王者相手に完敗 中大相手に約3年ぶりの6失点/関東大学リーグ戦
手も足も出ない状態だった。第1ピリオド序盤、ゴール裏から抜け出した中島(中大)が、明大ディフェンスを振り切ってシュート。泥臭く押し込まれ、リーグ戦で初めて相手に先制点を許す展開となった。「とにかく出だしで失点したことが痛かった」(DF佐藤光主将・文4=白樺学園)。さらに、中大の勢いは止まらない。18分50秒にも中盤で簡単にパック奪われ、数的不利の状態になり、最後は越後(中大)に簡単にシュートを奪われ3点目。「第1ピリオドはやりたいことができなかった」(FW上野滉太・政経4=北海)と第1ピリオドを3点ビハインドで終えた。
流れは中大のままだった。第2ピリオドでも開始早々から主導権を握り、迎えた2分13秒。中大のシュートをGK伊藤優人(商4=白樺学園)がはじくも、最後は室谷(中大)に決められ4点目。その後も、12分27秒、13分40秒と立て続けにゴールを奪われた。「第2ピリオドで勝負ありという感じだった」(藤井匡智監督)。12分56秒に、ルーキーのFW工藤翔介(政経1=北海道栄)が2試合連続となるゴールで1点を返すも、流れは変えられなかった。
第3ピリオドでは「やりたいことができた」(上野滉)と最後は明大らしさが出た。5点差で迎えた第3ピリオドでも、選手は諦めなかった。第3ピリオド15分31秒、上野が相手ゴールに攻め込み、最後は転びながらもシュート。明大に勇気を与える2点目を呼び込んだ。さらに試合終了1分前、中大選手が続けてファールを受け、5対3の数的有利になった明大は、素早いパス回しから上野滉が冷静に決め追加点。しかしこの直後、無情にも試合終了のブザーが鳴りゲームセット。最終ピリオドで攻める姿勢を見せたが、スイッチを入れるのが遅すぎた。
「1対1」の強さの重要性が浮き彫りになった。守備面では「1対1で負けて、数的不利になった」(佐藤光)と相手に自由なプレーをさせてしまった。幾度となく伊藤が好セーブを見せたものの、中大の攻撃を止め切ることができなかった。一方で、攻撃陣も精彩を欠いた。専大戦では8得点と大量得点を奪ったが、中大戦では3得点止まり。「パックを取られたり、細かいミスあった」(上野滉)。シュートに上手く持ち込めず、シュート数でも中大にほぼ倍の差をつけられた。さらには「FWも1人で1人で、自分で自分でというプレーが目立っていた」(藤井監督)と悪循環に陥り、得点チャンスもほとんど作れなかった。
しかし、この試合で「松坂(拓磨・政経2=北海)や高木(俊吾・政経1=駒大苫小牧)が途中から出してもプレーできていた」(藤井監督)と課題だけではなく、収穫もあった。また、次に迎えるのは東洋大戦。この試合に負ければ、早くも優勝戦線から遠のく負けられない一戦だ。リーグ制覇を目指す明大にとって、次に求められるのは勝利のみ。藤井監督は「選手が一番悔しいと思うので、その悔しさを気迫に変えてもらいたい」と選手たちに奮起を促した。中大戦で味わった悔しさを、次戦でぶつける。
[加藤拓哉]
試合後のコメント
藤井監督
「準備して臨んだが気迫負けしました。第1ピリオドからプレーにしても、点数に対する意識が気持ち負けしていました。第2ピリオドは切り替えていこうとしたが変わらなかったです。セットバランスがまだしっくりいっていないのですが、誰がどこに入っても得点できなければならないです。その面ではまだまだ最後の流れを見ながらという感じで固定はしていません。今日はプレーにしても気持ちにても1対1で勝てなかったです。好きなように打たれて好きなように決められました。うちはDFの守りは強くないと思っていました。逆に弱くてキーパーに助けられていた部分がありました。アタッキングゾーンでのFWの動きが良くなかった。2ピリで勝負ありという感じでした。動いている相手に対して止まっていた。パスミスも多かったし1対1で負けていました。もっと1対1からプレッシャーを掛けていかないと。まだしっかり守って攻めるという形ができていないです。(今日は)強いて挙げるなら、松坂や高木が途中から出してもプレーできていて使えたのが収穫ですね。攻めと守りの差がこれだけあれば6失点しても仕方がなかったです。楽して守って勝てる相手ではないので。FWも1人で1人で、自分で自分でというプレーが目立ってそれが悪循環になりました。シュート数も全然足りなかったです。むしろシュートまで行けなかった感じ。守りの時間が長かったです。本当に負けるべきして負けてました。一戦一戦戦っていくしかないです。選手が一番悔しいと思うので、その悔しさを気迫に変えてもらいたいです」
佐藤光
「法政、専修と出だしが良くなかったので、この試合では序盤から自分たちのホッケーをやろうと臨みました。でも第1ピリオドから相手の動きが良くて1対1で負けてパックを取り返せず長い時間攻められてしまいました。中央ペースで進められてしまい、流れをつかみきれませんでした。とにかく出だしで失点したことが痛かったです。1対1の重要さを感じました。キーパーは頑張っていました。6点以上取られてもおかしくない流れだったので。ディフェンス全体としては1対1で負けて、数的不利になって相手をフリーにさせてしまう場面が多かったです。相手はスピードも速くゴール前を固めてきて、明治がやりたいことをやられてしまいました。全体的に運動量で負けていますし、システムうんぬんの前に駄目でした。相手はどのセットも自分たちのホッケーを貫いていましたし、100%の力を出してきたと思います。うちは半分も出せませんでした。第3ピリオドに関しては明治らしいホッケーができました。夏から負けていなくて初めての敗戦ですが、個々でもチームでも反省したところを修正していきたいです。東洋に負けると優勝戦線からも遠のいてしまうと思うので、絶対に勝ちたいです」
上野滉
「各々、それぞれの準備の仕方があると思いますが、第1、第2ピリオドはやりたいことができていませんでした。第3ピリオドはやりたいことができていたと思います。ピリオド間では、フォアチェックやバックチェックができていなかったので、それらをやろうと確認をしました。中大はやりたいことをやっていたかな、と思います。メンタルの部分もあるかもしれません。パックを取られたり、細かいミスが失点につながっていました。また、次戦の東洋大戦は勝つことしかイメージにないです。各自やるべきことがあると思いますし、4年生がまとめないといけません。様々な条件が全てそろった時に、初めて勝てると思います」
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