東海大に逆転負け インカレシード権逃す5位に終わる/関東学生秋季1部リーグ戦
最後まで流れを引き寄せることができなかった。松本監督が毎試合口にしていた「勝負所で踏ん張れない」課題がこの試合でも出た。序盤でリードを奪われても、攻守の軸であるGK荻原、エース池辺大貴(政経4=藤代紫水)を中心に前半ラスト5分で見事に逆転に成功。流れは明大に傾いたまま、試合が進むかに思われた。しかし後半に入ると、速攻でパスミス、キャッチミスを連発。そこから逆速攻を何度も食らい、一気に逆転を許した。得点も、東海大がエース池辺にマンツーマン気味になると、ボールがうまく回らず後半は9得点に抑え込まれた。追い上げる場面もあったが「取るべきところで取り切れなかった」(安田祥樹主将・農4=藤代紫水)とやはり勝負所でのミスが響き、再逆転はならなかった。
これで秋リーグを5勝4敗の5位で終えた明大。リーグ序盤は、池辺、荻原の好守の柱の活躍だけでなく、U23代表で一皮むけた堤の成長でセットオフェンスの得点が大幅にアップ。秋から完全にレギュラーをつかんだ池田稔(農2=藤代紫水)や吉野樹(政経1=市川)ら下級生の活躍もあり、春秋連続3位の筑波大を下すなど3連勝。好スタートを切った。しかし「チームの雰囲気がだんだんと下がっていた」(小澤亮太・法4=富岡)と振り返るように中盤以降、チームとして噛み合わない部分も多く、下位チーム相手にも苦戦が続いた。
インカレまでは残り2ヶ月。チームの目標である優勝のためには「課題を挙げればきりがない」(池辺)と厳しい表情で語る。「まずはディフェンスを見直す」(松本監督)と今季の負け試合で目立ったディフェンスでの立て直しを最重要課題として挙げる。
シード権こそ逃したが「今年のチームは個の力はある。後はそれをチームとしての力にいかに還元できるかだと思う」(池辺)とインカレで頂点を狙える力は十分持っている。期待されながらもリーグ5位に終わった悔しさ胸に、安田主将は「インカレでは絶対に汚名返上する」と巻き返しを誓った。
[真島一郎]
試合後のコメント
松本監督
「課題であるミスが多くて全然だめな試合だった。勝負所で踏ん張れない。練習から意識させているのだが、リーグを通してディフェンスや速攻でのミスが絶えなかった。今日に関しては東海大も速攻がうちよりよかったし、この負けは今のチームの実力だと思う。インカレまでに、チームとしてもう一つぐらいディフェンスのシステムを増やさないといけないかもしれない。ハンドは守って速攻が基本のスポーツ。しかし今のうちは守りでリズムが作れずに、流れが持ってこれない。オフェンスに関しては、吉野や池田が入ってセットでだいぶ点が取れるようになってきた。それでも池辺がマークされたり、いなくなった時に、堤の出来がそのまま結果につながってしまうことが多かった。堤はシュート力もあるけど、まだミスが多いし、チームとして彼をもっと機能させていかないといけない。リーグ全体を振り返ると、最初がいいスタートが切れたけど最後はなかなかうまくいかなかった。ディフェンスが思ってる以上にできていない部分が多かった。まずはディフェンスを見直す。インカレまでに立て直すことは多いが、しっかりやって上を目指していきたい」
安田主将
「これが実力ってことかな。1つ2つ取っても3つ目が取れない。取るべきところで取れなかった。だから、接戦になるし、負けてしまった。こういうことが続いたのに、修正できなかった結果。優勝狙ってやっていただけに、今季の結果はふがいない。インカレに向けて、ディフェンスは連携をよくする。オフェンスは決められるところで決められるようにする。速攻はコンパクトに、しっかり走り込む。1つ1つのクオリティーを上げていく。キャプテンとして、まだまだ未熟。インカレでは汚面返上しなければならない。チームが勝つためにも4年生がやらなければならない。インカレまでの期間1日1日を大切にしっかりやっていけば、勝ち進んでいける」
池辺
「監督にも言われたが、これが実力。いい時はいいけど、悪い時が悪すぎる。その波をいかに減らしていけるかがインカレでの成績につながってくると思う。リーグ全体を振り返ると、最初は雰囲気良く入れてこの調子でいけばって感じだったんですけど後半はズルズルと負けてしまった。悔しいけどこれが結果なので認めなくてはいけない。(チームとして下級生が伸びてきたが)層が厚くなったと言えば厚くなったんですけど、個の力が上がっても結局はチームスポーツなのでその力がチームに還元されていかなければ意味がない。リーグは終わったけど、インカレがまだある。この悔しさをぶつけるためにあと2ヶ月やっていかないといけない。個々の力は十分にある。うまくそれがチームの力になれば優勝だった狙える。課題は挙げればきりがないですが、とりあえずはチーム全員で意識して、守る、走るというところをまずは徹底していきたいです」
荻原「今日はチームでミスが多くて全然駄目だった。最悪の試合。フィールドのミスが多く、逆速攻をやられてしまったりリバウンドが取れなかったりと良くなかった。ミスはやっぱり気持ちの問題。今までも相手に合わせた試合をしてしまったりしていたり変な余裕があったりしていた。インカレは3試合目が大事になってくるが今のままだと初戦から危ない。なんとか立て直さないといけない」
小澤
「今日の試合は実力の差が出た。ディフェンス、オフェンス、速攻全てで差があった。点を取っても追い付かれて、自分たちのペースにできなかった。今季のリーグ戦は、初めは良かったが、チームの雰囲気とかがだんだん下がっていった。あと2カ月で悪い点を直して、インカレは負けたら終わりなので勝たなければいけない。今は速攻が噛み合っていないし、走れていない。ディフェンスの足も動いてないので、4年生で話し合って練習していきたい。インカレでの目標は優勝。悔いの残らないような試合にし、ハンドボールとは何かを見つけていきたい」堤「ミスが多い試合だった。ディフェンスが守れなく、オフェンスも上手くいかなかった。今季のリーグ戦は、前半は良い感じだったが最後はだめだった。前半のディフェンス良かったが、結局5位なので良いところはない。目標はインカレ優勝だが、今のままでは口だけになってしまう。意識を変えていかないと、強いところとあたったときに大差で負けてしまう。リーグ戦ではディフェンスで守れず速攻されてしまうことが多かったので、そこを改善したい。ミスの少ない試合にして、負けないようにしたいです」
池田
「後半競っている時に、自分たちの速攻やオフェンスのミスが出て、そこから逆転された。こういうところはチームの課題でもあった。昨日からはしっかり切り替えて行こうとしたが、速攻のミスが目立ってしまった。個人的には後半戦に入っていくにつれて、調子が落ちて行ってしまった。池辺さんや堤さんはマークがきつい。そこで、自分や吉野がしっかりできていないといけない。でも、自分たちのミスは多かったと思う。インカレでも2人のマークはきつい。自分たちがしっかりしたい。負けたら終わりのトーナメント。全力で挑みたい」
吉野
「前半1点リードで終われたのは良かった。追い上げているときには個人的にも楽しくやれていた。後半に入って池辺さんにマンツーマンでつかれたときに、ボールが回らなくなってしまった。前半が良かったので後半もそのままいきたかったけどうまくできなかった。荻原さんがしっかり止めてくれている中で自分たちのペースにもっていけなかったのは申し訳ない。インカレはひとつずつ勝っていくしかない」
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