後半戦も続く快進撃 宿敵・慶大相手に白星奪取/秋季関東大学男子1部リーグ戦

司令塔としてチームを支えた新
幸先の良いスタートとなった。第1セットは序盤から互いにポイントの取り合いとなる一進一退の戦いが続いた。リベロの中村悠貴(文3=習志野)は「サーブカットの精度、ブロックとレシーブ、サーブとブロックの連携が良かった」と柳田将洋(東洋)のジャンプサーブを対策していたこともあり、接戦に焦ることなく確実にボールをつなげた。セット後半になるにつれてだんだんと調子を上げ、チーム一丸となりセットを先取した。
追い上げ切れなかった第2セット。「いつも惜しい所で負けている」(杉本匠・政経3=聖隷クリストファー)慶大に苦手意識があった。そのこともあり勢いを上げたままリードを奪いたいところだったが、6―10と差を付けられる。中盤で有田賢史(政経3=福大大濠)がサイドブロック1枚でシャットして徐々にプレーが躍動し始める。2回3連取するなどで一度は追い付きデュースまでもつれ込んだが、押し切れずにセットカウント1―1と追い付かれた。
明大の組織プレーを見せつけた。第3セットは「ラリーは気持ちが上回っていた」(瀧野頼太・政経2=創造学園)と相手の気持ちが折れんばかりに拾い続け、チャンスをものにした。慶大のペースを完全に崩し、杉本が前衛ではサイドからストレート、クロスに打ち分け、後衛ではバックアタックを決めセットを奪い、試合に王手を懸けた。
明大ペースで持ち切りであった。いよいよ試合も終盤へと近づき会場のボルテージも高まった。1ポイントを取るたびに声援が増していった。勝負は均衡したが鎌田将人(法4=城山)がセンターで速攻攻撃を仕掛け、相手に的を絞らせなかった。また、ブロックでも得点を重ね、攻守においてチームに貢献した。終盤一気に流れを引き寄せ、セットカウント3―1で勝利を収めた。
開幕より7連勝を挙げた明大。止まらない勢いは、勝利を重ねるごとに確かな強さとなっている。「チームの底上げは意識してやっていて、今こうしてメンバーが食らいついて戦えていることは大きい」(佐藤拓真・政経4=山形南)とチームの底上げが結果として表れている。この勢いで残り4戦も戦い抜き、優勝を手にしたい。
[西尾健三郎]
試合後のコメント
大塚
「今日は飯塚が出れなくて、新も2日前に軽く足首を捻挫してて結構不安要素があった中で勝ち切れたのはチームの士気が上がってきてるのではないかと感じた試合だった。だから、メンバーが変わっても勝ち切れるっていうのは今までと変わってきてる。序盤で個人プレーに走ったのは、チームがうまく回っていない状況だったから、チームの約束事だったり決まりを守っていかないとうちのチームは勝てない。劣勢の時とかは特に組織からブレてはいけない2セット目は取られてしまったけど、5点差から終盤追い上げられたのは流れとしては良かったから、3セット目は出だしからいけたのかなと思う。自分は5週連続で出ててやっぱり、2セット目中盤くらいから疲れちゃってそこらへんの集中力が駄目だった。次の順大はブロック高いし、実業団のチームも倒して波に乗ってると思うから、しっかり対策する時間もあるので明大としての組織をつくって行きたい」
鎌田
「負けると思ってた。慶大だからって意識してたわけじゃないけど、前やった時は強く感じたから。でも今日はそんなことなかったし、自分たちのバレーを貫き通せた。コートの中でもずっと話し合ってたし、自分たちの雰囲気の中でやることができた。2週間間が空いたけど、今のチームの調子がいいのか普段通りできた」
佐藤
「こっちも向こうも勝ちたいという思いがぶつかった試合だった。相手も簡単には勝たせてくれなかった。ブロックやスパイクの時にみんなで声を掛け合って、決まった時に喜ぶことで力になったと思う。2セット目はみんなが熱くなってて審判にも水を差されたような形になって苦しかったが、陸は冷静だった。それが良かったと思う。(メンバーの起用は)自分たちが思っていた以上に回っていると思う。杉本がコンスタントに決めてくれて、有田も今日は決めるところで決めた。とにかく盛り上げていくようにした。春はメンバーを変えるとがたがたしたが、それからチームの底上げは意識してやっていて、今こうしてメンバーが食らいついて戦えていることは大きいと思う。今日は勝てるか以前に勝たなければいけなかった。春は柳田ばかり見ていたが、今回は柳田は決められてもしょうがないくらいの気持ちで、他の周りの選手を見ていくようにした。雰囲気はいいし、やっていて楽しい。(優勝は見えてきたが)やることをやるだけ。次につなげていけるような試合をしたい」
新貴裕(営4=石川県工)
「最近、終盤に強い感じで来ている。ミスが少ないっていうのもある。慶大に勝ったのが2年前の早慶明以来だった。前は相手の9番を止めようとして、結局周りに決められて9番にも決められるっていう感じだったので、今日の試合は9番はほっといて、周りを止めようという作戦でいった。おとといにケガをしたんだけど、大丈夫だった。今はみんな楽しくやっているし、特に試合終盤の笑顔が増えた気がする。3週間空くことに不安はない。問題は中大より順大。ブロックでやられなければ勝てる」
有田
「やっと勝てた。自分は試合に出るたびにつっていたので、今日はつらなくて良かった。向こうが強いサーブを打ってきても、そこまで点数を上げなくて明治のバレーができた。春は柳田だけを見ていたが今日はそれ以外の選手も見ていって、セッターの特徴を頭に入れてここに打たせていこうと意識してやった。研究がどんぴしゃだった。他のチームよりサーブカットやつなぎはいいと思う。試合に出させてもらう以上頑張らないと。いつでも出られるように準備したい。順大はブロックが高いので杉本が上から打てないと思うので、向こうにはないうまさで勝つ」
杉本
「今日の試合を振り返ってみて、前々から対策は施してたけど、特に柳田のジャンプサーブは1本でサイドアウトを取るということはスムーズにできたと思う。他のチームもそれに苦戦して点を取られていくというケースが多くあると思ったけど、それさえ防げればどっこいどっこいなのかなと思った。僕を相手がマークしてきて、特に2セット目は背の高い選手を僕の方に寄せてきて、それで僕のスパイクを仕留めるっていう計算があったと思う。こっちが連勝してるってこともあって優勝させないためにここで止めようとしてきたのだと思う。2、3セット目でブロックが付いてきていたのもわかっていたから、4セット目はブロックの間だったり裏を付いて計算したスパイクを打った。僕のジャンプサーブは周りの人と比べるとぺちょんて前に落ちるのが特徴的だけど、今日は前の方意識してるのではないかなと思ったから前後に揺さぶりをかけて相手にコースを絞らせないようにした。今日の調子は悪くない。僕の中では良過ぎも良くない。順大は春に比べてブロックが高いし、なおかつレシーブも強化してきてると思うからそこを対策できたらいいなと思ってる。簡単なことで言えば、相手のレシーバーにボールを触らせないとか。そういうところがうまくいけば勝てると思う」
中村
「チーム力を発揮できた。慶大は個人個人のレベルが高い。明大はハプニングとかもあるけれどやっていけてる。層の厚さや力があると感じた。おととい新さんがケガをしてしまい、チーム練はできなかったままぶっつけ本番で臨んだけれど気にせずにやった。空き週はいつものサイクルで、調子を崩さないように調整をした。2、3セット目はミーティングで確認していたところと違ったりしていたけれど、修正して試合を運べた。日体大ほどではないが、相手のエースの力が強くてきつかったけれど、チーム力で勝てた。目立たないところでのミスが少ないところとか、サーブカットの精度、ブロックとレシーブ、サーブとブロックの連携がいい。順大戦ではスパイク1本で決まらないことが多くなると思うけれど、フォローして、つないで決めてもらうバレーをしたい。高校の同期や後輩がいるので負けたくない」
瀧野
「1人1人仕事ができた。審判のジャッジとかで相手に流れが行ってしまうかなという場面もあったけれど、そこで我慢できたのが勝ちにつながった。途中ミスもあったが、1人1人が意識を変えてやったからの結果だと思う。相手は慶大だったが集中してやった。空いていた週では個人練習が多かったけれど、意識を高く維持できた。ラリーは気持ちが上回ってたから取れた。周りを信じてできた。東日本で優勝して、秋で結果残さないと、東日本がまぐれだったのかと思われてしまう。そうじゃないと証明する試合ができればいい。順大でも明大のバレーをする。ブロックされることが多くなると思うけれど、中心となってブロックフォローに入りたい。レシーブ力で上回って勝つ」

勢いに乗る明大の快進撃は止まらない
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