内容で早大を上回るも決定機をつかめずドロー/関東大学1部リーグ戦

2013.11.03
 昨年度のインカレ覇者で今季のリーグ戦も2位を走る強豪・早大との一戦となった第19節。インカレ出場権獲得のためには何としても勝ちたい明大は早大に先制点を許すも前半のうちに同点とした。後半は高いボールポゼッションから早大を圧倒し、決定機を幾度となくつくるが決定力を欠き、ドローに終わった。

 チャンスを生かせなかった。明大は前半開始早々に田中慶太(経3=セレッソ大阪ユース)の落としに差波優人(政経2=青森山田)の強烈なミドルシュートと和泉竜司(政経2=市立船橋)のパスから抜け出した石原幸治(政経3=市立船橋)がシュートを放つ2度の決定機を迎えたが得点とすることができない。すると前半10分に早大がファーストチャンスをものにされ、先制点を許す。このあともお互いチャンスをつくるがゴールは生まれず、早大リードのまま前半終了かと思われた40分。中盤でボールを受けた苅部隆太郎(商3=川崎フロンターレU-18)の華麗なヒールパスから差波が相手の裏に抜け出した石原が冷静にゴール左隅に流し込み同点とした。

 あと1点が遠かった。明大は後半になると徐々にボールポゼッションを高め、早大を圧倒していく。「事前の分析で早大が崩れるのはしっかりポゼッションされて幅を使いじっくり攻められたとき」と神川明彦監督の分析通りの展開となり、高いボールポッゼンションから差波を中心に明大の持ち味であるパスワークでチャンスを何度もつくった。しかし最後までゴールを決め切れず試合終了を迎えた。早大に勝っていた試合内容での引き分けだけに、チーム最多得点の和泉は「決めないと意味がない」と淡々と今季の課題である決定力不足を嘆いた。

 決定力不足に泣かされ勝ち点3を獲得できなかった明大。「単純に最後に決められないのは力不足だった。それはもう今年のチームの課題」(神川監督)と課題は解消されぬままだが、リーグ戦は残り3試合。今季のテーマである「奪冠」への最後の舞台となるインカレ出場権獲得のためにも勝利が絶対条件だ。

[西田理人]

試合後のコメント
神川監督

「インカレ出場のためにも一戦も落とせなく、前節も不覚を喫してしまっていたので、今日は何としても勝ち点3を取りにいく覚悟で臨んだ。だけども1-1でドローということで残念。事前の分析で早大が崩れるのはしっかりポゼッションされて幅を使いじっくり攻められたとき対照的に相手がファーストチャンスで点を取っていた。はっきり言って相手はほとんどチャンスがなかった。その分、得点を先に取りたかった。でも選手たちはそこでゲームを崩さずに、粘って前半のうちに追い付いき、イーブンで後半に折り返せたのは、割り切って言えばよくそこまでは持っていった。しかしいいところまで持っていっても、フィニッシュの場面がよくなかった。後半は押し込む時間が多かったが、力的にもサッカーの性質的にも、明大が幅を使って攻撃をすればこういう展開になることはわかっていた。事前の分析で早大が崩れるのはしっかりポゼッションされて幅を使いじっくり攻められたときとわかっていた。単純に最後に決められないのは力不足だった。それはもう今年のチームの課題。今季のリーグ戦は引き分けがとても多い。勝ちきれない要因が解消し切れないまま、ここまできている。次節は降格争い中の順大。相手も必死にやってくるだろうし、システムを4-3-3と割と関東にはないチーム。ボールのつなぎ合いになると思うが、厳しいディフェンスからボールを奪い、幅を使いしっかりと崩して点を取りたい」

三浦龍輝(商3=FC東京U-18)
「立ち上がりに失点してしまったのは反省すべきだが、試合を通して自分たちのサッカーができたのは良かった。あとは細かいところのミスなどを、チームで突き詰めて減らしていかなければならない。特に早大相手だと力があるので、そういったことが負けにつながる。ビルドアップでは選手たちの距離感を意識した。離れすぎず近づきすぎずに、足元だけではなくうらも意識してパスを回した。早大が縦に放り込んでくるというのは分かっていたので、一緒に蹴るサッカーをせずに、後ろからボールをつないで崩せば勝てる自信はあった。残り3試合しかないので、内容も大事だが勝つということにこだわっていきたい」

和泉
「内容的には入りも良くて、いい試合したと思う。しかし最初決められるチャンス決められなかったり、最後ゴール前の精度が低かったので、2、3点は取れたなと思う。個人としては、精度などを高め、自分が中心となって攻撃つくらないと駄目なので、責任を持ってやらないといけない。失点してから落ち着いて自分たちのサッカー取り戻して、後半もそのまま維持できた。残り10分、5分まで良かったが、そこで決めないと意味がない。最後の部分をもっとみんながこだわらないと、最後は必死になってくる相手を崩すことかできないと感じた。早大は中には強いので、幅使って攻撃しようというのをミーティングでも言っていたので、その幅を使いながらも中も使えていたので、そこは良かったです。最終的に決めるか決めないかなので、最後の精度っていうのが本当に大事と感じた試合でした。チームは良くなってきていると思うので、それは崩さずに、でもまた前節と今節、いい試合しながらも負けと引き分け。そこはどこか甘さや弱さっていう部分があるから勝ててないと思う。そういう部分を普段の練習から、細かいところをつきつめていくことが試合の勝利につながると思うので来週からまたみんなでしっかり取り組んで、次は勝てるように頑張りたいです」

差波
「右サイドバックの室屋(政経2=青森山田)とは、高校の時から一緒で、スルーパスを通すプレーは2人で意識してやっていて、中から崩そうと話している。それが公式戦で出せたことはうれしい。テンポよくボールを放すことで、真ん中を開けてそこでドリブルしていくことを意識したけれど、まだ精度が低いなというのを感じる。今日は早大相手だったが、早大も優勝争いを懸けていて、うちも残留に向け少しでも点が欲しい中こういう試合になることは想定していたし、ポゼッションもうちの方ができていたと感じるだけに悔しい結果だった。最後のフィニッシュであったり、パスの精度はまだ低いなと感じるのであと一週間ではあるがつきつめていきたい」