八木沢が5000mで明大新記録/日体大長距離競技会

2013.09.30
 学生三大駅伝初戦の出雲駅伝を約2週間後に控える中、日体大記録会が行われた。最終42組に出走した八木沢元樹(商3=那須拓陽)が13分28秒79の明大新記録をマーク。他にも牟田祐樹(農2=西武学園文理)ら9名の選手が自己ベストを更新した。

 圧巻の走りだった。実業団選手も多く出走した最終組。スタート後八木沢は集団真ん中でレースを進める。レース後半、外国人留学生のガディア(仙台育英学園高)が抜け出し集団がばらけ始まると、徐々に順位を上げていった。ラストの1周は猛烈なスパートをかけ、2着でゴールに飛び込んだ。「自分で驚いた」という走りで、鎧坂哲哉選手(平24営卒=現旭化成)が2011年にマークした明大記録を塗り替えた。

「(今年は)故障者が少なく、練習を積めている選手が多い」(西弘美駅伝監督)と、各選手が夏合宿で練習をしっかり積めていたことが、今日の記録に現れた。出雲駅伝が迫る中、多くの選手にとって自信となるレースだった。

[岡本幸大]

試合後のコメント
西駅伝監督
「(今日の大会は)期待とかけ離れていた人もいれば、期待以上の人もいる。全部が全部いいわけではないが、合宿空けのタイミングでは、チーム全体としてはまずまず。(八木沢は)あそこまで走るとは思ってなかった。50を切るくらいの自己ベストではくるかなとは思っていたが。(位置づけは)合宿空けのスピードチェック。夏に長い距離を走りこんできた中で、どれだけ5000mが走れるかをはかった。(今のチーム状態については)夏合宿を終えて、故障者が例年と違って少ない。練習を積めている選手が多い。(出雲駅伝について)オーダーはある程度固まっている。あとは調整段階での調子を見て決める。目標は3番以内。実力を出せれば目指せる順位だから、出せるようにしっかりもっていく」

山本豪コーチ
「(八木沢は)予想をはるかに上回るできだった。50を切るくらいで走ってくるとは思ったが、まさか30を切るとは。一つには気候が良かったというのもあるが。調子はずっといい。例年と違い、練習がしっかりやれている。もともと中距離の実績を持って入学してきて、1年から箱根にも出ていて体がついていっていない部分があった。練習する体、長距離に耐えうる体ができてきたのかな。(チーム全体の結果について)自己ベストが出ている選手もいて、環境も良かった。主力の中では外した選手もほとんどいず、悪いなりにまとめたという印象。ずっと主力の3年生が実力をしっかり作ってきたこと、同時に競技に対する意識をしっかり持っていることが結果につながっている。出雲のメンバー争いもあり、緊張感もある。今日の記録は額面通り受け取るのではなく、ひとつの励みとしてやっていけたら。(出雲までの2週間は)調整をしっかりしていく。ケガをしないように。目標は3位くらい。1区で遅れたら取り返しがつかないから、そこが勝負。調子を見て、区間配置は決まると思う」

廣瀬大貴(営4=洛南)
「正直まだいけたという感覚はある。余力はあったし、単独走で走ってしまった部分もあった。75点ぐらいのレースだった。一応ベストだったが、途中のペースアップで着いていけなかったのが悔しい。ハイペースは覚悟していた。集団の中で動けなかった。調子は徐々に上がってきているし、駅伝でもいい走りができると思う。夏合宿も順調に走り込めたし、その結果として今日の結果だったと思う。駅伝シーズンが楽しみ」

前野貴行(農3=須磨学園)
「1年振りのレースだったので、とにかく勘を取り戻そうと思っていた。タイムはベストではなかったが、シーズン始めとしては十分な結果だと思う。チームは3大駅伝優勝に向かって、一丸となってやっていきたい。個人としては、メンバーに選ばれること。そしてそこでチームに貢献できるように、これから調整していきたい」

松井智靖(営3=世羅)
「今日は13分台を狙っていたので悔しい。ただ、自己ベストを出せたのはよかった。トラックシーズンは全然走れなかった。ロードシーズンは頑張りたい。今年の1年生は元気がない気がする。もっと頑張ってほしい。3年生は仲がよくてみんなで切磋琢磨して頑張れている。さらに互いに刺激を与えあって頑張りたい」

八木沢
「こんなタイムが出るとは。自分で走りながら驚いていた。最初は集団についていって、前をうかがっていた。ばらけたのを上手く利用して、徐々にペースを上げることができた。今日のレースは自信になったし、本当にいいタイム」

山田速(商3=西脇工)
「結果より、3000mを8分15秒で突っ込むという設定をクリアできなかったことが悔しい。ラストは上がったので良かったが、中盤の粘りが足りない。明らかにペースが落ちているのが自分でもわかった。夏合宿の疲れはまだ抜け切っていないし、スピード練習も入れていないから万全な状態ではない。それでも、出雲に向けて大事なレースで後輩に負けてしまったのは情けない」

木村慎(商2=浜松日体)
「距離を走って十分に準備して臨めた。前半から積極的に前について行けた。3000mで8分21秒で、そこでまだ余裕があった。ゴール時は『牟田に抜かれた』という悔しい気持ちだった。自分にはラストが無いので、それまでに離しておきたかったが、牟田も粘ってついて来ていた。それでもタイムを見て、高校時からの目標であった13分台を出せて嬉しかったし、自信になりました」

牟田祐樹
「積極的なレースをしていこうと思っていた。気候も走りやすかったし、前に木村も走ってて、お互い競っていてお互い同期には本当に負けたくないっていう気持ちがあった。調子はそんなに良くなかったんだけど、自己ベストだった。だけどこれで天狗になることなく、いままでやってきたことを一つ一つコツコツやっていきたい」

横手健(政経2=作新学院)
「自分にとっては設定タイムの遅い組で走った。その中で、監督からは14分一桁で走ろうと言われていたので、結果的に14分8秒74で走れたことは良かった。さらに、後半しっかりと走れたのも良かった」