日体大との激闘制し、全勝で後半戦へ/秋季関東大学男子1部リーグ戦

2013.09.25
日体大との激闘制し、全勝で後半戦へ/秋季関東大学男子1部リーグ戦
 全員でつかんだ勝利だった。ともに全勝で迎えた春季王者の日体大戦。フルセットまでもつれこむ接戦となったが最後は相手のミスにも助けられ、見事勝利。開幕6連勝で単独首位に立った。

 日体大は明大が初優勝を果たした東日本インカレ決勝で対戦し、フルセットの末勝利した相手。「負けられない、勝とうという気持ちが強かった」(大塚陸主将・政経4=日本航空)と春季リーグ戦王者にも強気で攻めた。1セット目は有田賢史(政経3=福大大濠)、杉本匠(政経3=聖隷クリストファー)のサイドからの攻撃が効果的に決まり、追いつかれたものの29―27で接戦をものにした。

 流れに乗り切れなかった。「2セット目は自分たちのミスで相手に点を与えてしまった」(中村悠貴・文3=習志野)とミスからリズムを崩した。守りに入ったところで日体大の鋭いスパイクを次々に決められ、このセットを落とす。3セット目は奪い返し、セットカウント2―1とするも「リードしている場面で緩んでしまう」(大塚)と4セット目は序盤から日体大のペース。終盤には5連続得点を許すなど、最終セットに向けて暗雲が立ち込めた。

 劇的な逆転だった。最終セットは一進一退の攻防が繰り広げられた。しかし「流れは日体大にあった」(佐藤拓真・政経4=山形南)とマッチポイントを先に握られてしまう。1点取られたら負けてしまうこの場面で杉本が見事サービスエースを決め「いけると確信した」(中村)とチームの雰囲気が一気に盛り上がった。そのままの勢いで逆転すると、最後は相手のスパイクがアウトとなり明大が全勝対決に競り勝った。

 全勝ターンだ。この勝利で開幕6連勝となり、首位で折り返し。このままいけば優勝も見えてくるが「ここから5つ負けたら春と同じ勝ち数。まだまだこれから」(大塚)と、今後も慶大、順大、中大といった強豪校との対戦が続く。高い壁を越えたその先に、表彰台の頂点が待っている。

[石渡遼]

試合後のコメント

大塚
「負けられない、勝とうという気持ちが強かった。切り替えを早くして、自分たちのリズムをつかもうという意識で試合に臨んだ。勝てたことは素直にうれしい。でも、4セット目に抜けた部分があった。今のチームは3年以下を中心に4年任せにしない意識が強い。下級生から受ける影響も大きいし、感じるものがある。(ここまで全勝だが)まだまだこれから。ここから5つ負けたら春と同じ勝ち数なので。相手の対策をしっかりして一戦一戦臨みたい。課題としてはやはりリードしている場面で緩んでしまうこと。全体の雰囲気として感じている」

新貴裕(営4=石川県工)
「開幕6連勝は最高。今年は試合中でも練習中でもみんな笑っているし、いい意味で切り替えがしっかりできているのかなと思う。調子はいいし、後半戦もしっかり勝っていきたい。やっぱりいい意味で仲良くやれているのが6連勝の大きな理由。試合中にごちゃごちゃしているようなチームではやはり勝てない」

鎌田将人(法4=城山)
「飯塚がいなかったから、みんなで彼の分も頑張った。最後まで勝負を捨てなかったのが今日の大きな勝因だと思う。後半戦残り5つもしっかり勝つ。ここで負けたら結局春と一緒になってしまう。一戦一戦、一点一点確実に取りにいく」

佐藤
「勝てて、素直にうれしい。ケガやアクシデントがあって、きつい状況でも勝てたことは自信になる。要所でブロックが決まって、レシーブが良かった。ラリーが続いても粘り負けなかったのでそこも良かった。大塚、杉本が頑張って、2段トスも決めてくれたのは大きかったと思う。5セット目は流れが向こうにあったけれど、杉本のサーブとかブロック、ムードで盛り返すことができた。自分のブロックが決まった時は、自分の仕事が果たせてチームが盛り上がるのがうれしかった。今後は苦手なチームが多いけれど、ここまで来たらそんなことは言っていられないので勝ちにこだわった試合をしていきたい。ここから新しいことに取り組むほどの時間はないので自分たちが持っているものの精度やアベレージを上げていく。残り5戦も勝ち切って優勝する」

杉本
「結構何回かしんどくて負けそうになった。セットが取れると油断して休憩してしまった場面があったので、そういうところはなくしていかないといけない。飯塚さんがいなくて、新さんからは『お前だけしかいない』と言われていた。正直もっと他も底上げしてもらいというのが本音です。メンバーがころころ変わっても慌てずに開き直った。変わったらまた頑張ろう、という感じだった。(タイムアウトでは)ちょっと慌てていて勝ち急いでいたので、それを抑えていこうと陸さんを中心に確認した。東日本は捨てて、もう別の大会として、相手をしっかり見て慌てないで1本1本決めていこうとした。4セット目から5セット目はゲーム運びが下手だった。半ば有利な場面で油断してはいけない。そこを抑えられて良かった。連勝は気持ちがいいが、まだ終わっていない。今日で断トツ首位を走っているが、セット率や得失点差で落ちることも十分あるので、気持ちは抑えて今日の勝ちにおごることなく戦っていきたい。明治は本当に今が旬なので頑張りたい」

竹内雅人(商3=羽黒)
「自分の仕事しかしていない。みんなの力が偉大だった。自分は引き立て役のような感じで、大塚さん、杉本が頑張ってくれた。出ることになった時は緊張した。けれど、私生活でもお世話になっていて、尊敬している先輩たちの役に立ちたかったし、勝たせてあげたかったので。後衛からのバックアタックを一度ミスしてしまって、それが後悔として残っている。決めていれば、相手にバックアタックが来るという意識を植え付つけられて大塚さん、杉本に対するブロックを減らすことができたかもしれなかったので悔しい。レフトの練習しかしていなくて、バックを余りしていなかったけれど、いつ何があるかわからないので、万全の状態を保てるようにしたい。今日はベンチで見ていても負ける気がしなくて、メンタル、技術とか人間としての強さが出ていた。チーム全体でブロックとレシーブの関係を確認して、サーブを1セット目から走れるといいと思う。試合に出たら精一杯やって、4年生に優勝という形で貢献したい」

有田
「自分が出て勝って一安心。今日は杉本の決定率が良かった。チームは今レギュラー以外も実力をつけてきていてまさに総力戦になってきている面はある。特に練習中は1年生が声をよく出していて、練習中の試合でもBチームがAチームに全力で勝ちにいく姿勢を見せている。これで6連勝だが、これからは正直勝ったことがないチームとの対戦が続くので、そこをどう倒すか。明大らしさの中に今までとは違うバレーを見せられたら。自分はケガをしないために強い体をつくりたい」

中村
「うれしい。試合中は無我夢中で、チームが勝てて良かった。東日本の時と似た展開で5セット目13―14となった時は負けたなと思ってしまったけれど、杉本がエースを決めてくれていけるなと確信した。今日は気持ちの面で充実していて、それぞれが自分の役割を果たせていたと思う。その分日体大の攻撃に対応できた。2セット目はリードしていたけれど、自分たちのミスで相手に点を与えてしまった。それがなければ完璧な試合になっていたと思う。調子を崩さないように、今以上にして、細かいところの調整もしたい。これからもきつい試合が続くので、優勝は頭の片隅に置いておいて、一から頑張っていく。最後に優勝できたらいい。ここまできたら突っ走るだけ。スパイクは全部拾う」

瀧野頼太(政経2=創造学園)
「日体には(春リーグと東日本インカレで)2回勝っているから勝てる自信があった。ただ楽に勝てる相手ではないことは分かっていた。日体みたいにうちは個々の能力が高いわけじゃないからフルにもつれ込むことは想定内。自分たちが気持ちを切らさなかったのが勝利につながったと思う。2セット目を落としてもしっかり切り替えて、相手にリードされた場面でも我慢できた。向こうはやっぱりうちに苦手意識を持っている。逆に中大や慶応とか、明治が相性の悪いところとこれからあたっていくので、油断はできない。もう1回気持ちを入れ直したい。チームはまとまりがあるけど、もっと気持ちの緩みや精神的な緩みをなくしていかないといけないと思う。落とさなくていいセットやあげなくていいセットをなくすように。ここからが勝負。この1勝を無駄にしないように、優勝して関カレにもっていきたい」