初の全国の舞台で6位/信夫杯争奪日本女子大学対抗戦

2013.11.03
 自分たちの力は出し切った。平成元年女子部創部以来、初出場となった信夫杯で6位に入った。全国の舞台で今年度成長を遂げたチームが集大成のプレーを見せた。

 初日よりもスコアを4つ伸ばし、全国で6位。関東からの出場4校の中では3位に入った。全国から10校しか出場できない信夫杯に初めて出場し、山本気恵(営1=米子北斗)は「全国のレベルの違いを感じた」。蛭子佐智(商3=拓大紅陵)も「全国には色々な人がいて、攻め方も違っていた。見習う点も多かった」と普段で感じられない貴重な経験を得た。

 偉大なエースがチームを去る。4年生の佐藤千紘(商4=日大高)はこの大会でゴルフ部としての活動は最後となった。最終ホールでは「手が震えた」とアプローチをグリーン奥まで打ち込んでしまった。それでも立て直し、最後のパットを決めるとほっとした表情を見せた。「4年間でやるべきことはできた」。入部当初はB、Cブロックを行き来していたチームだった。だが、日本女子学生で2年連続2位に入った実力を団体戦でも発揮。また、主将として時には厳しい言葉でチームを鼓舞した。今年は春にAブロック昇格を果たし、秋には全国の舞台までたどり着いた。下級生も口をそろえて「完璧な先輩。とても大きな存在」と話す。朝日杯、信夫杯では思うような結果が残せなかったものの、4年間でチームにもたらしたものはとても大きい。「長いようで、短い4年間でした」。部のさらなる発展を後輩に託した。

 次は新たなチームで来春のAブロックリーグ戦を戦う。来年はエースが抜ける、しかし、今年は1年生が台頭し、徐々に戦力は整いつつある。来年度は佐藤千の意志を受け継いだ後輩たちが、さらに成長した姿を見せる。

[石渡遼]

佐藤千
「最後のホールは手が震えてしまい、ボギーと悔しい結果でしたが、4年間でやるべきことをやったなという気持ちです。スコアとしては伸び悩んでいますね。締りのないまま大会に入ってしまい、ゴルフの調子も良くないまま、打つことが精一杯な感じでした。今年の1年間はとても神経を使いました。もう1年しかないという気持ちと、あと1年あるという気の緩みと両方ありました。就職したら楽だけど、プロテストという目標に向けて4年間やってきたので、どちらかというとプロテストへの気持ちが強かったかもしれません。チームについては、まだ80を切れない人もいるので、いろんな意味で裏切らないですね(笑い)。でも私が入った頃から比べると、こんな舞台に連れてきてもらって戦えることに感謝しています。どんな気持ちでAブロックに上げたのかというのをみんなは分かっていると思います。まだまだ2日目にして気合いが入ってきたように、火が付くのが遅いので、みんなに気合いを入れられるような選手が出てきたり、入ってきたりしてほしいですね。明治がここまで上がってきたことで、周りには驚きというか悔しい気持ちもあると思います。打倒明治でやってくると思うので、厳しい戦いはこれからも続くと思います。後輩には頑張れとしか言いようがありませんが、昨日のミーティングでいいところはほめて、悪いところはけなして、みんな涙しながら話を聞いてくれました。本当にやって良かったと思います。初めての全国で2日間戦えた経験は貴重なことなので、今後に生かしてほしいです。私個人としてはパッとしない高校時代の成績で明治に入って、レベルが低いと言われるかもしれませんが、学生で出られる試合は全部出たので、出たくても出られない人がいる中では良かったです。長い4年間のようで、短い4年間でした。11月からプロテストが始まります。これから先もゴルフができることはうれしいことですが、それだけで生きていくことに不安もあります。一つ一つ順位を上げて合格したいです。この4年間を一言で表すなら『忍耐』だと思います。2年連続日本学生で2位になったことは、私自身はあまり気にしないようにしていましたが、周りの方からの期待は大きくて苦しかったです。でもOBの気持ちの強さを感じることができたので、そこは六大学の誇りというか、六大学にいることの幸せを感じられました」

古橋みづき(政経3=明大中野八王子)
「昨日から全部が悪循環でした。それを引きずってしまい、今日のプレーにつながってしまいました。夜に監督と話をして、精神面の気持ちの保ち方について教えていただきました。ダブルボギーをたたいたり、5パットをしたりしてもあきらめずに、と言われたので今日はそれだけを意識していました。結果最後の3ホールで2バーディでき、そのアドバイスのおかげだと思います。ショットは良くありませんでしたが、気持ち的には我慢できました。今まではミスをするとすぐ落ち込んでしまい、引きずっていたのですが先輩や監督に指摘され前を向いて歩くことを意識しました。今年1年を振り返って、個人戦では結果が出ませんでした。夏が過ぎてから調子があまり上がりませんでした。日本学生に出場できず、落ち込んで練習できなかった時期もあったので少し後悔もしています。来年のシーズンが始まるまで全てをかけて練習します。来年は個人でも日本学生、団体でもまた全国で勝負したいです」

蛭子
「1日目は落ち着いたゴルフができました。ただ、今日は自分の調子が最後までつかめませんでした。流れも悪かったので悔しいです。全国の雰囲気を感じることができたのはとても良かったです。今までは関東だけだったのでいろいろな人がいて、攻め方も違ったり見習う点が多かったです。佐藤さんはお姉さんのようなお母さんのような存在。エース兼キャプテンで完璧な人でした。来年は一丸となっていい部活に自分がしていきたいです。シーズンオフの期間は来年のプロテストに向け、トレーニングしていきます。マネジメントも学んで成長していきたいと思います。自分が引っ張っていけるように頑張っていきます」

山本
「朝日杯から調子は良くありませんでした。今日は何とか回れたのですがチームに迷惑をかけてしまいました。今日はショットが悪かったです。アプローチもあまり良くありませんでした。ただ、全国にこうして出場できたのは良かったです。レベルの違いを感じました。また来年帰ってきたいです。佐藤さんは大きな存在でした。今日で最後だったのでなんとかいいプレーをしたいと考えていました。来年はまずはレギュラーを守りたいです」

中田綾乃(商1=盛岡中央)
「全然チームの力になれませんでした。精神的にこらえられませんでした。団体戦になると、どうしても足を引っ張ってしまうことを考えてしまい、余計に緊張してしまいます。1年目で信夫杯に出場できたことは今後につながると思います。佐藤さんは尊敬しています。どんなに調子が悪くてもチームを引っ張る姿勢には頼もしさを感じました。オフの期間はまず体力作りから。個人で全国に出て、団体ではチームの力になりたいです」