
小林、橋本が表彰台へ ルーキー全員が入賞/全日本学生トラック新人戦東日本大会
ポイントレース予選を2位で通過し幸先良く決勝の舞台に立った小林。最終周、半周まで1位につけたが8回目のポイント周回からトップを独走していた高士(中央)に抜かれ、惜しくも2位となった。レースを終え「逃げの集団の流れに乗るのは良かったが、そこから先の逃げる足が残っていなかった」(小林)と悔しさをにじませた。持久力が必要とされるポイントレース。予選はバンクを30周するが、決勝では72周、全長24㎞とトラック競技の中では最も過酷なレースとされる。小林は最初のポイント周回は4着に付け、攻めの姿勢に入った。4着までポイントが付けられる周回で計12回中、7回上位に食い込み、着実にポイントを稼いだ。応援に駆けつけた人たちの歓声が飛び交う中「福島にいる親戚が応援に駆けつけてくれたので、すごく励みになった」と小林。その声に応えるかのように終始集団の前方を走り、積極的にレースを展開していった。優勝こそ届かなかったが「これからは逃げる足をつけていきたい」と前を向いた。
粘りを見せた。橋本は男子スプリント1/2決勝で敗れ、3、4位決定戦に出場した。急斜面のバンクに加え雨の中行われたレース。「怖かった」と語った橋本だが、1回戦目は序盤からスピードを上げ先行し1着となった。ここで決めると3位入賞となるところで迎えた2回戦。スタートを切ってまもなく、対戦相手の植原(法大)が斜面上から落車しレースが中断された。再出走となったが橋本は気持ちを崩さなかった。アウトコースに付け、最終周を知らせる鐘が鳴ると同時に先行してスプリントを仕掛け、相手にかなりの差を付けた。ゴール間際で粘られたが先着し3位となった。
ケイリンでは曽我圭佑(法1=九州学院)、森本尊也(営1=岡豊)の2選手が健闘した。予選1組を3位で通過した森本と2組を1位で通過した曽我が決勝に進出。出走してすぐ森本のハンドルが抜けるトラブルが起き、再出走となった。この種目では6人の選手が同時に出走し、計2000m中、1400mでポジション争いの駆け引きが激しく行われる。「自分が先行して森本を優勝させるくらいの気持ちで走っていた」と曽我はポジション取りで先頭に出て、次に森本が続いた。最後のスプリントでトップに躍り出た森本であったが、残り半周で後続の選手にあと一歩及ばなかった。「周回数を間違って勝てる試合を逃した。鐘が鳴ったと思ったらあと1周残っていて力が持たなかった」(森本)と悔しい表情を見せた。しかし「来年に向けて自分の中では始まり出している」とインカレ、国体が終わり来年の個人戦に向けて筋トレを始めたと語った森本。個人戦優勝へ弾みを付けた。
4年生が引退し、新チームへ生まれ変わった自転車部。今大会はルーキーの活躍が目立った。「2、3年生がメインになってくると思うので団体種目でもちゃんと出場して成績を残せるよう頑張りたい」(加賀谷慶治・政経2=能代西)と2年生も負けていられない。今年のインカレ総合8位よりも順位を上げるべく、新チームでの挑戦はまだ始まったばかりだ。
[橋本杏菜]
試合後のコメント
加賀谷
「国体の期間に練習していて、一発目の予選の方は自己ベストに近いタイムが出たので4位にはなれた。決勝までに全然時間が空かなくて、足が全然回復しないまま行ったので抜かれてしまった。半周つけられて降ろされてしまった。2本目がある試合ではやっぱり足がないと上位に食い込めない。今後持久系の練習を多めにして成績を残せるよう頑張っていきたい。最初突っ込んで後はできるだけ落とさないようにしていこうというのは考えていた。自分が出したタイムは室内バンクだが、今回外バンクでここは重いが自己ベストに近いタイムが出たので力は付いていると思った。4年生が引退して2、3年生がメインになってくると思うので団体種目でもちゃんと出場して成績を残せるよう頑張りたい」
小林
「積極的に前の集団でレースを展開できた。ポイント周回のときには逃げの集団の流れに乗って行けたので良かった。逃げの集団の流れに乗るのは良かったが、そこから先の逃げる足が残っていなかった。今回のこのレースをきっかけにして、逃げる足をこれから付けていきたい。また、今回は福島にいる親戚の人が応援に駆けつけてくれたので、すごく励みになった。大学生になって約半年が経つが、周りのレベルがすごく高く、マークに付いても強い選手は勝ってしまう。自分もそのレベルを目指して力を付けていかないといけない。これからの目標としては来年のインカレに向けてしっかりと準備をし、来年は2年生になるので後輩だけではなく先輩も引っ張っていく勢いでやっていきたい」
曽我
「ケイリン決勝は自分が先行して森本を優勝させるくらいの気持ちで走っていた。自分はがむしゃらに走るだけなので先行しかしたくなかった。結果としては5位という悪い結果となったが、自分の仕事はできたので良かった。ラスト1周のところで他大の選手に抜かれていったことは自分の力不足の部分があった。中央の宮本をマークして抑えたのは良かったが、結局他の選手を抑えられなかった。1人の選手だけをマークし過ぎたというのも敗因の一つだと思う。他大の同級生はまだまだ強いので負けないようこれから練習に取り組んでいきたい。これから1年どうなっていくか分からないが今年のインカレ総合8位よりも来年はもっと上げるために取り組んでいきたい」
橋本
「今回の会場は、国際大会で使用されていることもあって、斜面の角度が急になっているなどいつもの会場とは違った。その影響もあって、レースのときは怖さが自分の中で生まれた。また、雨が降っていたので、滑らないように注意した。今大会の前に国体に出場したこともあり、疲労が残っていた。1/2決勝ではいつもは勝っているはずの相手に負けてしまった。大学1年生で初めてインカレを経験して、スピードの違いや戦術の面などで自分とトップとでは差があると改めて感じた。しかし足はそれほど差がないと感じたので、これから戦術の面を強くしていきたい。在学中に日本一になり、世界に行けたらと思っている」
森本
「周回数を間違って勝てる試合を逃した。もったいないことをした。鐘が鳴ったと思ったらあと1周残っていて力が持たなかった。バンクの角度が強くてびっくりした。癖があってストレートに出たときにインに落ちてしまう。走っていたらそれ程思わないが、雨が降っていたので怖かった。調整ができていなかったが、これくらいまで来られたので良かった。中央の宮本は速いので結構警戒していた。今の1年生は速いのでみんな絶対表彰台に乗っているのでいい経験にはなる。来年に向けて自分の中では始まり出している。国体とインカレが終わって来年の個人戦に向けて筋トレを始めた。今年は様子見の1年だったので来年からが本番だと思っているので頑張りたい」
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