Aブロック4位で残留 創部初の信夫杯出場も決定/関東女子大学秋季Aブロック対抗戦

2013.09.27
 新たな歴史をつくった。今春Bブロックを制した明大が604ストロークでAブロック4位に入り、残留を決めた。また、上位4校に与えられる信夫杯争奪日本女子大学対抗戦への出場権も、平成元年の女子部創部以来初めて獲得。日本女子学生4位の佐藤千紘(商4=日大高)がチームで唯一2日続けてアンダーを出した。昨秋5位と38打差の惨敗を喫したチームが粘りのゴルフで快挙を成し遂げた。

 重圧をはねのけた。2位タイで最終日を迎えたが、6位との差は7打のみ。この日も明大はスコアを伸ばせず、残留争いに巻き込まれていた。それでも、エースがチームを救った。最終組で回った佐藤千は最終18番パー5。3打目をピン手前3mにつけると「下りのラインだったが、バーディーを狙うために外しても仕方ないという気持ちで強く打った」。このバーディーチャンスをしっかり決め、真剣な表情が一転して笑顔に変わった。「信夫杯を狙えると思ったし、出るためには私が結果を出さなきゃいけないと思い、多少プレッシャーもあった」。ホールアウト後、信夫杯出場が決まったこと周囲から知らされると、佐藤千は人目もはばからず涙を流した。

 主将として黙ってはいられなかった。1日目終了後、ミーティングで佐藤千は厳しい言葉を部員に発した。「ハーフを40台で回っても笑顔を見せている選手がいて、腹立たしかった。Aブロックで戦う厳しさが分かっていない選手が多く、甘さがあった」。佐藤自身、昨年、おととしと日本女子学生で2位。「何かを持って帰らないと意味がない」と大舞台で涙をのんできたからこそ、上位進出のためにあえて苦言を呈した。

そんな主将の言葉にチームメートも奮起。「厳しい言葉にプレッシャーもあったが、それで気持ちが締まった。先輩をなんとか信夫杯に連れて行きたかった」と蛭子佐智(商3=拓大紅陵)。日本学生に出場した山本気恵(営1=米子北斗)が2日続けて4オーバー以内で回ると、1日目に80をたたいてしまった古橋みづき(政経3=明大中野八王子)も「前日の借りを取り返したかった」と、76の3オーバーと粘った。追い上げを図る他大学を振り切り、5位と1打差で全国への切符をつかんだ。

 初の大舞台に向けて、気持ちは高まっている。平成元年の女子部創部以来、B、Cブロックでの戦いが主だった。昨春5年ぶりのAブロック昇格を果たしたが、秋は5位に38打と大差を付けられ、1シーズンで逆戻り。それでも佐藤千を中心に、一人一人が少しずつ実力をつけてきた。信夫杯は約1ヵ月後。信夫杯直前に個人の全国大会である朝日杯にも出場する佐藤千は「連戦が続き、体力勝負になるが、朝日杯でいい結果を出してその流れを団体戦につなげていきたい。信夫杯は順位に関係なく、みんなが納得するプレーをできたらいい」と意気込む。さらなる部の発展へ、これからも新たな歴史をつくり続ける。

[桑原幹久]

佐藤千
「信夫杯に出場することが決まってとにかくうれしいですし、涙が止まらないです。2日間とも2アンダーで回れたことは良かったと思います。11月に受けるプロテストに向けて、これくらいのスコアを出すことは普通なのかもしれませんが、いい弾みになったと思います。チームとして信夫杯を狙える位置にいると思っていましたし、そうするには私が結果を出さなきゃいけないとも思っていたので、多少プレッシャーもありました。こういう状況でなければこういったプレッシャーはなかったと思います。みんなを全国に行かせたいという気持ちと自分のプライドとして行きたいという気持ちを持っていました。最後の18番は下りのラインだったのですが、バーディーを狙うために外しても仕方ないという気持ちで強く打っていきました。集中してアドレナリンが出ていたのであまり覚えていませんが(笑い)。ハーフを回った後に、周りのスコアも聞いていたので、私がまくっていかないといけないと思い、なんとか耐え切れました。チームのことを言うと厳しいようですが、まだまだだと思います。ノルマだった75を出せた選手は一人しかいませんでしたし、個人で日本学生レベルの選手がもっといないと優勝は厳しいです。1日目は2位でしたが、全くいいチーム状況ではありませんでした。ハーフを40台で回っても笑顔を見せていた選手もいたので、腹立たしくて昨日ミーティングでは厳しいことも言いました。Aブロックの厳しさを知らない選手が多く、2位という結果に甘さがありました。私自身、昨年、おととしと2年続けて日本学生で2位になり、優勝できないことのつらさは分かっているつもりですし、何かを持って帰らないと意味がないということも重々分かっています。遠回しに言って分かる選手たちではないと理解していますし、はっきり直接言わないといけないチームということを考えた上で厳しいことを言いました。今回は上位3校に入ることはできませんでしたが、信夫杯出場権というものを持って帰れることは大きいと思います。上を追うことに加えて、下から追われることも考えなきゃいけなかったので、精神的に疲れました。1年生の時は部全体のレベルも高くなかったですが、よくここまで来たと思います。日本学生ではあまり気持ちが向いていけませんでした。でもこのまま終われない、上位の人をリーグ戦では上回ってやろうという気持ちはありました。次は個人の朝日杯、団体の信夫杯と続いて体力勝負になりますが、個人でいい結果を出してその流れを団体戦につなげていきたいです。信夫杯は順位に関係なく、みんなが納得するプレーをできたらいいと思います」

蛭子
「1日目は耐えることができていたのですが、2日目は緊張からなのか思うようにゴルフができませんでした。もっと調子の波をなくすように練習したいです。でも全体として信夫杯に出れることが決まったので、とにかくうれしいです。チームとして先輩が最後のリーグ戦ということでなんとか信夫杯に連れて行きたいという気持ちがありました。前日のミーティングでは厳しい言葉も出てプレッシャーもありましたが、それでみんなの気持ちが締まったと思います。信夫杯は初めての全国大会ということでどんな雰囲気なのだろうと楽しみです」

古橋
「昨日80を出してしまい、今日は取り返さなきゃという気持ちで臨みました。前半はパーで耐えることができたのですが、後半はバーディーホールが多いのに、ボギーが多くなってしまいました。終盤は集中力も切れてしまったので、反省したいです。とにかくパターが全然駄目でした。合宿では良かったですが、練習ラウンドから狙ったところにいかず、本番でもそのままでした。チームとしては初めての信夫杯に出れるということで、最後が良ければそれでいいと思います。信夫杯でも上位を狙えると思うので、頑張っていきたいです」

中田綾乃(商1=盛岡中央)
「1日目より悪いスコアになってしまい、足を引っ張ってしまいました。なかなか耐え切ることができませんでした。全体的にボギーが多かったです。昨日はあのスコアで2位だったので、今日はもっとスコアを伸ばそうとしたのですが…。Aはレベルが高いですし、自分にとって刺激になりました。ショットの精度やメンタルの強さは学ぶところだと思います」

山本
「2日間ともあまり調子が良くなかったです。アプローチが寄ってくれて、パターもなんとかなったので、この結果になったと思います。東北福祉の選手はどこからでもバーディーが取れてすごいと思いました。日本学生から調子が悪かったのですが、その時にアプローチの大切さを学んで、それからアプローチの練習を中心にやっていったことが出せたと思います。あの大会は本当にいい経験になりました」