主将、副将がスタメンに復帰し日体大に完封勝利/関東大学対抗戦

2013.10.21
 主将、副将の復帰戦を見事な完封勝利で飾った。試合開始前から大粒の雨降りしきる難しいコンディションとなったこの試合。10-50と大差で敗れた筑波戦からディフェンスを修正し、大量得点とはならなかったが相手をシャットアウトした。
 「ディフェンスが崩れなかった」と開幕からの2戦連続完封と同様の守備網を作ったことを丹羽監督は評価。春から丹羽監督の言う「低く前に出るタックル」も筑波大戦に比べ多く見られた。試合を通して、ボールキープされる場面もあったが肝心のトライだけは奪われなかった。一方で、得点に関しては開始3分に先制してから、追加点を奪ったのが前半終了間際。「BKラインが余っていたことで回しすぎた」と試合前半中盤でのエリアマネジメントに丹羽監督は苦言を呈した。それでも、ハーフタイムに修正し後半は5トライ。11分にラインアウトでスローワーのHO牛原寛章(政経3=佐賀工)が、リターンパスからタッチ際を抜けてトライするなどこの日2トライ。さらに、対抗戦初出場初スタメンながら右FL上田宥人(政経2=東海大仰星)も2トライを奪った。筑波大戦では安定しなかった、ラインアウトやスクラムといったセットプレーでも優位に試合を運んだ。

5カ月ぶりの同時スタメン
 ケガで対抗戦の舞台を離れていたNo.8圓生正義主将(政経4=常翔学園)と副将の右CTB西村雄大(農4=高鍋)が出場。二人そろってのスタメン出場は春季大会の拓大戦以来、約5カ月ぶりとなった。さらに、圓生はこの日が秩父宮で行われる対抗戦の出場は入部以来で初めてとなった。丹羽監督が「試合を通して使う」と次戦の慶応戦を見据えて試合勘を取り戻すために二人ともフル出場させた。圓生は「膝の状態も良かったので思い切り行った」と開始早々の先制点を奪う活躍。チームリーダーとしての存在感も見せつけた。今季、対抗戦初出場となった副将の西村もボールが回ってくる機会は多くなかったが、要所で持ち前の体の強さを披露。2年生からスタメンに定着している経験が、下級生の多いチームにもたらす影響は大きい。終盤には、FWの攻撃にも参加するなど本来のBKだけでなくFWにも好影響が及んでいる。本調子ではないものの「少しづつゲインできるようになってきた」と丹羽監督も状態が上がっていると評価。対抗戦の後半に向けて頼もしい二人が帰ってきた

 筑波大戦で崩れたディフェンスを修正できたことに加え、主将や副将、さらには右PR須藤元樹(文2=国学院久我山)など主力がケガからの復帰を果たした。また、現在離脱中のSH山口修平(政経4=佐賀工)やLO比果義希(文4=京都成章)のFW・BKリーダーの復帰も、次の慶応戦を目標に検討されている。優勝へ向け、1敗も許されない状況の中でついに好材料がそろってきた。

[今野春佑]

◆対抗戦 対日体大戦の先発メンバー&リザーブ◆
1.PR 勝木 来幸(営3=常翔学園)
→17.植木(後半26分)
9.SH 浦部 岳之(法2=桐蔭学園)
→21.加納(後半36分)
16 橋口 敬生(政経4=長崎南山)
←2.牛原(後半39分)
2.HO 牛原 寛章(政経3=佐賀工)
→16.橋口(後半39分)
10.SO 田村 煕(営2=国学院栃木)
→22.茂木(後半26分)
17 植木 悠治(政経2=常翔学園)
←1.勝木(後半26分)
3.PR 須藤 元樹(文2=国学院久我山)
→18.松波(後半26分)
11.WTB 紀伊 皓太(文2=日川) 18 松波 昭哉(政経3=東福岡)
←3.須藤(後半26分)
4.LO 寺田 大樹(文3=秋田工) 12.CTB 川田 修司(情コミ2=桐蔭学園)
→23.佐藤滉(後半18分)
19 大椙 慎也(法3=国学院久我山)
5.LO 東 和樹(政経2=京都成章) 13.CTB 西村 雄大(農4=高鍋) 20 田中 健太(営2=大阪桐蔭)
←7.桶谷(後半18分)
6.FL 上田 宥人(政経2=東海大附仰星) 14.WTB 小澤 和人(営4=国学院久我山) 21 加納 遼大(文3=常総学院)
←9.浦部(後半36分)
7.FL 桶谷 宗汰(営1=常翔学園)
→20.田中健(後半18分)
15.FB 松浦 康一(政経2=佐賀工) 22 茂木 直也(商4=深谷)
←10.田村(後半26分)
8.No.8 圓生 正義(政経4=常翔学園) 23 佐藤滉貴(営4=札幌山の手)
←12.川田(後半18分)

試合後のコメント
丹羽政彦監督

「前半の入りはトライも取れて非常に良かったのですが、そこから前半終了までの流れが悪かったです。そういった中でも、相手を0点に抑えディフェンスが崩れることがなかったのは評価できます。雨が降っていて中盤の戦い方を意識していたのですが、アタック時にラインが余っていたので積極的にボールを回したことから得点が止まってしまいました。圓生もようやくNo.8に慣れてきて、チームリーダーとして周りをしっかりまとめています。西村もディフェンスも頑張っていましたし、すこしづつゲインできるようにもなってきました。チームとしてラインでのディフェンススピードを上げるなどまだ課題はありますが、徐々に形ができてきました。例年、明治はアタックチームですがしっかりとしたディフェンスも今年は重点を置きたいです」

No.8圓生正義主将(政経4=常翔学園)
「中盤でのミスがかなり目立ちました。ハーフタイムに修正できたのは良かったですが、上を目指すためには前半のうちに自分たちで修正できるようにならないといけません。個人的に足のケガの心配がなくなり、接点に粘りが出てきたり積極的に行くことができました。秩父宮に初めて出場したので出遅れてしまった分を取り戻したいです。ゴール前で取り切れるだけの力をもっとつけるという個人的な課題も見つかりました」

左FL上田宥人(政経2=東海大附仰星)
「雨だったけど、敵陣に入ったらフォワードで取り切ろうとやっていた。(2本挙げたトライについて)1本目は自分から取りにいった。2本目は指示通りに動いて決めたトライだった。フォワードにこだわって動けたと思う。今日の試合はシンプルにトライを取れた。でも雨だったということもあるけど、パスミスなどが多かった。小さいミスが大きなミスにつながるので、しっかり反省していかなければいけない。次の慶応戦は厳しい戦いになると思う。日体大戦での反省を生かしてしっかりやっていきたい」

SO田村熙(営2=国学院栃木)
「自分のキックの精度が低く、流れが悪かった。チームとしては良かった。ブレイクダウン改善でき、接点でも入れた。 無失点に抑えたことはディフェンスの良さが表れていると思う。ボールセキュリティーが大事だったが、雨の影響で明治も日体大も難しいところがあった。点差は そんなに開かなかったが、いいゲームだったと思う。筑波戦後はシーズン中なのできつい練習も大事だが、プレーの精度やコミュニケーションを集中してやっ た。次は慶応も絶対に負けれないと思うし自分たちも同じ。ここで勝つか負けるかで今後のシーズンが大きく変わるので、集中して分析して良いところを伸ばし 悪いところを修正してやっていく」

右CTB西村雄大(農4=高鍋)
「ミスが多かった。自分たちのミスで自滅してしまった感じ。(後半に立て直したが)前半は中途半端なプレーが多かった。パスの精度や陣地取りの部分を見直したので後半はトライを増やせた。(復帰戦となったが)今日はいい形でボールをもらうことが少なかったので、何とも言えないです。でもケガすることなく80分間プレーし続けられたことはよかったと思います。(慶応戦に向けて)チームとしては今までやってきたことをやるだけだと思う。個人では縦へのプレーを突きつめていきたい。タックルの部分でもまだ中途半端なタックルもあったので修正していきたい」

左CTB川田修司(情コミ2=桐蔭学園)
「雨ということもあってミスが多くなってしまった。地域を取るということを意識していた中で、前半は良くなかったが後半から良いテンポで敵陣でやれて良かった。(前半取りきれなかった要因は)ラインが浅かったり、孤立してしまう部分があって、ミスで終わってしまった。ラインを深くして、FWのピックアンドゴーで孤立してる部分があるので、そこを修正して慶応戦に向けて頑張っていきたい」

FB松浦康一(政経2=佐賀工)
「久しぶりのAチームの試合だった。コンディションが悪いというのもありましたが、全く何もできなかった。キックでエリア取っていこうと思ったんですけど、キックの精度もあまり良くなくて、田村に頼ってしまった。(前半は)BKのミスが多かった。エリアをうまく取れなかった。(後半は)ハーフタイムにロッカーでもっと敵陣に入っていけと言われたので、自分がボールを持ったらキックで敵陣に入ろうと心掛けた。FWで勝っていたのも要因だと思う」