第3ピリオドで一挙4点 慶大相手に勝ち点3奪う/関東大学リーグ戦

 苦しみながらも勝利した。第1ピリオドでルーキーのDF松金健太(法1=釧路江南)が先制点を獲得した。しかし、第2ピリオドでは攻撃の足が止まり、慶大に逆転を許してしまう。それでも、第3ピリオドでは、一気に4点を奪う猛攻を見せ、相手を圧倒。2試合ぶりに勝ち点3を手にし、通算成績を3勝1敗1分とした。
 

 試合終盤のプレーが勝負を決めた。試合が動いたのは、第1ピリオド9分59秒。華麗なパス回しから、最後は松金がゴールを奪い、先制点を獲得した。その後もゴール前で再三チャンスをつくったが、なかなか追加点が奪えず、迎えた第2ピリオド終盤。一瞬のスキを突かれ、金村(慶大)に同点ゴールを決められてしまう。さらに、同ピリオド残り48秒。素早いパス回しから、またも金村にこの試合2点目となるゴールを決められ、逆転を許した。それでも、明大は第3ピリオドで怒とうの攻撃を見せた。まずは5分6秒に、FW上野峻輔(政経1=北海)がリーグ戦初得点となるゴールを決めて、同点。続く7分14秒にも、DF佐藤光主将(文4=白樺学園)の2試合連続ゴールで逆転に成功した。最後は、FW上野滉太(政経4=北海)がダメ押しとなる5点目を決めて勝負あり。貴重な白星をあげた。

バースデーゴールを決めた松金<
バースデーゴールを決めた松金

 序盤から流れを引き寄せた。「今までの試合に比べて、第1ピリオドの動きが良かった」(藤井匡智監督)と主導権を握った明大は、立て続けにゴールを狙った。しかし「相手がゴール前を固めてきて、そこにはまるようにシュートを打ってしまった」(佐藤光)と思うように得点できない。それでも、第1ピリオド9分56秒。今日19歳の誕生日を迎えた松金が先制点を奪い、明大に2試合ぶりの先制点を呼び込んだ。「ゴールの瞬間はバースデーゴールだなと思った。周りのみんなから『誕生日にゴールを決めろよ』と言われていたので、結果が出せて良かった」(松金)と周りの期待に応え、誕生日を自らのゴールで飾った。

 窮地に追い込まれた。第2ピリオドも、序盤から明大が試合のペースを握った。同ピリオド7分4秒では、江口(慶大)のペナルティーによりパワープレイに。数的有利になった明大は、相手ゴール前で度々シュートを打つも追加点が奪えない。そんな中、迎えた15分32秒。「足が動かなかった」(上野滉)と一瞬のスキを突かれ、金村(慶大)に同点ゴールを決められてしまう。さらに、同ピリオド終了間際にも「自分たちのつまらないミスから失点してしまった」(藤井監督)と金村(慶大)がこの試合2点目となるゴールを奪い、リードを許して第2ピリオドを終えた。

 怒とうの攻撃で勝利を決めた。1点ビハインドと追い込まれた状況を打開したのは、主将の佐藤光だった。「気持ちを入れ替えて、第3ピリオドに入った」(佐藤光)と、ブルーラインから打った強烈なシュートはゴールネットに突き刺さり同点に追い付く。続く7分14秒にも、DF高木俊吾(政経1=駒大苫小牧)からのパスを受けた上野峻が左サイドから冷静にパックを押し込み、リーグ戦初得点となる逆転ゴールを決めた。その後も攻撃の手を緩めない明大は、14分42秒に上野滉が「負けちゃいけないという気持ちが第3ピリオドでは出ていた」とダメ押しとなる追加点を奪い、一挙に4点を獲得。藤井監督も「第3ピリオドは点を取りに行くんだという気持ちがプレーに表れていた。この動きを次の試合に繋げていきたい」と手応えを感じた。

 負けたら優勝接戦から脱落する大事な一戦に勝利した明大。それでも「明治らしいホッケーができなかった」(佐藤光)と納得のいく試合には遠かったが、最低限の勝利に加えて「DF松坂(拓磨・政経2=北海)と高木は与えられたチャンスを生かし、安定したプレーをしている」(藤井監督)と収穫もあった。次戦の日大戦に向けては「勝ち続けないといけない。それだけです」と上野滉。「負けたり、引き分けたりした後では遅い。危機感を持ってやっていきたい」(藤井監督)。優勝へ望みを繋げた明大が、崖っぷちから頂点を目指す。

[加藤拓哉]

試合後のコメント
藤井監督

「今までの試合に比べて、第1ピリオドの動きが良かったです。しかし、結果的に第1ピリオドでは1点しか得点を奪えなかったので、うまくリズムに乗れなかったです。ここでもっと得点を奪えていれば、いい流れで試合を進められたと思います。また、第2ピリオドでは、思った以上に攻められて、自分達のつまらないミスから失点してしまったり、相手の勢いに負けていた場面がありました。『守りの時間も動こう』という意識でやってきたが、守りの運動量だったり、攻めから守り、守りから攻めの動きが遅かったです。その結果、第2ピリオドで慶大に逆転されてしまったのだと思います。でも、第3ピリオドは点を取らなければという追い込まれた状況に陥ったことで、選手達の点を取りに行くんだという気持ちがプレーに表れるようになりました。ゴールに向かう姿勢も良かったと思います。この第3ピリオドの動きを次の試合に繋げていきたいです。また、ケガをしている選手がいる中で、高木や松坂は与えられたチャンスを生かして安定したプレーをしていました。この2人の姿に刺激を受け、他の選手達が『自分も』という気持ちで練習から頑張っていき、ポジション争いがさらに激しくなっていければ良いと思います。今後は負けられない試合が続いていきます。負けたり、引き分けたりした後ではもう遅いです。危機感も持ってやっていきたいです。選手達には『もう負けられない』という気持ちを前に出してプレーして欲しいです」

佐藤光
「今日の勝利は危ないどころじゃなかったです。いつもの明治の出だしの悪さが出てしまいました。慶応の守りが良くてゴールを固めてきて、そこにはまるようにシュートを打ってしまっていました。相手のプレッシャーが良かった分、守りの時間が長くなりました。気持ちにむらがあって、それがチーム力に影響してしまったと思います。2ピリ終わった時点で負けてて、気持ちを入れ直して3ピリに入りました。結果的には追い込まれてから自分たちのプレーができて、得点できました。ただ1点差だったから良かったけど、もしあそこで2、3点差があったら逆転できなかったかもしれないです。夏できていた気迫あるプレーができていないし、ここで危機感を感じてプレーしていかないといけないと思います。シュートも単発になってしまったものが多かったし、セカンドブレイクもうまくいかなかったです。相手のほうが粘りのプレーができていて、止まった後も先に動いていました。慶応はしっかり声出ししてまとまりのあるプレーをしてきました。明治も決まり事はあるけど自分勝手なプレーが目立ちました。また、反則についてしょうがない反則もあるけど、必要のないプレーで反則をしてしまいました。相手はパワープレーがうまくてしっかりスコアしてきたと思います。しっかりプレーできれば5対5で失点することはないからキルプレーの時の失点をなくしたいです。今日の収穫は本当に勝てただけです。明治のホッケーができなかったです。次戦の日大戦は今日の3ピリのような気持ちを持って得点を重ねていきたいです」

上野滉
「ドタバタしたゲームになってしまいました。反則で流れを崩してしまったし、最初に反則をしたのは自分なので、そこは申し訳ないと思っています。日頃の練習の取り組み方が、土日の試合に直結して表れていると思います。得点したが、4ー3を5ー3に出来たというだけです。ただ、2点差に広げられたのはよかったです。第2ピリオドは、足が動かず目で見てプレーをしてしまいました。シュートリバウンドも叩けなかったです。今日の試合で勝たないと優勝の可能性は無くなっていましたし、その全員の負けちゃいけないという気持ちが第3ピリオドに出ていました。でも最初から出せないようではしょうがないです。次戦は新横浜については、問題ないです。少し固い分、走りやすいのでFWはスピードが出せると思います。今まで土曜に試合だったのが日曜になるので、コンディション調整には注意したいです。次戦はこういった展開の試合はしたくありません。勝ち続けないといけない、それだけです。自身もポイントで、チームに貢献したいです」

松金
「チームとして、1ピリの立ち上がりは悪くなかったです。2ピリは、後方へのパスをカットされるなどして流れが悪くなりました。キープする余裕があったからかゴールに向かわないなど、消極的なプレーでした。3ピリはうまく立て直せました。スタッフや(佐藤)光さんに気合いを入れられました。自らの得点はFWが構えているところでいいパスをくれました。もう少し上を狙ってシュートしたのですが、キーパーが弾いてギリギリで入ってよかったです。また、誕生日にゴールを決められて嬉しかったです。入った瞬間は、バースデーゴールだなと思いました。誕生日に試合があったのは初めてだったし、周りにも『誕生日にゴール決めろよ』と言われていたので結果が出せてよかったです。今後は負けられない試合が続きます。結果を出さないと。チームに貢献して、いい流れを作りたいです」