大量得点で専大に快勝/関東大学リーグ戦

 8得点で快勝した。前節開幕戦は1点差で苦しんだ勝利だったのに引き換え、危なげない勝利だった。特に第2セットは、キルプレーで1点こそ失ったものの、6点を奪い相手を圧倒。それでも「もっともっとゴールに向かわなければならない」(藤井匡智監督)と、さらなる高みを見据えている。

 差がついたスコアの通り、第1ピリオド立ち上がりから明大がほぼ一方的に攻め込む展開だった。5分15秒には早速先制点が生まれる。決めたのはFW大椋舞人(法2=白樺学園)。FW永井遼(営2=白樺学園)、FW大津晃介(法2=北海)との3人の華麗なパスワークで、相手DFを崩した形でのゴールだった。一方の専大は、パックを奪うとひたすら前に出してカウンターを仕掛けた。パスをつないで攻め込む明大とは対照的な淡泊ともいえる攻撃。明大はその後もう1点を追加し、第1ピリオドは2-0で折り返した。

 第2セットは6点を奪う攻撃力を見せた。「2点入ってからいいペースになった」(DF佐藤光主将・文4=白樺学園)と、第1ピリオドの好調が呼び水となった。立ち上がりから2度にわたる専大のペナルティー。その2度目のパワープレーでFW川村一希(商1=北海道清水)がゴール前での混戦の中で受けたパックを押しこみ得点。川村はその4分後にも2点目を奪う活躍を見せた。また、29分台は16秒間で、33分台は10秒間で2点と、短時間での集中した得点が2度あったことも大量得点につながった。第2ピリオド終了時点で8-1。ほぼ勝利を手中に収めた格好となった。

 続く第3ピリオドも第1、第2ピリオド同様、攻め続けた。しかし第2ピリオドのような決定力は鳴りを潜め、結果的に無得点で終えた。「第2ピリオドではパックがうまくさばけていたと思うが、それ以外ではパックのさばきがよくなかった」(FW上野峻輔・政経1=北海)と、大量得点の結果にも課題が残る内容。「シュートの精度であったりパスの精度であったりがあまりない」と藤井監督は注文をつけた。

 この試合、1年生2人に大学後の公式戦初得点が生まれた。FW工藤翔介(政経1=北海道栄)は、第1ピリオドのチーム2点目。DF松金健太(法1=釧路江南)も、第2ピリオドのチーム8点目がそれぞれ初得点となった。工藤は、本間貴大(法4=釧路江南)からの決定的なパスをゴール前で受け、落ち着いてシュートを決めた。また松金は、フリーでパックを受け、やや遠めの位置から放ったパックがゴールネットに突き刺さった。特に工藤は「1年のうちに点を取りたかった。先輩にも点を取れと言われていたし、取ってやるぞという気持ちだった」と意気込んで臨んだ試合。ゴールへの思いは人一倍強い選手。春の関東学生選手権後も工藤は「レギュラーのために、初ゴールを奪いたい」と語っていた。まずはその目標を果たした。次戦、対中大戦へ向けても「チームに貢献して点が取りたい。熱く行きます」(工藤)と、貪欲にゴールを狙う。

 これで開幕2連勝。しかし「まだまだ自分たちのプレーができていない」(佐藤光)というように、内容としては課題が残るものではあった。しかし、勝ち点3を確実にモノにしたことは何より大きいことだ。次戦では関東学生選手権の決勝で敗れた中大と対戦する。「このままだと中大や東洋大には厳しいと思う」(FW上野滉太・政経4=北海)と、来週末の2戦へ意気込むが、インターバルとなるこの1週間で反省点を修正しきれるか。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
藤井監督

「全部の力を出すということでスタートして、その辺まだ自分たちのスピードとかまだまだなのですけど、やっていくうちには良くはなっていくと思うし、次の試合まで1週間あるので、チームでやることを確認していきたいです。(第3ピリオドでセットを変えたが)途中から第2ピリオドで全員出て、その動きを見ながら変えました。今はセットを固定というのはない状態でやっているから、より調子のいい選手を使いました。セット構成はこの試合終わって、次の試合までで変わると思うので、今日もスタートから出たメンバーがスタートから100%できない状態であれば、今日やって途中からでもいいプレーした選手は次のスタートからと考えています。練習で調子落とすわけにもいかないし、1試合1試合大事な試合なので、ベストなメンバーでやろうと思っています。(その中で第3ピリオドは無得点だったが)動きというかもっともっとゴールに向かわなければならないし、シュートの精度であったりパスの精度であったりがあまり無いと思います。点数取れないのは仕方がない。そこは練習で上げていかなければならないと思います。(セットの)3つ目が得点を多く取ったりしたましが、どこでも取れるようにバランス良いチーム編成をしたいです。(GK矢板祐介⦅商2=日光明峰⦆が先発でしたが)状態が夏にゲームに出ていない部分があったので、少しでもモチベーションを上げるためです。練習が全然駄目だったので、サブが当たり前になっているのではなくて、GK伊藤優人(商4=白樺学園)がいるからサブではなく、そこを抜いて練習でも調子いいというアピールをする、そこが欠けていました。優人(伊藤)だってケガしないこともないし、調子を崩すことだってあります。そこでポンと出た時に、普段からやってないとできないし、多少モチベーションを上げるためにも出したいなとは思っていました。もっともっと練習してもらいたいですし、もう1人とサブを争っているというよりは優人(伊藤)を抜くぐらいの気持ちでやってもらわないと、来年になったらそこで争うわけですし、しっかりやってもらわないと。そういう意味ではここのところいいGKの練習はできているし、今日試合やってみてどうだったか、またもっともっと練習してシュート受ける1回1回を集中してやっていけばもっと良くなると思います。(次は中大等強敵が続くが)スピードだったり力だったりというところでやってみてその差が出てくるというところ。負けているわけではないですし、すごい力の差で勝っているわけでもないです。自分たちのやろうとしていることを、100%スタートから出せるのか、それをやって初めて相手が強ければ勝てないだろうし、目いっぱいやって持ち味のスピードというところが出れば、どこのチームと当たっても主導権は握れると思います。そこのところをもう一度気を引き締めてやって、次、1次リーグというか前半のヤマ場なので、そこをいい結果もそうだけど、チームとして。この前の試合と今日の試合でどれだけできたかというと100%できていないです。選手も半分もチームの力出ていないと思っていると思うし、この一週間でゆっくり合宿から帰ってきて間もないっていうのもあったしこっちでの生活に落ち着いてコンディションを整えて、目いっぱいできるように準備をしっかりして臨みたいです」

佐藤光
「早い展開からスコアを決めることができて、出だしが悪い明治にしては良かったです。2点入ってからいいペースになったがFWのゴールに向かう意識はまだ足りないし、持ちすぎたりパスを回してばかりでスコアにつなげられなかったです。サマー(カップ)ではできていたので、そこは修正したいです。相手も専大で、2試合目ということもあって余裕がありすぎて、1つ1つのプレーが疎かになってしまいました。止まって状況を判断しなきゃいけない時にメリハリのないプレーをしてしまったり、まだまだ自分たちのプレーができていないと思います。FW3人がフォアチェックに向かっていなかったりとか。矢板は初めて先発で出たけど落ち着いてプレーできていたと思います。チームとしては徐々にまとまってきたけど完璧ではない。チャンスがあってもスコアにつながっていない。(対中大、対東洋大戦に向けて)試合と同じように練習から100パーセントでやって、細かいパスなどを確認したいです。相手は守りが堅いし、もっとプレースピードを上げていかないといけないと思います。どっちとも自分たちと同等の力を持っていて、どっちが勝つか分からないけど、自分たちのホッケーを貫けば勝てます。自分たちの約束事だったり、スタッフの言うことを守っていきます。2戦をものにして10月のリーグにつなげていきたいです」

上野滉
「対法大戦より氷に慣れて走れました。でも全然自分たちのプレーができていないから、このままだと中大や東洋大(相手)には厳しいと思います。練習でもっと上げていかないと。DFからのパス出しだったり、FWも打てる時と打てない時があります。フォアチェックとかもケースバイケースで頭使ってしていかないと駄目。夏やってきた分昨年よりはいいけど、逆にやってできる前提があるからできていないのがもどかしいです。(実弟・峻輔とは)特に話してはいないけど、2セット目で出ている以上弟に求めるものは大きい。出られない選手もいるわけでそれなりにやってもらわないと困ります。まだまだできると思うから今以上に力を出してもらいたいです。(2セット目では)フォアチェックが機能しているか、してないかアドバイスしたりしています。雰囲気が良くない時に声を掛けたりだとか、下級生がストレスなくプレーできるようにしたいと思っています。(矢板の初先発は)悪く言うつもりはないけど相手が相手なんで正直力は劣ります。ただ無失点で抑えたことは評価できます。優人(伊藤)が見ていて感じるものがあったと思うからアドバイスしてもらえると思います。優人がケガした時に出ることは十分あるし、今のままだと優人との差が激しいからもっと頑張ってもらいたいです。(今日のスコアについて)正直今日の試合だったらダブルスコアでやるべきでした。ダブルスコアを取れなかったのはFWの責任です。もっとシュートの精度を上げないと。秋は3年間取れていません。去年よりは確実にやってきたし、やってきたことが正しかったと証明するためにも結果は出さないといけません。チームがどうこうってよりも、まずは個の力や意識がどれだけ引き上げられるか。個が集まった時に相乗効果を出していくことが必要です。夏もやってきたし第3ピリオドまで戦い抜く体力はあります。自信を持ってシンプルにどれだけできるか。勝つことしか頭にありません。どのチームにも3点取ることが目標。4つ目や出てない選手にアドバイスやサポートされている身だから必ず結果を残したいです。常に点数を求めていきたいです」

上野峻
「今日の試合は、テンポが遅かったことや、無失点で終われなかったこと、第2ピリオドでは、パックをうまくさばけていたと思いますが、それ以外ではパックのさばきが良くなったなど、課題が多く残りました。そんな中でも、DFの近くでプレーできたことは良かった点だと思います。また、今日は格下の専大が相手ということでチームが1つになれず、自分勝手なプレーをしている場面があったのは良くなかったと思います。(夏合宿やサマーカップを終えて)サマーカップでは自分の通用する部分がわかりました。さらに、夏を乗り越えて、大学の試合に慣れたこともあるが、試合で落ち着いてプレーできるようになりました。さらに、フィジカルも強くなり、敵とぶつかっても体が崩れなくなりました。(次の中大戦に向けて)まずは、今日のような自分勝手なプレーをなくして、チーム一丸となって戦っていきたいです。個人としては、アシストするのは当たり前なので、次はシュートを決めたいです。また、周りの選手が使える場面では、しっかりと周りの選手を生かしたプレーをしたいです」