勝利まであと26秒 東洋大と引き分ける/関東大学リーグ戦
一瞬の隙を突かれた。2対1とリードして迎えた試合終了残り2分、東洋大はキーパーを下げ、6人攻撃に出てきた。勝ち越し後は我慢の時間帯が続いていたが、相手の決定力不足にも助けられ、何とか防いできた。だが、残り26秒。自陣ゴール前でパックを回されると、力で押し込まれた。痛恨の同点ゴールに選手はうなだれた。「1点の勝負で、ハードに動かないで、楽に守備をしてしまった。もっと体を張らないといけない場面だった」と藤井匡智監督。つかみかけていた勝利がするりとこぼれ落ちた。
立ち上がりは好調だった。2日前の大敗から巻き返し、第1ピリオドは序盤から積極的にゴールに迫った。FW大津晃介(法2=日光明峰)、北島らがシュートを放ちゴールを狙う。しかし7分57秒、FW工藤翔介(政経1=北海道栄)がクロスチェッキングでメジャーペナルティーを犯し、退場処分に。5分間を1人少ない状況で戦うことになってしまった。そのキルプレー中、ゴール前にこぼれたパックを押し込まれ失点。前節の対中大戦に続き先制を許す。
それでも13分14秒、DF佐藤光主将(文4=白樺学園)がブルーライン際から鋭いシュート。相手GKは反応したもののシュートの勢いが勝り、弾かれたパックはゴールへ。失点から早い段階で同点に追いついた。「序盤から勢いよく明大の流れでホッケーができた」と佐藤光が言うように、これまでの3戦と比べて内容は良くなっていた。攻撃陣は運動量が増し、前節立ち上がりで失点し崩れた守備陣もこの日は安定した。6失点を許した中大戦後、その試合の自分たちのプレーをビデオで見て、ポジショニングを確認。短時間で修正を図ったことが奏功した。
同点で迎えた第3ピリオドに一時勝ち越しとなるゴールを決めたのは北島。前線でパスを受けると、細かいタッチで冷静にパックをさばく。相手DFのチェックも少なく、フリーに近い状態のままゴール前でシュート態勢まで持ち込んだ。パックをキープしたままシュートコースを確認すると、相手GKもパックに触れられないゴール左上に流し込んだ。「パックを持って相手DFを見たら、スティックと足の間が空いているのが見えた」。ゴール前での落ち着きが光った。
新たな課題も見えた。「FWの力が落ちていて、点が取れないことが苦しい展開につながっている」と藤井監督が言うように、FWの決定力不足が目立った。この日も、パックは回しているが、決定的なシュートにつながらず。結果的に追加点が奪えなかったことが、試合終盤の苦しい守備につながった。さらに、守備陣が1点のリードを守り切れなかったことも事実。最初の失点は不用意な反則が引き金となった。無駄な反則をなくし、数的不利の状況を作らないことが必要だ。
早くも1分け1敗。昨年は最終的に2敗1分けで優勝を逃しただけに、もう負けは許されない。「悪い流れを断ち切って、いい流れを取り戻せるようにしたい」と北島が次を見据えれば「もう負けられないという気持ちになれるかどうか」と藤井監督も選手に奮起を促す。続く慶大戦で再び流れをつかみたい。
[高田悠太郎]
試合後のコメント
藤井監督
「勝ち切れないのが、現状の力だと思います。100%がどこかと言われれば分かりませんが、まだ力は出し切れていないと思います。まだまだやれると思いますが、そうこうしているうちにリーグ戦は終わってしまいます。プレーと気持ちが伴わないと。もう負けられないという気持ちになれるかどうかだと思います。対中大戦は気持ちの準備ができていなかったが、そこは修正できたと思います。FWの力が落ちていて、点が取れないことが苦しい展開につながっていると思います。ゴールに向かわずシュートも打たず、パスを回しているだけになってしまっています。(セットを変えたが)かみ合わなくなってきたと感じて、得点することを狙って変えました。(北島が一時勝ち越しとなるゴールを入れたが)自信になると思います。点数を取れる選手だし、持ち味は出たと思います。(終了間際の失点は)1点の勝負で、ハードに動かないで、楽に守備をしてしまった。もっと体を張らないといけない場面だった。悔いがないわけはもちろんない。非常に厳しい失点だったと思います。(慶大戦に向けて)全体の1つ1つのプレーの確認をします。あとはハート面です。全員がそういう気持ちにならないと、チーム力にならない。1回の練習を大事にして、1試合でも多くいいプレーをしたいです」
佐藤光
「これまでの3戦に比べれば序盤から勢いよく明治の流れでホッケーができたと思います。でもゴール前で決定的な仕事をできなかったです。決定打を決め切れずずるずるいってしまい、接戦になってしまいました。FWの決定力は課題ですね。これを克服しないと連勝は厳しいです。守備に関してはだいぶ良くなってきました。中央戦は相手より自分たちに課題があると思ったので、ビデオを見て、ポジション取りの確認をしました。試合でも声を掛け合って5対5ではしっかりやれたと思います。でもいらない反則をきっかけに失点してしまったので、そこは反省点です。慶応戦まで練習できるので、明確になった課題を克服していきたいです。また、ベストコンディションでない試合が目立つので、慶応戦では100%を出して負けないようにしたいです」
北島
「おとといの中大戦で負けて、今日は大事な試合だったので落とさないようにと挑みました。前節はシュートを2倍近くも打たれてしまったので、意識してシュートを狙いました。3つ目(のセット)の役割は失点しないことだと思っています。少しでも勢いづけようと思ってプレーしました。(一時勝ち越しとなるゴールは)パックを持って相手を見たら、スティックと足の間が空いているのが見えました。そこを狙って、間を抜けてシュートしました。3ピリの前で同点だったので、ここで決めたらヒーローだし、なってやると意気込んでいました。(慶大戦は)悪い流れを断ち切って、いい流れを取り戻せるようにしたいです。チームに勢いをつけるプレーをしたいです」
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