伊澤が得意とするシュート

ここまで８勝６敗の明大。14試合を消化し、現在は中断期間に入っている。明大は皆川徹（営３＝京北）と土井慧吾（政経３＝日本学園）をケガで欠き、インサイドに不安がある。それでも、２人に代わって出場している伊澤実孝（政経２＝愛知産大工）が安定したスタッツを記録。２人の不在を機にプレータイムを伸ばしている。

「いい感触をつかんでいる」
　きっかけは新人戦だった。昨年から出場機会をもらっていた伊澤だが、なかなか長いプレータイムはもらえていなかった。しかし、今年の新人戦では全試合でスターターとして出場。１試合平均20.5点を記録した。４試合を戦い抜き「プレー中に色々なことを考えて打てるようになった」と余裕が生まれた。リーグ戦では途中出場が多かったが、９月18日の白鴎大戦では23分の出場で20得点を挙げるなど、得点やリバウンドでチームに大きく貢献している。
　さらに今年は外からのシュートにも積極的に挑戦している。９月４日の拓大戦では、残り１分で同点の３Ｐシュートを沈めている。「正直自分でもびっくりした」と伊澤も驚いただけに、外からのシュートはまだ発展途上。「外のプレーがあれば、中が楽になると言われてきた」とプレーの幅を広めようと試行錯誤を続けている。

「かわすのも一つの自分の手段」
　伊澤を象徴するプレーといえば、ポストプレーでの独特のフェイダウェイシュートだ。「ななめ後ろやその時々によっていろんな方向に飛んでいるから、説明がしづらい」と伊澤自身も説明がつかない。ポストでの１対１から放つ伊澤流のシュートはバンクショットで、高確率で決めてくる。「変なシュートでとよく言われる」と言いながらも「かわすのも一つの自分の手段」と伊澤は自信を見せる。

「東海青学ではなく、目の前の一戦一戦を考えていきたい」
　皆川のケガによって、チャンスが巡ってきた。土井もリーグ戦前のケガで欠いていた明大は、伊澤をスターターに起用。第２クールに入って、伊澤のプレータイムは一気に増えた。プレータイムが長くなれば、課題も露わになってくる。特にディフェンスではまだ課題は多そうだ。中でも、インサイドの強い東海大や青学大戦では伊澤のポジションが重要になってくる。
　それでも「東海青学ではなく、目の前の一戦一戦を考えていきたい」と伊澤は前を向いた。

［野田樹］