優勝逃すも来季に向け手応え/全日本新人選手権

2013.10.29
 全日本選手権から2週間という短い期間で編成され、スイープ(大きいオールを1人1本持ってこぐ種目)未経験者もいた男子エイト。しかしオフも返上し練習を重ね「練習やレースごとでとても成長を感じた」(中村裕喜・法2=宮津)と力を伸ばした。決勝は早大に離されたが、終盤の一橋大との2位争いを制しフィニッシュ。「本当は勝ちたかった」(小林剛大・商2=西岡南)と悔しさをにじませるも昨年の3位から一つ順位を上げ、選手たちは充実感をうかがわせた。
 女子舵手付きクォドルプルはインカレ、全日本選手権で敗れたライバル・早大にまたも及ばなかった。スタートで先行を許すと、最後まで前に出ることができなかった。クルーリーダーを務めた冨田千愛(政経2=米子東)は「思い切ってスタートで前に出て行く精神面」を課題に挙げる。それでも「今できるベストなこぎだった」(大久保早紀・営1=熊本学園大付)と力を出し切った。

 これで今季の公式戦はすべて終了した。冬季練習では「パワーをつけていく」と選手は口をそろえる。今年のインカレは総合優勝を逃すも、舵手なしフォアが男子部として9年ぶりに優勝。女子部も好成績を残し、確実に力をつけていることを示した。来年は一冬を越えてさらに進化した明大端艇部を期待したい。

[坂本寛人]

試合後のコメント
<男子エイト>
中村裕喜(法2=宮津)
「クルーを組むのが全日本選手権の後で、スイープ未経験者もいて不安があった。基礎から2週間で仕上げていかなければならなかった。練習やレースごとでとても成長を感じた。昨年は3位だったので2位という結果は下級生のポテンシャルを感じる。目標はなく、とりあえずいいこぎをしようと思った。未経験の強風でふらついて失速してしまった。個人的には昨年12月に骨折して今シーズンはもうだめかなと思ったが、試合に出れていろんな舟に乗ってインカレ入賞ができたのでいい経験ができた。冬季はパワーをつけていって体力を補うようにしたい。新人戦で順位が上がったので今の明大には勢いがある。来年は最初のお花見レガッタから全部勝つつもりでやっていきたい」

小林剛大(商2=西岡南)
「例年より全日本選手権から2週間しか期間がなく、3人がスカル組で時間がない中、気合いもあってオフも返上して2位という結果になれたのは良かった。スカルの1年生2人が死ぬ気で頑張ってくれた。不安だらけで練習でタイムを測っても良くなく焦りがあった。大会2日前から変わり始めて1本こぐことに成長を感じられた。本当は勝ちたかったが反省点として次につなげたい。今年は日立明、インカレ、全日本とメダルに近いところまでいけてレベルアップできたと思う。今回クルーリーダーとして引っ張ってやれたのはとてもいい経験になった。来年は上級生になるので少しでも明治のためにやる。パワーが少ないので、持久力とパワーをつけたい。足りないところは分かっているので補強していきたい。今シーズンは優勝できなかったので、来シーズンこそは金メダルをとりたい」

野原啓(法2=美方)
「始めこいだ時は全然合わなかったのですが、予選のこぎはよくなったので、決勝もいけるかなという感じでした。スタート500mをとってそのまま差を広げていくということが目標でした。(インカレ、全日本で)決勝で2回こがせてもらったので、雰囲気とかに戸惑うことなくレースに向かえました。3年生に見てもらってこぎのずれなどを指摘してもらいました。今後の課題は、最初にスタートをしっかりとって、他の大学を寄せ付けずに中盤も攻めていけるようにすることです」

<女子舵手付きクォドルプル>
冨田千愛(政経2=米子東)
「それぞれのクルーに担当の先輩がついてくれて、自分たちがこいでいるときに自転車で並走して声をかけてもらったりしました。今回のクルーでインカレ、全日本とクォドに乗ってきたのは自分だけなので、先輩方から教わった技術を他のクルーに伝えていくことができました。スタート500mで早稲田が出て、その差を途中縮めたのですが結局抜けず、負けてしまったので悔しいです。今後の課題は思い切ってスタートで前に出て行く精神面と、それだけのパワーをつけていくことです。最初で勝負できるように冬季はウェイトやエルゴなどパワーを鍛えるメニューを取り入れて行こうと思います。スコアを上げて春からはスタート500mでトップをとれるようにしたいです」

大久保早紀(営1=熊本学園大付)
「早稲田に出られて、途中つめたけどつめ切れなかった。そこでもう1回勝負を仕掛けられなかった。でも、全力を出し切れたし、今できるベストなこぎだった。500mで出るのが目標で、相手の背中を見てやろうと言っていた。前に早稲田と並べた時も、スタートで飛び出されてしまっていた。(1年生は)エイトでも今回のクォドでもチャンスを与えてもらって、期待を感じるというよりは、ちゃんとその思いに返していこうという感じ。今日のこの思いを忘れずに、これからどうつなげるかかが大事。オフは陸トレなど基礎的な練習になると思う。試合もなくて、気持ちが高まりにくいけど、お互い励まし合って乗り越えていきたい」