関東インカレ事前取材(前編)

2013.10.12
 いよいよ今日から始まった関東学生秋季選手権。明大は昨秋、そして今春ともに4位と入賞を逃してきた。夏から新しい合宿所に移り、戦力も環境も万全な今こそ、これまで果たせずにいた優勝を遂げる時。横田貴大主将(商4=藤沢西)と副将の上井智大(農4=小山台)に今大会に対する意気込みを聞いた。今回は前編と後編の2回に分けてお送りする。

―前編―
――新体制になってから、ここまでを振り返ってみてどうでしたか
横田:
初めてトップに立つということでチームをまとめる難しさだったり生活面とヨットの両立だったり4年生として何をしなければいけないのかというところで不安を感じましたし、色々挑戦したりもしました。4年生が一番大変だったと思うんですけど、やっぱり一番成長できたのも4年生だったかなと思います。人間的にも、ヨットの面でも。
上井:高校まで野球部で主将をやっていて、そのころから自分なりのチーム感っていうのがあって、それで1年生の頃からこういうチームになれば良いなというのがありました。2年、3年となっていくにつれて、それがさらに強まっていって自分の代になったらこうしようというのはあったんですけど、実際4年生になってチームをまとめるというのはすごく難しいことだということが分かりました。でも、4年生6人それぞれが責任感を持ってやれているなと思います。あとは、本当に良い1年間だったって言えるようにするためにこの残りの1週間、残りの1カ月を最後までやり切るというところだと思う。関東インカレで優勝して全日本につなげて結果を残す。それで初めて自分たちの代は良い代だったなと思えると思うので、今までやってきたことを信じて最後までやっていきたいと思います。
横田:とりあえず結果を残すってことだよね。

――結果を残すということで、今年の結果はどうでしたか
横田:
ちょっとしたところで無駄なポイントが加算されていってしまった。成績だけ見ると昨年とあまり変わってないのかなと思われがちなんですけど、内容を見ていくと昨年よりは技術的には上だと思います。勝ちへの執着っていうのも絶対にあると思っているので。明治に今足りないものは何かって言ったら、まずは勝つこと。1回でも勝てばそこから波に乗ると思うので、まずは関東インカレ決勝を何が何でも勝つという形で頑張っていきたいなと思います。

――技術的にあがってきたということですが今年から変えていったことはありますか
横田:
1番大きく変わったのはやっぱり合宿所ですね。技術的には練習密度の濃さというところで、今までは昼に一回(陸に)上がってきてたんですけど、自分たちが4年生になってから、昼に上がる時間があったら少しでも練習して、それで早く上がってきて休んだ方が良いんじゃないかっていう練習に切り替えました。あとは海の上で解決するというところに注意をしました。そこが1番大きかったのかなと思います。
上井:海の上で解決というのは、ヨットは陸に上がってきてから『この時はどうすれば良かったんですか』とか聞いても分かりづらいんです。例えばセールの形、すごく細かい違いでその時に聞かないと分からなかったりする。例年だと、陸に上がってきてから質問ってなって…。それだと結局聞く方も聞かれる方も分からない。今年はそういうのを海上でできる限り聞いてその場で解決しようと。補足ですけど(笑い)。
横田:そういう意識も大切ですし、自分なりに考えてヨットに乗るということですね。問題に対して自分なりに色々な改善策を練り出して、そのあと質問する。まだ質問しづらいと思っている人もいるんですけど昨年に比べたら格段に増えている。そういったところが少しずつ変わってきています。
上井:昨年まではチームみんなでというよりかは個々それぞれで頑張ろうという感じだった。それだと団体戦は勝てないのでそういうところも根本的に変えていこうと。
横田:あとはミーティングとかでも今までは過去を振り返っていたんですけど、自分たちのミーティングではこのあとどうすれば良いのかと未来の方を話すようにしています。その練習にどういう意味があるのか説明もしたりして、ミーティングはちょっと変わったかなと思います。その分1時間とか2時間とか長くなってはしまうんですけど、冗談も入れつつ大切なことなので何度も何度も伝えるってことが大切なのかなって思います。


――春の結果をふまえて見つかった課題は
横田:
他大学と根本的に違うのはチーム力だと思います。技術はみんな春までにあったんですけど、チーム力といったところで他大学には負けていましたし、また勝つ経験っていうのが少ないです。負けから得られるものはない、勝利から得られるものはあるっていうのをずっと自分は思っていて、失敗から得られるものはあると思うんですけど、勝つことから得るものの大きさっていうのは計り知れないと思う。その中で(470級とスナイプ級が)3艇3艇で戦う学生のヨットレースで、チームがまとまってレースを行えているのかといったことが課題にあがりました。そういった面はこの後期の部分で陸から変えていくことで改善してきました。

――陸からというのは
横田:
ミーティングであったり生活面であったり、あとはコミュニケーションですね。1年生から4年生っていうのは話づらいと思うので自分から会話をとっていくようにしています。ご飯であったりミーティングであったりハーバーであったり積極的に話しかけて行ってコミュニケーションをとるのが大事かなと思います。

――技術的な部分でチーム力をあげていくというのは
横田:
3艇の中でもリーダー艇っていうのがいるのでそのリーダー艇に集まっていけるかというのがチーム力の一番の違い。周りを気にして自分たちのチームはどこにいるのか、周りを見る力というのを意識しています。

――横田選手個人の結果は
横田:
関東インカレの個人戦では最終レースを残して優勝ということ一番気持ちが良い優勝の仕方をしたんですけど、全日本では優勝出来なくてちょっと悔しい部分はあります。絶対横田が優勝するだろうと言われていたのに、自分の甘さ、弱さが出てきてしまった。技術的には自称ですけど全日本でも絶対に勝てる。スピードは他大学とは圧倒的に違うので自信はある。でもコースや風を見極められなかった部分があったのでそれは全日本から帰ってきてからチーム全体で共有してみんなで変えていった。自分だけ出来てもしょうがないので。あとは結果を出す、それだけですね。

(後編に続きます)