早大の壁を越えられず3位に終わる/東日本大学選手権

2013.10.14
 府立連覇へ向け弾みをつけたいところだったが、準決勝で宿敵・早大に敗れ、3位に終わった。

 春の雪辱を果たせなかった。5月に行われた東日本大学リーグ戦で3連覇を阻んだ早大が再び明大の前に立ちはだかった。先鋒(せんぽう)の石田圭吾(文2=大商大堺)は開始15秒で幸先良く一本を先取する。しかし、直後に同点とされ「経験の差が出た」(高村潤監督)と善戦するものの二本目を奪われ敗北。次鋒(じほう)と参鋒(さんぽう)も勝ち星を挙げることができず、明大は早大の勢いを止められない。後がない状況で中堅としてマットに立ったのは大貫洋平(文3=東海大相模)。一本を先制され、苦しい展開を強いられるも、残りは2分。何とか後続に望みをつなげたい大貫は、得意の突きで攻め続けた。それでも勢いに乗る早大には届かず、試合終了間際に二本目を奪われてしまった。ここで0―4となり明大の敗戦が決まった。悔しさの残る試合となった。「4敗目はしたくなかった。流れを変えられず、チームに申し訳ない」(大貫)と表情はさえなかった。だが、副将の片山一騎(法2=大阪桐蔭)は緊迫した展開の中で残り30秒、胴蹴りを決めそのまま逃げ切った。続く大将の大石健作主将(文4=初芝立命館)は胴膝蹴りで先制。その後、追い付かれてしまうが、面膝蹴りで二本目を奪取し2―1で勝利。最後に意地を見せた。初戦と2回戦は共に7―0、3位決定戦の専大戦では6―1と圧倒的な力を見せていたが「早大が強かった」(高村監督)と強豪の壁を越えることはできなかった。

 この日は団体戦だけでなく東日本大学形選手権も行われ、大貫が3連覇を達成した。「しっかり集中してできた」(大貫)とその美しい形を披露した。

 最終目標である府立まで、残された時間は約1カ月。「強い気持ちが必要だった」(高村監督)、「気持ちが強くなれていなかった」(大石主将)と精神面での課題が残った。練習を積み、突き進むしかない。

[西村典大]

試合後のコメント
高村監督

「悔しい。(早大戦の)先鋒(せんぽう)戦はいい勝負だったが4年と2年の経験の差が出た。全体的に準決勝、決勝の舞台でも積極的に勝ちにいくようなもっと強い気持ちが必要だった。早大には気持ちで負けていた。早大が強かった。具体的な欠点も見えてきので、府立では必ずリベンジをする。後1カ月しっかり練習して必ず勝つ」

大石主将
「勝てるチームの雰囲気を作れていない。練習で自分を追い込めていなかったので、気持ちが強くなれていなかった。やっぱり練習が甘かった。残りは1ケ月だから自分の経験していることを伝えていきたい。春もこのままではいけないことは分かっていた。甘さしかなかった。これからは勝つために最善を尽くしていく」

大貫
「形で優勝できたのは素直にうれしい。2連覇していたので、今回は3連覇しか狙っていなかった。周りからは3連覇できると言われていたけれど、本番は何が起きるかわからない。その中で、しっかり集中してできたと思う。(団体戦では)初戦は形の大会直後で、十分なアップができていなかった。でも、自分が思っていた戦いができた。早大戦は自分が負けたら終わりの場面で気負いすぎたというか気持ちが入っていなかった。やっぱり4敗目はしたくなかった。流れを変えられなかったのでチームに申し訳ない。府立は去年、優勝しているけれど、このままでは厳しい。優勝のためには全ての底上げが必要。2連覇というのは明治の特権なので、追われる立場よりはチャレンジャーとしてやっていかなければいけない」

片山
「無念の一言。優勝を狙っていたのでこの結果には全く満足していない。当たった相手には誰にでも勝つ気持ちでやった。残り1カ月なので、練習で追い込んでしっかり鍛えていきたい。府立は優勝したいと思う」