3年ぶりに中大から白星奪う 早大との優勝決定戦へ/秋季関東大学男子1部リーグ

3年越しの勝利に喜びがはじけた 左から大塚、鎌田
序盤から明大のペースを貫き通した。「今日はスタートが良かった」(新貴裕・営4=石川県工)と新の好サーブで5連続得点し9―3と大差を付けると、その後も中大の追い上げを許さない。杉本匠(政経3=聖隷クリストファー)のレフトからのクロス攻撃や新のツーアタックが決まり、このセットを25―16で先取した。
終盤に粘り強さを見せた。第1セットとは変わって拮抗(きっこう)した展開が続く。大塚、飯塚渉太(政経4=相馬)による時間差攻撃で着実に点数を稼いだがミスも目立ち、15―16と逆転を許す。しかし中大に流れは渡さなかった。タイムを取り流れを変えると「取らないといけない点を取ることができた」(佐藤拓真・政経4=山形南)と杉本のライトからストレートのコースを突いたスパイクが決まり3連続得点、21―20と再び逆転する。そのまま流れは変わらず、最後は飯塚のコートに突き刺さる強烈なスパイクで25―23とこのセットをものにした。
喜びが爆発した。序盤から中大に3連続得点を許し、5―8とリードを許す。苦しいままゲームが進んだが「雰囲気はそんなに悪くなかった。終盤で勝負をかけようと考えていた」(大塚)。言葉通り、17―17の場面で飯塚のブロックが決まり逆転すると、鎌田将人(法4=城山)が「チームを盛り上げて、得点を取りにいこうと思った」(鎌田)とブロック、センターからのクイック、サービスエースと連続して得点を稼いだ。最後には飯塚がライトからスパイクを決めると、拳を大きく突き上げた。
あと一勝だ。9勝1敗で単独首位に立つ明大。勝てば優勝、敗れると9勝2敗で早大と並ぶがセット率で早大が上回るため早大の優勝となる。明大の優勝の行方は“明早戦”に委ねられた。「必ず優勝する」。全員の力を結集し、一戦に全てをぶつける。秋の関東一を決める場で、もう一度幸せを味わう。
[長堀笙乃・板橋洋子]
試合後のコメント
大塚

チームの大黒柱・大塚
「勝てて良かった。今日は出だしがすごい良かったから、チームとしてもすごいいいスタートを切れたかなと思う。(順大戦は)うまくいかないなって感じたし、やっぱり自分たちの現在地がそんなに強くないというか、過信している部分をもう一回見つめ直すいい機会になった。けれど負けは負けだから何の言い訳にはならないし、これからの反省に生かしていければと思う。新と渉太がケガしていて、なかなか練習もがっつりできなかったし、調整しながら調整しながらやってきたから、ちょっとうまくかみ合わなかったかなと。それが出だしに出ちゃったかな。(飯塚は)昨日までもそんなに良くなかったけど実際は。でもやっぱり今までずっとやってきているから、いざ試合でうまくやっていく中で、考えないようにやっていくと、いつも通りはまっていくのかと。(2人の存在は)みんな大きいよ。出てるメンバーじゃなくたって。(3セット目は)競っていたけど、自分たちの中では余裕を持ってやっているように見えたし、雰囲気はそんなに悪くなかった。終盤で勝負をかけようと考えていた。(鎌田さんの活躍は)あいつ自体最初から調子崩していたんだけど、立て直すいい機会だったと思う。(あと一勝で優勝が決まりますが)まだ取ってみないと実感が沸かないので、まずは明日勝ちたい。(明日の早大戦は)お互い攻撃の手や戦い方が分かり合っている相手なので、そう簡単にはいかないと思う。ただやっぱり明治らしく最後まで、相手が早稲田っていうのもあるけど、明治らしく戦いたいと思う。(明治は早稲田キラーですよね)そうか分からないけどね。笑い 中大は自分が1年の春に勝って以来勝っていなかったから。そういうこともあるから分からない。負けたくないよね。みんなが1人1人考えてやってくれているから、そんなに何かしてるわけじゃなくて。みんながうまく意図を汲み取ってそれぞれ役割を果たしてくれているから、そういう意味では、チームになってきているのかなとは思う。あと二冠取って、(東日本インカレと合わせて)三冠目指す」
新
「疲れた。でも明日もまだまだいける。今日はスタートが良かったからそのままいっただけ。自分の調子も良くてしっかり打たせることができて、その中でツーアタックで得点をうまく稼げた。速攻攻撃はあまりせず、確実に得点できるようにサイドに回すようにした。それによって、流れをつかむのと全体の調子を上げるのはできたと思う。速攻はここだとふと思ったときに使った。ボールが手元に来たときに、感覚で相手が考えてるところを読んで振っている。基本上げるところは偏らないようにして、その中で速攻を2本続けて上げたりするけど感覚自体はいつも同じ。1番はチームの調子で上げるところを変えている。今日の中大は自分が予想していたメンバーとは違っていて、やりづらい選手が出ていなかったからやりやすかった。今日は鎌田があまり調子が良くなかったけど、他でカバーできたから勝てたと思う。明日も対策はするとは思うけど、自分たちのプレーができれば勝てると思うし、負けるのは嫌いだから勝てたら良いと思っている」

全員で勝利をつかむ
飯塚
「いい感じに回って良かったと思う。勝つか負けるかによって順位が変わるということで、勝って良かったと思う。順大にいい感じでボロボロにさせられたので、いい感じのきっかけになった。切り替えはしなかった。その日はその日だってことで、どうせ考えたって始まらないし、割り切ってやっていった。(残り早大戦ですが)やり切るより楽しむですね。(ケガは)大丈夫じゃないですか、多分。飛べてますし。結果は明日になれば分かる。明日勝ったら優勝だし、負けたら優勝じゃないってことで。楽しみましょう」
鎌田
「先週があまり良くなかったので、その分スタートから気を引き締めてやっていこうという話もしましたし、そういうふうになっていたと思う。優勝も懸かっているので。さらに最後のリーグ戦なので。その分気持ちはありましたね。体と心が追い付いたかなという感じで。先週は本当に駄目だったので、チームに迷惑を掛けたなと。そこがあって頑張れたのは良かった。(順大戦は)相手どうこうというのもあったのですが、自分たちが自分たち通りできなかったのが一番良くなかった。なんでこうなるのかな、という話もしたけど理由も分からなくて、だけどやっぱり色々とあってやってきたのもあって、今日までの一週間はすごい意識して盛り上げたり、チームを意識して試合に臨むようにした。だけどあの一戦は無駄じゃなかったかな。負けて気付くこともありましたし、ポジティブに捉えた。皆この二戦勝てば優勝だということ、最後のリーグ戦だということも分かっている。でもそれは口には出さないので、雰囲気で分かるというか、4年生は分かるので。そういう意識を1人1人が持ってできたというのが良かったと思う。最後のリーグ戦だ、とか勝てば優勝だとか、そういう一言は口に出さなくても皆が分かっている。皆本当に口で言わない。取材だから言うけど、皆心の中で思っていて。最後だから頑張るんじゃなくて、今までやってきたことを最後に出すっていう意味での最後だと思っている。(4年生の存在は)大きいと思いますね。意識したことはないですけど、でもやっぱり仲がいいのが一番だと思うので。仲が良すぎず距離が保てて良かったかなと。まだ終わっていないので、振り返れないんです。まだ全然意識していない。これで最後だとか、4年生で良かったなとか、全然思っていない。けれど同じバレーボールやる仲間としては良かったなと思う。(3セット目は)初めは僕のせいなので、だから最後に必死になった。とりあえずチームを盛り上げて、得点を取りにいこうと思った。本当に迷惑を掛けちゃったので、僕のせいだとベンチでも言われたので。だからそこで落ちちゃいけないので、そこは自分との戦いに勝つんだと、自分に負けずやり切ることを頑張った。(早大戦に向けて)意識はせずに、勝ったら優勝ですけど、必ず優勝する。優勝っていう言葉を心に秘めておいて、勝った時にこれが叶えばいいので、普段通りいつもの明治以上のものを、それを持続させて最後なので。そこは本当に自分たちらしく終われれば、そこに勝ち負けが付いてくるので、自分たち終われれば、自分たちらしさ以上に終われれば絶対勝てる。そこはそのための準備をこれからミーティングして、気持ちを向上させてやっていけばいいです」
佐藤
「始まる前から周りが勝つ一体感があって、それを試合で表現できた。これまでの1週間の最初は優勝を意識して浮き足立っていて、悪いような雰囲気もあったけれど、だんだん地に足をつけて、これまで通りの明大のバレーをできるようになった。2セット目は後半まで食らいついて、ひっくり返そうと思っていた。20点前後で出せて、集中するところは集中して、取らないといけない点を取ることができたのがよかった。今日はブロックが決まったが、ブロックが自分の仕事なので、チームに貢献できたのがよかったし、明日も決めたい。リーグ戦最後だが、自分たちのバレーをすることだけを考えて、チャレンジャー精神で、泥臭く、粘り強く、一体感を持ってやっていく。うちにしかできないバレーができれば結果はついてくる。優勝したい。意識はしないで、自分のやることに集中する。早大も波に乗っているので、しっかり対策して、自分たちのできることを集中してやる。去年全カレが終わってから4年生が中心にやってきたことは間違っていないと思うし、やれば優勝もついてくると思うので、出しきって勝ちます」
武田友和(文4=日向学院)
「陸をはじめ4年生、後輩たちが1つとなっていい環境で戦えている。うちは雰囲気がいいし、負ける気がしない。やっていて本当に楽しい。劣勢になった時に陸と杉本の頼れる2人がいる。皆輝いている、本当に。明日は勝つだけ」
杉本
「今日は自分がチームを初めから引っ張ることができた。途中苦しい場面がいくつかあったけど、ちゃんと我慢してセットを取れたから理想的な試合だった。2セット目ブロックに捕まったときはもともと2枚ブロックの内側の脇を狙っていたけど、そこの選手が一番ブロックがうまい選手で甘く入った自分のスパイクが押さえられてしまった。止められたら止められたでしょうがないし、すぐに次に切り替えるようにした。自分は簡単なことでも難しく考えてしまう癖があるので、それを取っ払ってミスは考えないようにした。2本、3本ミスが続いたらさすがにへこむけど、1本ならあまり気にしないようにしている。自分で言うのもなんですが、今日は良い仕事したと思う。だから、序盤で自分のところに多く集まってきたから、相手も自分のことを意識してると思うし、自分がマークされているのを新さんも分かっていた。他の人にボールが回っていたから自分としてはブロッカーを散らすようにしていた。スパイクはほぼ満点だったんですけど、後ろでのプレーには課題が残った。レシーブやサーブカットでしっかり拾って、前だけでなく後ろからでもチーム全体のサポートができたら良い。これまで何度もリーグ戦ではヤマ場を迎えてきてきたとは思うけど、それでも結果はきちんと残してきたから勝ちで終わりにしたい」
瀧野頼太(政経2=創造学園)
「今日は優勝が懸かっていたけれど、1人1人が気持ちが入っていてよかった。優勝の意識はある。でも決まったわけではない。分たちのバレーをやれば自然と結果はついてくる。1戦1戦やっていく。この1週間は中大対策と、コンディションの調整をした。メンタル的には普通通り過ごした。今日はこっちが乗っていたし、相手のエースがいなかったからラッキーだった。やってていける感じはあった。2セット目はこっちのミスとかが続いて、1セット目とは違った。タイムを取って、意識が変わって、流れを変えることができた。今後チャンスがあるか分からないので、ここまで来たら優勝して、全カレに向けていきたい。早大戦という意識はないが、自分たちのバレーができれば勝てる。全カレではないけれど、4年生のために優勝できればいい」
関連記事
RELATED ENTRIES