
強豪ひしめく全日本で男女5種目が決勝進出を決める/全日本選手権
日本代表選手などが所属する社会人も出場する大会だけに、初日から敗者復活戦にまわる艇も多かったがきっちりと修正。明日の決勝では6年ぶりの複数種目制覇に大きな期待が懸かる。
男子部 6年ぶりの栄冠へ
ここ5年、全日本での優勝から遠ざかる男子部からは2種目が決勝進出を決めた。栗山卓也主将(法4=浜松湖南)など4年生3人が乗る男子舵手付きクォドルプル。インカレでは準決勝までトップをキープするも決勝では王者・日大に屈した。4年間日大に苦杯を嘗めさせられ続けてきた栗山は「ラストだし今回こそ絶対にリベンジする」と意気込む。
もう一種目は、インカレで男子部9年ぶりの制覇を決めた舵手なしフォアだ。インカレからクルーリーダー吉岡慧(商4=若狭)が抜けたが「クルーのレベルとして全日本で戦えるレベルという自信はある。全てが噛み合えば勝てると思う」(荒木祐介・政経3=熊本学園大付)とインカレとの2冠に向け手応えをつかんだ。
女子部 打倒早大で3種目制覇目指す
女子は昨年に続いて3種目で決勝進出。3艇中2艇は決勝進出タイムトップの好成績を残した。注目の女子舵手付きクォドルプルは、終盤まで社会人の強豪明治安田生命にリードを許す。しかしゴール前での見事な猛追を見せ「今までで一番いいタイム」(赤津杏奈・政経4=小松川)で決勝進出を決めた。ライバル早大の壁は厚いが「早稲田に勝つために4年間その一心でやって来た」(赤津)思いをぶつけこの種目初制覇を狙う。
インカレで優勝した舵手なしペアは予選から盤石のレースを見せた。クルーリーダーの今井智子(商4=美方)も「決勝に向けて満足できる内容」と納得の表情を見せた。自身2度目となる全日本制覇を明日は目指す。また女子エイトは国体やアジア予選で調整が遅れるも、予選を1位通過。明日に向け「まだまだ伸びしろはあるので、そこを修正して絶対に優勝する」(今井)と抱負を述べた。
4年生の引退にもなる明日のレース。ボート競技生活最後のレースとなる部員も多い。女子主将である赤津もその1人で「明日は死ぬ気で全力でこぐ」(赤津)と力強く宣言した。学生最後の全日本という最高の舞台で、最高の結果を。明大端艇部の決勝で躍動に期待だ。
[真島一郎]
今日のコメント
男子舵手なしクォドルプルクルーリーダー 栗山主将
「部全体としては、4年生が3人引退して選手層が少し落ちたが、レベル的には十分戦えると思う。全種目でインカレ以上の成績を残すことを目標に、選考をし直して一番早いメンバーの組み合わせができた。(クルーとしては)インカレではスタートで日大に2秒出られて、そのままの差でゴールした。その反省を生かしてスタートの練習を重点的にやってきた。後はきつい場面でトップスピードをいかにキープできるかがポイントだと思う。日大にはずっと少しの差で負けてきたので、ラストだし今回こそ絶対にリベンジする。監督にも『お前はずっと2位だから最後は優勝しろ』と喝を入れられた。大会に入って予選はスタートでミスが出たが、今日の準決勝は落ち着いてこげた。明日のレースはスタートの500mを取って、余裕を持ちながらこぎたい。2年前は日大には勝ったが、社会人に負けて2位。明日のレースも日大に勝っても2位じゃ意味がない。とにかく優勝しか目指さない気持ちでいく。」
男子舵手なしフォアクルーリーダー 荒木
「インカレが終わって、全日本決勝を目指してやってきたのでひとまず安心している。メンバーとしては3人が一緒なので、ゆっくり流すこととはせずインカレの調子をそのまま持っていけるように練習した。新しく乗った2年の野原は期待の選手。新人戦や来年以降チームを引っ張っていく存在になるのでこの挺で成長してほしいと思っている。(吉岡が抜けて)誰が引っ張るとかではなく、チーム全員が声を出して全員で引っ張るというチーム作りを心懸けてきた。クルーのレベルとして全日本で戦えるレベルという自信はある。(大会に入ってから)予選では逆風で自分たちの強みである軽いピッチのこぎが全然できなくて、日大に離されてしまった。2日目からはインカレでできた自分たちのこぎができるようになった。(明日の決勝は)日大もインカレより強いメンバーが乗っているし、他の社会人の挺も日本代表に人とかが乗っていてみんなが強豪。それでも全てが噛み合えば勝てると思う。自分たちはインカレ覇者であっても、挑戦者なので4人の持っている力をぶつけていきたい。」
女子舵手付きクォドルプルクルーリーダー 赤津
「予選の結果を受けて監督に集められて、このままでどうするんだと全員に喝を入れられました。準決勝は厳しい組に入ったので本当に危機的な状況で責任感やプレッシャーを今までにないくらい感じました。そのおかげもあってクルーとして垢抜けたような気がします。ミーティングではスタートで絶対早稲田について行って、見える位置にずっといて食らいついていこうという話をしました。準決勝はコックスの声を頼りにラストスパートまで前を見て必死にこぎました。今までで一番いいタイムが出て嬉しかったです。しかしラスト頼みは良くないので、スタートから出て行きたいです。スタートでどれだけ離されないでついていけるかがカギだと思います。相手から見えるところにいて粘って、前に出ることができたらあとは相手の背中を見てレースを進めていきたいです。第1クォーターへの意識が強くて第2クォーターで落ちてしまうことが課題なので、スタートで作った勢いをどれだけ第2クォーターで維持できるかが重要です。今日は自分たちが負けたら部の雰囲気に関わるというプレッシャーでこぎました。出艇前はプレッシャーでクルー全員涙が止まらなかったです。それぐらいの気持ちでこいだので決勝に向けて手応えがつかめました。早稲田に勝つために4年間その一心でやって来たので、絶対に勝ちたいです。準決勝に勝ってやっと優勝へのスタートラインに立てたので、ここからが勝負です。明日は死ぬ気で全力でこいで優勝をつかみとる」
女子舵手なしペア、女子エイトクルーリーダー 今井
「他のチームはクルーをかえてきているところが結構ありました。しかし私たちは4か月という長い間一緒にこいできた相方と組んでいるので、勝たなくてはという意識が強いです。国体を終えてこぎにばらつきが出てしまい、インカレまでのようなこぎに戻すのに苦戦しました。練習では第2クォーターと第4クォーターの強化に力を入れました。具体的には、中距離の練習と、長距離をこいでラストを上げるという練習をしました。やれることはやったので、レースで結果を出すだけです。予選は、インカレで攻めきれなかったので攻めの一手で行こうと決めて臨みました。楽しいレースができました。相手にも失礼じゃないこぎができたと思います。決勝に向けて満足できる内容でした。決勝はとにかく攻めて攻めて攻め勝ちたいです。スイープ種目は4人いるのですが、控えの2人が練習も大会中もサポートしてくれていたので、その2人のためにも結果を出す責任を強くもってこぎます。エイトは来年に向けて勢いをつけることや、女子部のまとまりの集大成という意味で全員で勝ちに向かっています。(予選のこぎは)よくないですが気持ちの強さでもっていったという感じです。改善点はたくさんありますがラストレースなので、勝ちたい、勝つ、という気持ちで臨みます。まだまだ伸びしろはあるので、そこを修正して絶対に優勝したい。4年間やってきて、後輩に何を残せたか考えたときに、あの4年生はこうだったと感じてもらいたいのでその思いをエイトにぶつけます。こぎの一体感や、引っ張っていく姿勢など、言葉では伝わらないことを感じてほしいです」
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