流経大に総理大臣杯の雪辱を果たす/関東大学1部リーグ戦

2013.09.20
 第12節は絶対に負けられない相手・流経大との一戦。夏の総理大臣杯決勝では逆転負けを喫し、涙をのまされた相手との対戦に借りを返すべく明大イレブンは燃えた。対する流経大も100人近くの大応援団を引き連れ、監督の声がピッチに届かない声援となりとても熱い試合となった。試合は明大が和泉竜司(政経2=市立船橋)の大学初となるハットトリックなどで順調に得点を重ねていき、終わってみれば4-1で快勝。これで前節までの不調を払しょくし、順位も7位から4位に上げた。

 序盤から激しい試合となった。両チームとも前線から激しくプレスをかけ、球際でもどちらも激しく、なかなかボールが収まらない展開が続く。その中、明大は前半17分にコーナーキックを獲得。1度はクリアされるがDF陣が拾い、前線へフィード。すると競り合いのこぼれ球がフリーだった和泉の足元へ。それを和泉は冷静に右アウトサイドで押し込み、明大が先制した。このあとも明大はいくつかのチャンスをつくるが加点できずに前半終了となった。

 後半は明大が支配する展開となった。追加点が欲しかった明大は後半5分に和泉のパスを受けた藤本佳希(文2=済美)がドリブルでするすると持ち込みシュート。これがゴール左隅に決まり2-0。徐々に運動量でも明大が流経大を圧倒していき、ボールを支配する時間が長くなった。後半27分にはカウンターからパスをテンポ良く少しつないでいき、最後は和泉が放ったシュートが左ポストにあたりゴールに吸い込まれた。総理大臣杯で逆転されたスコアが続く中で、このダメ押しとなる得点に神川明彦監督も声をあげガッツポーズ。後半42分にも和泉が相手ペナナルティエリア内でボールを奪い左足でシュート。これがクロスバーに当たりゴール。「最後は相手のDFも緩くなってきたと感じたのでチャンスは来るなと感じていた」と和泉はこの試合自身3点目となる得点を決め、大学初のハットトリックを記録した。このあとに明大は1失点をしてしまったが、試合終了。総理大臣杯での悔しさを晴らした。

 「かなり理想に近かった」と神川監督。明大らしいサッカーで勝ったことに一定の満足を示した。次の東洋大戦への課題は、いかにこのサッカーを継続していくかである。「悪いプレーをすると今日の勝ちも意味がなくなる。この勝ちを次節につなげたい」と藤本が語ったようにこの試合での好調を維持し、リーグ戦で勝ち星を積み上げていきたい。

[西田理人]

試合後のコメント
神川監督
「前節は首位をひた走るチームと中位以下に甘んじるチームでの対戦で、色んな意味でサッカーの厳しさであったり、精度や質の差をまざまざと見せつけられた。だから、今節は単純なことを徹底した。藤本と和泉の前線が追っかけ回して、それに対して梅内、石原も良く反応した。セカンドボールに対しても水野が良い反応で拾ってくれて、最終ラインもあまり無理をせずに切るところは切って、シンプルに処理をしていた。本当に公式戦に必要な割り切ったプレーができていた。今日はほぼ完勝と言っても良い内容だった。守備はかなり理想に近かった。攻撃面ではつなぐところをしっかりつなげ、攻撃のバリュエーションが増えるとさらに良かった。しかし、今日のピッチコンディションや相手のレベルを考えると、今日はすべきことをして、4点という結果はできすぎかもしれないがしっかり点を取れて勝てて良かった。今日みたいな守備からリズムをつくり、攻守でゲームを支配することができたのが効いた。今日は相手の狙い通りにプレーさせなかったのも大きかった。攻守においてすべて、勝つために必要な愚直なまで割り切ったプレーが見られたのは良かった。専大戦は1-4で負け、今日は4-1で勝ち、得失点差は盛り返した。次の東洋戦も守備から入ること忘れずにやっていきたい」

小川大貴主将(営4=ジュビロ磐田ユース)
「前節が1-4でふがいない結果だったので快勝できたことも良かったし、勝ち点3取れたことも良かった。走ることだったり、球際だったりそういう部分で相手に勝っていた。前節の専大戦を活かすことができた。戦う姿勢を今回は出せたと思う。それだけではなく自分たちがやっていたことをしっかり出そうとも話していた。実際やってみて三原則も徹底できたし、失点してしまったがそれまでみんなで体を張って守れていた。いい守備からいいオフェンスのためにペナルティエリアに入れないとかを意識していて「三原則」の部分も表現できた。目標に近づいている。」

和泉
「後期が始まった1敗1分という結果で、内容も良くなかった。もう一度、勝つためにみんなで走ったり、球際であったりの明大らしさを全面的に出して、勝ちたいという気持ちも相手に上回っていた。今日は決してすべてがきれいに崩せたわけではないが、点を決められる形であればどういう形でも決められたのが大きかった。守備が良かったから攻撃もいい形で入れた。やはり良い守備から良い攻撃というのがコンセプトなので、そこをしっかりできたのが4点という結果に表れた。3得点を決め、ハットトリックをしたが、大学では2点までは決めたことがあり、3点目を取ったことがなかったので狙っていた。最後は相手のDFも緩くなってきたと感じたのでチャンスは来るなと感じていた。東洋大戦は前期で負けているので、今日みたいなプレーをしてその借りを返したい」

藤本
「流経大戦は全員が何としても勝たないといけないと分かっていた試合だったので、とにかく勝てて良かった。今日の試合は個人として得点を決められたことも大きいが、まず守備から前線の和泉が声を掛け合い、相手にプレッシャーをかけられたのも大きかった。この間の専大戦に負けたあとに全員で走ることや球際で勝つこと確認していたので、それができた。次節は中3日で時間はあまりないが、悪いプレーをすると今日の勝ちも意味がなくなるので、この勝ちを次節につなげたい」