(45th Period)関東大学リーグ戦直前インタビュー 上野滉太、佐藤光
――ここまでのリーグ戦は
上野滉:自分たちのホッケーが、まだできていないことを感じています。コンディションは、サマーカップに出て上がっていたはずなのですが、正直な話、下がってしまっている選手が多いのかなと思います。1週間に1回の試合なので、次の日はだいたいオフになります。オフ後の2日間でコンディション維持のためにウエイトしたり、走ったりすればいいのですが、それをやっている選手が少ないです。コンディションづくりから気を抜いているので、こういった結果になってしまっていると思います。
――今年は部屋ごとにウエイトトレーニング等をやるとのことでしたが
上野滉:部屋でやっているところは継続しているのですが、今は各自になっています。リーグ戦の後は、試合に出ている出ていないがあります。出ていない選手はがっつり追い込んでやらなければならないし、出ている選手のコンディションを維持するためのトレーニング方法とは異なりますからね。
――サマーカップに出て、収穫は
上野滉:試合勘が一番大きいです。すんなりリーグ戦に入れていることが収穫です。3ピリまで入れるという自信も付きましたし、プラスの大会でした。この大会では7年ぶりに優勝できました。自分たちのやりたいことができていた、という結果の表れなのかもしれませんが、正直どこの大学も仕上がっていない状況ではありました。リンクが狭かったり、氷が硬かったりなどのいい条件が重なったのも優勝できた要因です。
――今年は日光で陸トレを行なったそうですが
上野滉:体力向上ということで、坂ダッシュや長い距離を走り、脚力や心肺機能などを鍛えるということで行いました。朝食後に山へ行き坂ダッシュを15~6本やって、昼食後はグラウンドでインターバル走をやりました。結果に直結したか分かりませんが、いろいろなことが分かったのでやって良かった合宿だなと思います。
――今年から取り組んできたシステムの出来は
上野滉:春は理解して、やろうとはしたのですが、なかなかそれができなかったです。夏はその反省点を生かして、良くなってこっちへ戻ってきました。ミーティングを増やしたりして、プレー中でも一列目と二列目の動き出しを確認したりしました。これといって何か変えたというよりかは、積み重ねですね。ただ、春よりはもちろんいいのですが、まだまだ応用を利かせていないなと思います。あとは細かいところです。システムについて8割は理解しているはずなのですが、残りの2割はまだまだ。こういったところを大雑把にやってしまうと、付け込まれます。システムは完璧を求めなければいけない。まだまだ未熟ですね。
――これからもリーグ戦は続きますが、今後の戦い方は
上野滉:中央戦は落としたけど、長丁場だしとにかく勝ち点を取り続けることが第一ですね。このリーグ戦で1位2位にならないと、全日本選手権に出れない。そうすると実業団の選手たちと戦う機会もなくなってしまうので、そういう意味では毎試合毎試合気が抜けないです。
――そのために必要になることは
上野滉:常にコンディションを頂点に持っていかないといけないかな。慶応だって去年は負けたし、今年は東洋にも残り26秒で追い付かれました。なので、もっともっと細かいところで注意深くしていかないとリーグ戦はすぐポロッと落とします。各々が意識を高めて、4年生がまとめていかなければいけないですね。
――実業団という目標に変わりはありませんか
上野滉:変わらず上には行きたいと思っています。ただ、スカウトがかかったり、上に行くチャンスをもらえている身ではないので。そのためにも秋リーグで勝っていかなければいけないですし、常にベストなパフォーマンスを出さないといけないです。いいパフォーマンスを見せて、自分のゴールでチームが勝つというのがベストですね。
――そのためにも全日本選手権の切符は重要になりますね
上野滉:何しろ札幌開催なので。地元のお世話になった方とか、仲良しの子が札幌には多く住んでいます。そういった場所でできるチャンスが、まさか4年目で来るとは思ってもいませんでした(笑い)。家も近いので親も来れるし、いい姿を見せたいなと思います。
――リーグ戦が終わっても気が抜けないですね
上野滉:そうですね。11月末に全日本選手権があって、12月の頭にU20とユニバーシアードの大会があります。また、国体予選なども重なります。1年生はU20があって、光(佐藤)と自分と梶原(聡人・政経3=北海道清水)と大津(晃介・法2=日光明峰)はユニバーシアードの候補です。選ばれないと、学生五輪と言われるユニバーシアードで海外の選手を見て学ぶ機会も無くなってしまうので、何としてもリーグ戦で活躍してユニバーシアードだけは絶対に行きたいです。
――最後に今後のリーグ戦への意気込みをお願いします。
上野滉:このリーグ戦の結果はいろいろなことにつながってきます。チームのこと、近く控える大会のこと、そして自分の将来のこと。チャレンジして、人生で後悔しないようにやっていきたいです。
――ありがとうございました。
◆上野滉太 うえのこうた 政経4 北海高出 167cm・65kg
―佐藤光―
――ここまでのリーグ戦を振り返って
佐藤光: 夏の動きが良く100パーセントの力を出せた分、まだ夏の半分の力しか出せていないと思います。夏はこっちのスピードでプレーできゴールに向かう姿勢もありましたが、初戦の法大戦は自分たちホッケーができませんでした。法政ペースで試合が進んで危ない場面もあり、明治主導で試合ができなかったと思います。中央に負けて東洋はこっちのペースでプレーができましたが、まだ運動量が足りずサマーの時よりは劣っていると思います。
――具体的に要因は
佐藤光:まずはシュート数が少ないです。なかなかスコアリングチャンスにつながっていません。守りの面では1対1で競り負けていて、ルーズバックも全部敵に取られてしまっています。パスレシーブも雑になっていて、やはり運動量が足りていないと思います。敵がすばらしいというよりも、自分たちのミスで失点していると感じます。そこを直していかないといけないです。
――今のチームに足りないものは
佐藤光:球出しがスムーズではなく1対1で負けています。ルーズバックが遅く先に取られることが多く、ゴールマークに付いていてもシュートを打たれたりという感じですね。夏は敵より先に反応していましたが、今は相手のFWに振り回されてしまっています。東洋戦の前日に全員でビデオを見て、中大戦の失点シーンを『こう対処しなきゃいけない』とボードを使いミーティングで確認しました。
――今年初の陸トレ合宿は
佐藤光: スタッフからの提案がありました。日光の山の中でひたすら坂ダッシュやインターバル、体幹トレーニングを中心にやりました。小川さんや真中新コーチが組んだメニューの下、午前中坂ダッシュをやり、午後はバスで移動しグラウンドでインターバルやダッシュをしました。例年前期のテストが終わると地元に帰り各自調整という感じだったのですが、それだと体力が落ちてしまうので。夏合宿までに1回体力を付けようということでやりました。1回だけ10キロのマラソンをやりましたが、他は短い距離のダッシュでした。テレビもなく陸トレをする以外他にやることがなかったですね。虫もいっぱいいて。(笑い)メンタルも鍛えられるので来年もやったほうがいいと思います。
――夏合宿を振り返って
佐藤光: 氷上でのスケーティングが多く、毎回の練習でダッシュをやりました。最初の一週間は走る系のメニューや1対1を確認しました。氷上でもハードにやったので例年よりきつかったですね。
――合宿の効果は出ていますか
佐藤光: それなりの量を走ったので体力では敵に劣ることはなかったと思います。明治は後半へばる傾向にありますが、夏は運動量を落とさずに走り切れたと思います。スピードも負けていませんでした。気持ちの面でも、あれだけ全員で練習をしていたのでまとまりがありました。ベンチにいてもそれは感じましたね。雰囲気も良く接触などもありませんでした。勝ちに対する執念がありましたし、決めるところで決められました。
――中大戦については
佐藤光:夏の反面、秋は自分たちのミスが多いです。中大戦に関しても6失点するような相手ではなく、自分たちのちょっとしたミスが失点につながりました。夏負けた分相手は研究してきていて、自分たちは夏の半分の力も出せませんでした。失点してからベンチの雰囲気も良くなく、気持ちの面でもばらばらだったように感じました。下級生もチームの中心に多くいるので、負けている場面での対処などでもっとできることはあったと思います。
――FW、DFを見て
佐藤光: 1セット目は選手がスピードを持っている分、スピードを脅威として生かしていきたいです。滉太のセットは上野兄弟のスタイルが他よりも強いです。個性的で性格が変わっているので。(笑い)3セット目はだれが入るのかなかなか決まっていないです。ただ東洋戦では北島(幹久・文2=武修館)が決めてくれて盛り上がっていますね。サマーで勢いが付いて1、2セット目が生きてきました。1年生も入っていますがどこからでも得点していかないといけません。FWはチームの競争が激しいのでレギュラー定着は誰もしていないと思います。DFは自分と組んでいる松金(健太・法1=釧路江南)が春は高校上がりで不安な面もありましたがずっと試合に出ていて、秋はその不安がなくなりました。1年生が4年生と組んでも焦ったり緊張が見えないですね。FWだけというよりも、DFがいい形で球出しをしてつなげていきたいです。GKは矢板(祐介・商2=日光明峰)や永和(佐藤・文3=軽井沢)がサブで入っていますが、優人(伊藤・商4=白樺学園)がケガやコンディション落とすこともあるので、いつでも試合に出られるようにしてもらいたいです。優人がいる間に技術を盗んでもらいたいです。夏は優人に助けられましたが、優人もプライドがあるのでしっかり守ってあげないといけないです。練習に対する姿勢などは選手以上にスタッフが見ていると思いますし、選手もここでアピールしていってもらいたいです。人のせいにしていても自分の成長にはつながりません。
――チームの状態はいかがですか
佐藤光:夏からコンディションが変わってセットどうこうよりも、やるべきホッケーは変わりません。調子が上がり切れていない選手で上位セットに上がってこれていない選手もいます。ケガなど難しい部分もありますが、今はいろんな選手を試していてそれはチームのプラスになっていると思います。サマーでは永井(遼・営2=白樺学園)や滉太のセットが決めるところで決めて、優勝のきっかけをつくってくれました。やはりここ4試合で浮き彫りになったことは決定力不足ですね。改善していかないといけません。秋は最初の3試合がばらばらしていて、中央戦の失点をきっかけにビデオを見ながら見直しました。それがあって東洋戦ではシステムははまっていたと思います。できる時とできない時の波があって、いい時が続かないと練習の意味がないです。いい時を知っている分駄目な時との差が激しいと思います。
――システムを重視した戦いに変わりはないですか
佐藤光: そうですね。ただシステムといっても運動量がなければ(システムは)動きません。早い段階からプレッシャーをかけてパックを奪うことですね。まずは運動量をこれからの氷上で上げていかないといけないです。
――最後に意気込みをお願いします
佐藤光:春、夏とトーナメントは取れましたが、リーグ戦の秋は取れていないので取りたいです。長期間にわたる試合を取り続けるチームは強いですし、自信にもつながります。秋はまだ明治らしさが見えないので、運動量を下げずにスピードのあるホッケーがしたいです。課題は明白だと思います。きれいなゴールじゃなくてもいいので、明治らしさを相手に見せつけて優勝したいです。
――ありがとうございました
◆佐藤光 さとうひかる 文4 白樺学園高 168cm・70kg
[高村洋輔・長堀笙乃]
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