふがいない結果。しかし、後悔というよりやり切ったという気持ちの方が大きい。最後だったが楽しめた」と池尻は満足な顔を見せた。4年生は引退するが後輩には頼もしい選手が多い。今大会重要な先鋒で全勝を挙げた濁川や、9月の東日本個人体重別選手権で準優勝した2年生の武政などは来年も活躍が見込まれる。「昨年と比べて土俵上での振る舞いも良くなった」(守重佳昭監督)と今年の成長が見られた。「下級生はもっと稽古すれば勝てるという気持ちになれたと思う。優勝は遠いものではない」(小川総監督)と来年以降の期待も大きい。4年生の想いを受け継ぎ、明大相撲部は前へ進んでいく。

[西村亮哉]

試合後のコメント
小川総監督

(1日目)
「濁川本来の力とスピードが出ました。ベスト16やベスト8にいけるかなと思ったが惜しかったです。立ち会いの駆け引きで負けました。力的には十分勝てます。(濁川の)人の良さが出てしまった。全体としてはいまいちでした。自分の相手を吹っ飛ばすという気持ちが足りないです。勝ちを意識してベスト32にレギュラーが全員入れるようにしないといけません。明日は爆発してほしいです。チームの力で優勝を狙っていきます」
(2日目)
「初戦の近大戦を勝とうとしていました。いろいろな大会に出てきたが今年の近大戦が一番良かった。必死に戦っていました。誰が見てもいい相撲でした。結果としては負けてしまいましたが本当にいい相撲でした。紙一重の差でした。相手にならないのではなく五分。下級生はもっと稽古すれば勝てるという気持ちになれたと思います。優勝は遠いものではないです。あと少しが勝てなかったのは力不足なので精進するしかないです。濁川は1年の時にケガをして1年近く試合に出られなかった。その間基礎をしっかりと身につけたことで今回、スピードを生かした相撲を取れていました」

守重監督
(1日目)
「今日の個人戦の結果は勝負の時の運ということ。それでもケガから復帰した濁川が今日は決勝トーナメントに進出しました。(明日の団体戦の目標は)優勝を狙っていないチームが上に行けるわけがないので、変わらず優勝を狙って明日に臨みます」
(2日目)
「このインカレに向けて、1年間目標を設定して稽古を重ねてきました。結果はなかなか伴いませんでしたが、成果は見えました。内容は良かったです。(今日は土俵上で選手たちの気迫が見られたが)上を狙うからにはあれぐらいの気持ちがないと。昨年と比べて土俵上での振る舞いも良くなりました。一人一人が(今日唯一全勝した)濁川と同じくらいの実力があります。試合に出た選手も出ていない選手も土俵上でパフォーマンスを出せるようにしていきたいです。来年もインカレ優勝を目指します。核となる選手は全員です。総合力で勝つことを目指します」

池尻
(1日目)
「相撲人生で最後の公式戦かもしれない個人戦で負けたのは悔しいです。川端は昔から一緒にやっていたので勝ちたかったです。チームとしては一人一人がもっと上にいかないと駄目でした。明日は、今まで16年間相撲をやってきたので全部出し切りたいです。悔いのない相撲を取りたいです」
(2日目)
「結果としてはふがいない結果でした。しかし、後悔というよりやり切ったという気持ちの方が大きいです。最後だったが楽しめました。体が動いてくれました。悔いは、もっと上に行きたかったです。濁川は昨日から見ていて頼もしいと思いました。団体で上位入賞できる部になると思います。安心して引退できます」

濁川
(1日目)
「(今日の決勝トーナメント進出は)うれしいです。ケガから復帰して(試合で)2回しか勝てなかったので、今日勝てて良かったです。自分の相撲が取れました。(予選で勝った百瀬は)リーグ戦でも戦っていて土俵際でやられました。今日上がっていったら当たると分かっていました」
(2日目)
「今日は全勝して優勝が目標でした。(自分の勝利が)後にはつながらなかったですが、それでも今日勝てたことは自信にはなりました。(明大の相撲部は上の大学よりはもともとの体が小さいので)人の倍稽古して、人の倍ご飯を食べて体を大きくしてやっていかなければなりません。来年もインカレ優勝を目標にしてやっていきます」