王者・専大に終始リードも勝ち切れずドロー/関東大学1部リーグ戦

2013.10.09
 リーグ連覇中で今季も1位を走る王者・専大との第15節。今回は両チームともU-20日本代表で主力選手が欠けていたが、リーグ1位と3位の対決となり、非常にハイレベルで互いの意地と意地がぶつかり合う熱い試合となった。試合は前半に明大が先制点を挙げて逃げ切るように思われたが、後半39分に専大が追いつき引き分けとなった。

 前半は明大らしさが光った。序盤こそ専大に押し込まれるシーンが目立ったが、徐々に運動量で相手に勝り、ボールを支配しチャンスを増やしていく。すると前半21分に水野輝(文4=市立船橋)が中盤から右サイドの裏のスペースへロングパス。そこに走りこんでいた室屋成(政経1=青森山田)がスピード持ってボールを受けると、そのまま持ち込み右足でシュート。これがポストに当たってゴールとなり明大が先制した。「水野選手がいいボールをくれたのであとはシュートだけだった。あのような完全に崩して得点するのが理想」(室屋)と王者相手に理想の形でのゴールに満足を示した。このあとも、明大の持ち味である粘りのサッカーで相手を封じ、前半を終える。

 後半は苦しい展開となった。得点数リーグ1位の専大の猛反撃に明大はDF陣が体を張って守る。しかし、後半39分にDF陣の一瞬の隙を突かれ失点。「最後守り切れなかったのは自分の責任なので改善していかないといけない」とCBの小出悠太(政経1=市立船橋)は悔しさをにじませた。この時間帯の失点に神川明彦監督も落胆の色を隠せなかったが、すぐに切り替え「1点を取ってこい」とベンチから指示。明大は失点後にビッグチャンスを2回迎えるが相手のGKのファインプレーもあり、ついに2点目を取ることができず試合終了となった。

 神川監督は良い内容の試合ではあったが勝ち切ることのできなかった明大に、「専大の強さが光っていた。やはり専大には勝者のメンタリティーが備わっていて、明大には備わっていない」と固い表情で淡々と語った。次節は専大に勝利を収めている国士大。「国士大は専大に勝ってすごい勢いのあるチームだが、明大はもっとは上を目指さなければいけないチームなので負けられない」(室屋)。大学日本一の「奪還」へ向けて戦っていく。

[西田理人]

試合後のコメント
神川監督
「専大の強さが光っていた。やはり専大には勝者のメンタリティーが備わっていて、明大には備わっていない。あの時間帯まで全員が走り、守り切っていたのは褒めることができる。そんなに簡単にシュートまで持ち込ませなかったし、よく耐えていた。こちらはシュートまで持ち込めていた場面が何度もあった。しかし、シュートを持ち込む形までなかなかつくれなかった。2点目を取れないのがダメ。そこが力不足。今日の相手のDFだと、U-20日本代表で抜けている和泉がいればなっていう恨めいた気持ちもある。しかし相手の正GKもいなく、主力が欠けているなという印象だったので、この専大に勝てないのは力不足。専大と戦うためにはボールポゼッションを高めるしかなかったがそれができなかった。それが1番大事だった。しかしやり切れなかった。ここは単純に個人のスキルを上げていくしかない。9月11日のような惨めな負け方はしなかったので、差を縮められたことに関しては1つの成長。でも、今日の試合に勝って普通ぐらいでなければ現状より上にはいけない」

小川大貴(経4=ジュビロ磐田ユース)
「今日はチームとしてはいい守備ができていたと思う。前回よりボールを持つ時間も増えていた。自分のところから失点してしまったのが反省点で、もっとシンプルにいくという選択肢もあったのではないかと思う。国士大は7連勝していて、今日のフルメンバーではなかった専大よりも手強い相手になると思う。勢いに負けずに、勝つことができたらいい。チームの課題として、どんなチームにも勝ち切ることができないというのがある。良くはなってきているが、メンタル面でまだ弱い。自分の課題としては、もっと積極的に攻撃に参加していくこと。DFラインを統率して、走り勝てる体力を付けること」
 
秦和広(文4=広島皆実)
「勝ち切れなかったことが悔しい。前半はしっかりボールを持つことができたが、後半になって走り切れずにボールを支配されていた。そういう部分ではまだまだで課題となった。
今日はしっかりボールを持つという役割で出場させてもらったが、それができて、幅を使い攻撃でき。それが1番良い攻撃だった。前節の慶大戦ではボールを落ち着かすことができなく、自分が入って落ち着かせることができた。そこは自分の役割で、そういう部分で力を出せたのは良かった。守備では能力の高い専大の攻撃に対して声を掛け合いながら対処した。前半は特にそれができていた。内容では専大に勝っていたと思うが、ベストメンバーではない専大相手には、欲を言えば良いサッカーができていて当たり前。その中で勝ち切らないといけなかった。次節は個人的にもっと得点に絡める動きをしなければならない。チームとしては結果よりもどんな形であれ勝ちたい。そしてさらに上にいくためにサッカーを突きつめたい」

小出
「試合の入りは意識しているので、そこの部分はすごく良かった。だけど、最後守り切れなかったのは自分の責任なので改善していかないといけない。前期の専大戦では相手にびびって受け身になってしまっていたが、今回は自分たちがどんどんプレッシャーをかけたり、ボールを前に前に運んで押し込む時間を増やせたので良かった。前期の専大戦に比べたら攻撃のチャンスも増やせたし、相手に枠内のシュートもほぼ打たせていないのでそこは修正できた。守備の面ではうまい選手にもびびらないで絶対止めるという気持ちでやっていこうという気持ちだった。(日本代表で不在の)山越くんが守備の要と言われていて、いない中でどれだけできるかというのは意識していた。勝ち切りたかったという気持ちはある。(失点のシーンについては)常に味方が奪われてもいい状態で守備に入れるポジションを取れていなかった。ちょっとCB同士の距離が空いていて、カバーにいくことができなかった。ポジションを意識してやっていければなと思う。負けてはいないし、チームの雰囲気は悪くないと思うが、今日みたいな試合をどれだけ勝ち切れるかというのがチームの強さだと思う。こういう厳しい試合も勝ち切っていきたい。勝ち切るためにはチャンスをしっかり決めることや、ゴール前で死に物狂いで守るとか気迫のこもったプレーを90分間やり続けることが勝利につながるのかなと思う。きつい練習の中でチームの一体感とか増してきたと思うし、これからもチーム全体で1つになってやっていきたい。次の国士大はそうとう調子も上がってきているので、厳しい試合になると思うがしっかり勝ち切って次につなげていければいいなと思う」

室屋
「今日は前半とかは立ち上がりが良くて先制点も取れていい形だと思っていたが後半になって相手に支配される時間が続いて失点してしまった。ああいうところで耐えていななければこの先残りの試合やインカレとかでは難しくなってくる。(後半は)専大の前にいる2人、長澤選手や仲川選手はキープ力があって、その2人にキープされてしまって相手の方に流れが傾いてしまった。やっぱり後半は特に自分も含めて1対1で負けていることが多かった。課題が見つかったということはよかった。前回の専大戦で4失点くらって今回は絶対勝たなくてはいけないと、専大に勝つためにこれまでやってきたので絶対勝たなくてはいけない試合だった。(得点のチャンスはあったが)決定力が足りてない。自分も含めてチャンスは後半もあったが決めきれない、相手はカウンターだったがきちんと点を決めてきた、あれが差。(前半の得点は)周りが完全に崩してくれていたので練習からやってきたことで自分は決めるだけだった。水野選手がいいボールをくれたのであとはシュートだけだった。ああいう完全に崩して得点するのが理想。自分はああいう動きが得意だと思っているのであの動きを増やしていければサイドバックとしてもっと成長していける。まずは次の国士大で絶対勝たなければいけない。国士大は専大に勝ってすごい勢いのあるチームなのでもっと明大は上を目指さなければいけないチームなので負けられない」