
大量10点を奪って完封 日大に快勝/関東大学リーグ戦
第2ピリオドで攻撃陣が目を覚ました。立ち上がりのゴールから順調に得点を重ね、4得点。ゴールラッシュの口火を切ったのはFW大椋舞人(法2=白樺学園)。FW大津晃介(法2=日光明峰)がゴール前まで持ち込むと、相手GKを引きずり出し、ゴール前へ滑り込んだ大椋へラストパス。大椋はほぼ無人状態となったゴールへパックを流し込んだ。このゴールが呼び水となり、5分には再び大椋、そしてFW工藤翔介(政経1=北海道栄)がわずか14秒間で連続ゴール。これで完全に試合を明大ペースへ引きずり込んだ。10分にはFW上野峻輔(政経1=北海)、FW佐藤駿介(政経2=武相)とつなぎ、最後は上野滉がゴール正面からのシュートを決めた。FW3人の連係で相手DFを崩し、得点をもぎ取って見せた。上野滉は「決定力不足が目立っていたので、収穫になった」と攻撃に手応えを感じた様子。藤井匡智監督も「ゴールに向かえば点が取れることが分かって自信になったのでは」と、これまで得点力が課題となっていたFW陣を評価した。
第1ピリオドは攻守ともに精彩を欠いた。「練習での状態は上がっていたけれど、そこが心配なところだった」(藤井監督)と、直前の2日間で氷上練習が出来なかった影響が出た。動きが硬くパスワークでミスが目立ち、無得点で終えた。それでも第2ピリオドは立て直した。第3ピリオドも終始明大ペースで試合を進め、運動量が落ちた日大を圧倒。勢いそのままに第2ピリオドを上回る6得点を挙げた。5分には、FW赤坂卓哉(営4=釧路江南)が相手GKの股を抜く技ありのゴール。16分には相手のペナルティーが重なって5対3のパワープレーとなる。そのチャンスも工藤、佐藤光主将(文4=白樺学園)の2得点できっちり活かした。リードを広げても、得点を奪う姿勢を見せ続け得点を重ねた。
好調のルーキーが輝いた。工藤は1年生ながらハットトリックを達成。第2戦の専大戦で初ゴールを決めてから、第3戦の対中大戦でもゴール。1セットに抜擢されるなど、好調を維持している。「シュート力があって点に絡める選手。これが自信になって余裕が出てくれば更に点が取れると思う」と藤井監督も期待を寄せる。この日の3点目はゴール左でパックを受け、フリーの状態から強烈なシュートをゴール左に叩きこむという、工藤の持ち味が発揮されたゴールだった。チームの大量得点に貢献し、工藤は「大学1年から初のハットトリックをできて、とってもうれしい」と素直に喜びを語った。一方で「パス回しがダメで、そこは反省点。足を使ったプレーも、もっと出来るようにしたい」と更なるステップアップへ意欲を見せた。
守備陣は今リーグ戦初完封でFW陣の攻撃を支えた。パスミスから何度か決定機を作られたが、GK伊藤優人(商4=白樺学園)の好セーブや、相手シュートがバーに弾かれるなど、運も味方し無失点で乗り切った。公式戦での完封勝利は、今年1月の日本学生氷上競技選手権の対日体大戦以来。それでも伊藤は「完封はしましたが、強豪相手ではないので」と満足した様子は無い。藤井監督も「完全なミスからチャンスを与えてしまう場面があった。それが出るようだと流れを変えてしまう」と守備の修正を目指す姿勢を見せた。とはいえ無失点で試合を終えたことは、後半戦へ向け一定の収穫となったはずだ。
次戦は「次の一戦は今後波に乗るためのキーポイントになる」(上野滉)という、前回王者、早大との対戦。藤井監督は「FW戦になればいいところまでいくと思う。しっかりと守れるか。攻めの時間を長くすれば、いい試合が出来る」と自信をのぞかせる。対日大戦でチームとしていい流れを手にしたことは確か。それを生かすも殺すも、次戦に懸かっている。もちろん優勝するためには負けられない試合。前半戦最後の1戦は、後半戦に向けた大きなターニングポイントとなりそうだ。
[高田悠太郎]
試合後のコメント
藤井監督
「2日間、氷上の練習が出来なかったのが影響して最初は動けていませんでした。練習での状態は上がっていたけれど、そこが心配なところでした。1ピリはそれが出てしまったけれど、ひと汗かいて2ピリからは自分達のプレーが出来ていました。3ピリも点を取って安心するのではなく、更に得点を狙って集中力を途切れさせず戦えたことは、次に繋がると思います。守備は無失点に防ぎはしました。ただ、やられるならまだいいが、完全なミスからチャンスを与えてしまう場面がありました。それが出るようだと流れを変えてしまうので、少なくしていきたい。(10得点したが)チャンスで決め切れない場面も多かったです。それでも、ゴールに向かえば点が取れることが分かって自信になったのでは。3得点の工藤の役割は点を取ること。スピードは若干劣ると思いますが、シュート力があって点に絡める選手。これが自信になって余裕が出てくれば更に点が取れると思います。今日は今日なので、対早大戦に向けてはリセットしたい。明後日から、しっかりコンディションを整えて、次は1ピリから動けるようにしたいです。FW戦になればいいところまでいくと思います。しっかりと守れるか。攻めの時間を長くすれば、いい試合が出来ると思います」
伊藤
「スコアできて良かったと思いますが、大事なのは来週からです。このリーグ戦で毎回上がっている反省点など、まだまだなところはあります。完封はしましたが、強豪相手ではないので。FWもDFもまだまだ直すところがいろいろあるので、一つ一つ修正していきたいです。次は早大戦だけど、全てが負けられない試合です。リベンジやプレッシャーよりも、キーパーとして失点を0に抑え、とにかく勝つことです。ポジティブに、勝つことだけを考えていきます」
上野滉
「決定力不足が目立っていたので、収穫になりました。点を取れないということで負のイメージが付いてしまっていたけど、これでプラスのイメージで次に臨めます。(前の試合から)3、4年生でミーティングを行ないました。良い点、悪い点を出し合い全体に伝えたことがつながってくれたのかと思います。久しぶりの完封だったけど、FW陣が頑張ってくれた。途中からはFWもコーナーで守れていたので、良かったと思います。45度でのパス回しや、コーチが求めていることをしっかりこなしていかないと上には行けません。普段の東伏見と違ったが、さほどリンクに差はなかったと思います。ただ、ザラザラしている部分があって最初はパック処理に手こずりました。後半にいくに連れて、対応できました。2日間氷上でやれていなかったこともあり、1ピリはあまり動けませんでしたが、FWは比較的良かったと思います。足が動いていないわけではなかったです。下級生がゴールを決め、下が頭角を現してくるのは頼もしい限りです。1、2セットを担っている人も多く、助けられています。4年生のFWとして、苦しい時に決められるようにしていきたいです。次の早大にはインカレで負けているので、リベンジしたいです。夏は(サマーカップで)勝ちましたが、羽刕や山田などトップクラスのDFがいるので油断はできないです。得失点もあるけど、とにかく勝ち点を取ることが大事。このままのいいリズムで戦っていけたらと思います。そのためにも、次の一戦は今後波に乗るためのキーポイントになると思います」
工藤
「10点入って、点数がちゃんと入った上で勝てたので良かったです。積極的にシュートを打って、外した場面もありましたが入れるべきところでは入れられたと思います。個人的にも3得点1アシストで、ポイントで貢献できました。大学1年から初のハットトリックをできて、とってもうれしいです。しかし45度でパックを受けた時のパス回しが駄目で、そこは反省点です。足を使ったプレーも、もっと出来るようにしたいです。無失点でしたが、そこはGKやDFに助けられました。次の早大戦も負けられません。ポイントで貢献できるように、そしてパス回しなど反省を活かしたいです。絶対勝ちます」
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